浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百六十五話

「つ、強いですわ……」

「俺もやっとこいつの扱い方に慣れてきてな。真の力? みたいな? ははっ……あん時はヤバかったけど、今なら負ける気がしねえ」

「……!」

 

 明人が目を見開きながら駆けていく。

 

「人が話してる時くらい聞きやがれ!」

 

 アトミックはそう怒りながら、剣を握り駆ける明人を蹴り怯ます。

 そのまま明人の胸に拳を叩き込み、駆けだした地点まで吹き飛ばしていく。

 

「くっ……」

「そう簡単に負けてたまるかよ。俺が何の為にあいつに魂を売ったか、分かんなくなるだろうがよ!」

 

 瞬間移動並みの速さでグングニルに近付き、見えない速さで何度も殴る。

 低く飛んでからオーバーヘッドキックで地面へと叩きつけられ、岩に大きな穴が開く。

 

「ミ、ミエナイ……」

「見えてたまるかってんだ人形」

「ヴィーダ、ニンギョウ、チガウ!」

 

 激昂したグングニルが、槍を手にアトミックへ立ち向かう。

 

「そうだな……お前は人形としての役目すら果たせてねえな。戦闘用に生み出されたお前が……人間の俺に勝てねえなんておかしいよなァッ!」

 

 狂った笑みと共に、槍を掴んで開いた拳をグングニルへ叩きこむ。

 

「弱え弱え。巾着でも殴ってる気分だぜ」

 

 まだ立ち上がれない二人に向かって、アトミックは煽る。

 

「おい、どうした? もう終わりか? 冗談やめてくれよ。俺まだ本気出せてねえぞ。本気出してもねえのに、そんな反応してんじゃねえよ。もっともっと、楽しませろよ!」

『INFINITY DRIVE』

 

 大量のボムビットが、空間に現れる。

 グングニル、ムラマサ、明人の三人目掛けて、それは勢いよく放たれた。

 

「早く動かねえと死んじまうぞ! はっはっはっ!」

 

 その間に、ボマーが割って入る。

 落ちてくるボムビットを、何とか最高速度で動きながら、バットで斬っていく。

 立ち上がった明人とグングニル、そしてムラマサもそれに参加し、何とか対処する。

 最後のボムビットを処理したのはボマー。

 唐竹割りで真っ二つに割り、その爆発で吹き飛んだ勢いを利用してアトミックへと体当たり。

 アトミックに何とか一撃を与える。

 

「ッ!」

「やっとってとこか。だが全然足りねえぜ!」

 

 アトミックが気功で弾く。

 ボマーは吹き飛ばされながらカードを取り出し、そのままオールウェポンへと変化する。

 

『COMPLETE ALL WEAPON DRIVE READY?』

「ハイパー超変身ですわ!」

『WEAPON DRIVE METAL SWORD』

 

 鉄の剣を召喚し、ボマーはもう一度立ち向かう。

 

「待ってたぜ……この時を! 今度こそぶちのめす時を!」

 

 アトミックもそれに対していく。

 アトミックの光剣と、ボマーの金のバットと銀の剣。

 二本ずつ持った得物が、互いに交差する。


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