浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
残っていた酒を飲み干し、また一人になってから、俺はまた明日の戦いの事を考えていた。
何とかイメージトレーニングだけでも出来ないかなと健斗に話しかける。
もしかしたら美咲もそれくらいはするかも知れないし。
「なあ、健斗」
『なんだ?』
「明日の戦いのイメトレしないか?」
『イメトレ……そうだな。予め予測しておくのも大事な事だ』
「してみるか」
俺は健斗と一緒に明日の戦いを想像して、お互いの意識に考えた事を共有する。
まるでメールの文章を携帯で送り合うような感覚で。
便利なもので、イメトレした結果を口で言い合うより客観的で分かりやすい。
何せ二つの意識が肉体の中で共存してるから、それを行き来させるなど簡単だ。
けど……だからこそ分かってしまう。
俺や健斗では、結局強くなり過ぎた美咲や明人にはついていけない。
ヴィーダにすら、ついていけないと。
それは、あの人型が襲って来た時に剣を交えた健斗がよく分かっている。
あの時よりちょっと強くなったくらいで勝てる相手ではない。
結局、美咲達に全て任せるしかないのだ。
それすら出来なければ……。
『一つだけ、絶対に秀奈を倒せる方法があるぞ』
「本当か?」
『ああ』
健斗が俺に、その方法を共有させる。
俺はそれを見て……少しだけ健斗に怒った。
「ふざけんなよ……こんな方法、俺にやれってか?」
健斗が提示したのは、実に簡単な方法だ。
俺達を狙ってアトミックが攻撃する瞬間、健斗が脳波制御能力でアトミックの身体を乗っ取り、動けない二号に攻撃を当てるというもの。
確かにこれが上手くいけば、確実に勝つ事が出来る。
だがこれでは……。
『だが、確実に勝ちたいんだろう?』
「でもよ、この方法じゃ最悪お前は……」
『確実に勝てるって自信があれば、こんな方法など選ばずに済んだんだ。だが、いくら強くなろうと……俺に自信がつくことなんて無かった。俺には自信がない。俺も含めて全員が思う通りにいく未来を勝ち取れる自信がな』
「……」
健斗の感情が伝わってくる。
数日前に感じた怒り、それに菫に対する愛情。
自分の思う未来を諦めなければならないという悔しさ。
『残念だ。明人に認めて貰えたというのにな……』
「まだだ。まだ明日どうなるかなんて分からない。万が一を考えるのは、大事かもだけど……この未来じゃ、お前だけじゃない。仲間を想う美咲の気持ちも救えない。あいつの気持ちを踏みにじらない為には、絶対に生き残らなくちゃいけないんだ」
『裕太……』
「二人で生き残ろう。菫や二号に勝って、いつの日か、俺やお前が望む未来を勝ち取る為に」
『ああ……そうだな』
健斗がそう呟く。