浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百五十九話

 ある程度時間が過ぎ、お腹いっぱいになった生徒達が自室に戻り。

 俺は一人、残った酒を手に夜空を見ていた。

 

「……ここまで長く感じたな。けど、もう明日なのか」

 

 二号に明日戦おうと指定されたのが一週間くらい前。

 だが実際には二か月くらい経ったんじゃないかとさえ思えてくる。

 

『今投稿日でも見ながら話してたのか?』

 

 投稿日ってなんだ?

 

『いや、分からんなら良い』

「なんかよく分かんないけどよ、実際言われたのは一週間前なのに二か月くらい経ったように感じてよ」

「実際そうかもですわね」

「み、美咲いたのか」

「四行目の台詞の所からいましたわよ」

 

 四行目……?

 

※※※

 

 謎会話から一転、真面目な話へ。

 

「健斗さんとお話してましたのね」

「ああ。一週間をこんなに長く感じた事なんてないし、でももう明日で修行期間も終わるんだなってよ」

「……私は短く感じましたわ。あの時、蘇我高校との決戦前に修行した時と同じですの。皆と努力したから、あっという間に感じましたのよ」

「……なるほどな」

「本音を言うなら、あともう一週間くらいあっても足りないくらいですわ。まだ満足する出来ではありませんもの。けど本番は明日。身体を休めないといけませんわね」

「まるで大会前の奴の言葉だな」

「私は死ぬ気はありませんもの。それにこれ以上私の目の届く範囲で誰も殺させない。健斗さんやヴィーダさんもそれを望んでいる筈ですわ」

『美咲……すまないな』

「お供や仲間の願いすら受け止められないなら、生徒会長なんて務まりようがありませんわ。それに……命をあんな風にされて怒るのは貴方やヴィーダさんだけではありませんのよ」

 

 美咲はあの時の事を思い出したのかを手を震わす。

 今この瞬間まで、俺自身……いや他の皆ももしかしたらあのおざましい瞬間を考えないようにしていた。

 けど、俺も思い出して手が震えた。

 俺が明日戦うのは、俺達より戦うのに向いている生物ですらいとも簡単に殺せてましう者。

 健斗やヴィーダ達とは違う。

 俺も前の蘇我高校の生徒数人と同じ。

 怒りなんかより、恐怖の方が勝っている。

 

「美咲は、怖いから手を震わせてるのか? それとも……怒ってるのか?」

「私はその両方……それと、今言うのもなんですがワクワクもありますわ」

「強い奴と戦えるとワクワクするって奴か?」

「そうですわね。まあ、あんなことが起きてこれを言うのも不謹慎かもですがね」

「いや、そう思ってくれる奴がいて少しホッとした。少しくらい前向きな奴がいないと、俺みたいな小市民は不安になるし」

「いつまでも小市民気取りじゃ困りますわよ。貴方は私のお供なんですから」

「あれ、お前のお供は健斗じゃなかったっけ?」

『違うぞ』

「お前がツッコんでどうする」

「違いますわ」

「遅いぞ」

 

 俺がそう呟いた後、美咲が急に口元に笑みを浮かべて……笑う。

 

「ははは……ははは……」

 

 俺も、自然にそれにつられた。

 

「ははは……」

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