浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百六十四話

 成音と優香、そして遥も準備を終え、ライダーや明人たちがいる場所へ向かおうと体育館を出る。

 

「行くぞ」

 

 遥の声と共に、走り出す成音と優香。

 だが。

 

『おーっと、邪魔しに来るのは知ってたぜ』

 

 唐突に聞こえた二号の声。

 それと同時に、揺れ始める地面。

 まるで錬金術のように、砂が動いて何かを形作っていく。

 人型だ。

 ゾンビの如く沢山の人型が、成音達の道を阻む。

 

「またこのパターン?」

『こいつらなら、命もないし躊躇わずに壊せるだろ? サポートしたいってんなら、早くやらねえとな』

「……まさか、アンタにこんな余裕があったとはね」

『どんな特訓をしたかは知らねえが、今の俺にこいつら四人相手は楽勝過ぎる。少しはハンデをやらねえとな』

「相当舐められてる……みたいね」

「やるしかない」

「い、行く系!」

 

 成音達がベルトを取り出してすぐに、後ろから声が聞こえる。

 

「俺達も手伝うぜ」

 

 蘇我高校の生徒達。

 体育館にいた皆だろう。

 明人が持っていたソードドライバーを持つ生徒が先頭に出て、ベルトを操作。

 

『SWORD DRIVE READY?』

「俺をこけにしたあいつ、絶対一発ぶん殴ってやる」

『COMPLETE』

 

 そう言って、端末をベルトに装着。

 剣の怪人へと姿を変え、荒々しく先陣を切る。

 

「うおおッ!!」

 

 砂から作られた人型をどんどん斬っていく。

 呆気に取られていた成音達も気を取り直し、ベルトを着ける。

 

「「変身!」」「変身系!」

 

 成音は劣化版のドライバーで火炎放射器怪人へ。

 遥は指揮官怪人、優香も騎兵怪人へとその姿を変えた。

 

※※※

 

 そんなやりとりの後、既に変身し終えた彼らは戦いを始めようとしていた。

 

「準備は終わり……掛かってこいよ。お前らのやってきたことが如何に無駄か、俺の力がどれ程か、しっかりその身に味合わせてやるよ」

 

 アトミックが挑発する。

 

「言われなくても、そのつもりですわ!」

 

 最初に攻撃を仕掛けたのはボマーだ。

 単独で地を蹴ってアトミック目掛けて飛び込み、挨拶代わりのバット振り下ろし。

 

「ふん……」

 

 アトミックは頭でバットを受け止める。

 

「なっ……」

「オールウェポン使えよ。そんですぐに楽になれよ」

 

 頭で受け止めたアトミックが、そう言ってボマーの腹を蹴り飛ばす。

 ボマーは勢いよく飛んで、地面に突き刺さる。

 

「……ッ!」

「ヤアッ!」

「!」

 

 残る三人も、アトミック目掛けて武器を振るっていく。

 

「邪魔だぜ」

 

 眼中にない、そう言わんばかりに、パンチ一発でムラマサが吹き飛ばされる。

 そしてグングニルフレイムシャワーフォームの突きと、明人の剣撃が無情にも受け止められた。

 

「おせえ……おせえおせえおせえよ!!」

 

 グングニルを右足、明人を左足で蹴り飛ばすアトミック。

 二人は勢いよく吹き飛び、地面を転がされた。

 

「ボムビット!」

 

 ボマーは背中のボムビットを勢いよく飛ばす。

 

「……」

 

 アトミックは見向きもせず、水色のバリアを使ってそれを弾く。

 リフレクトの能力……だろうか。

 ボマーに全て跳ね返り、その身体を弾き飛ばす。

 

「こういう武器ってのはこう使うんだよ」

 

 アトミックはボマーよりも多い十二のボムビットで、明人とグングニルを狙う。

 回避すら不可能な速度で飛ばされたそれは辛うじて彼らの命を奪わなかったが、再び大きく身体を転がされた。

 

「まだ本気出してねえって事、分かってんのか?」

  


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