浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百五十三話

 遥と剣の怪人の生徒が外へ。

 他の生徒が見守る中、二人がベルトを操作して変身する。

 

『ROAD DRIVE READY?』『SWORD DRIVE READY?』 

「変身」

『『COMPLETE』』

 

 遥が指揮官怪人、生徒は剣の怪人へと姿を変えた。

 お互い剣を構えてから素早く移動し、剣を交える。

 

「はっ!」

 

 蘇我高校の生徒も強いが、一度は明人を倒した経験のある遥はそれを上回った。

 自分は幼馴染の為に、罪を犯す事も、命を懸ける事も決意した。

 それだけは絶対に証明し、勝たなければならない。

 そう言い聞かせて、遥は相手を最悪殺すつもりで剣を振るう。

 

「ママ!」

 

 恐らく脳波の状態を察知したヴィーダが、近くまで駆けてくる。

 

「待てヴィーダ」

「……!」 

 

 バックルを取り出した所で、決闘を提案した生徒が止めた。

 

「これは狩野遥の問題だ。お前が助太刀したら意味がなくなっちまう」

「……」

 

 ヴィーダがバックルをしまってから心配そうに見てくる。

 遥は大丈夫だの意味を込めて頷き、剣の怪人が振るう剣を弾く。

 弾いてからベルトから端末を抜き、ボタンを押す。

 

『LANCE DRIVE』 

 

 ボタンを押してからベルトに差し込むと、音声が流れて槍が現れた。

 右手の剣を投げ飛ばしてから槍を掴み、剣の怪人に向かって振るう。

 剣の怪人の肩に槍が刺さり、そのまま蹴とばして倒す。

 

「野郎……」

「これで終わりだ」

「そうはさせるかよ!」

 

 今度は剣の怪人が咄嗟に剣を指揮官怪人の脚へ突き刺す。

 体勢を崩した遥に向かって頭突きをかまし、拳を握って腹に右ストレート。

 遥は真っ直ぐ吹き飛んで地面へと叩きつけられる。

 

「くっ……」

「俺が終わらせてやる!」

 

 剣の怪人がベルトを操作した。

 

『FINAL DRIVE!』

 

 剣を持っていない状態で、剣の怪人が姿を消す。

 剣で攻撃する所を拳の連打に置き換えて、剣の怪人は指揮官怪人に拳を叩きつける。

 最後の一撃の前に、指揮官怪人の脚から剣が抜き取られ、彼女の胸を薙ぎ払う。

 遥はもう一度勢いよく吹き飛び、地面をごろごろと転がっていく。

 その途中で、変身が解けてしまう。

 

「ママ……ッ!」

 

 今にも走り出しそうなヴィーダ。

 だが生徒が止める。

 

「くっ……」

 

 遥はもう一度変身しようとするが、剣の怪人が間合いを詰めた。

 

「ふんっ!」

 

 剣を振り下ろそうとした所で、ヴィーダが目を閉じる。

 遥は何とか戦おうと、拳を構えた。

 脳天まであと少し、という所で……剣の怪人が剣を止め、変身を解く。

 

「……」

「何の……つもりだ?」

「俺の負けだ」


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