浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二十六話

 

 ボマーと火炎放射器怪人は組み手をしながら、石を探し続けている。

 

「また腕を上げましたわね、山内さん」

「会長もね」

 

 空中からボマーのライダーキックがさく裂。

 火炎放射器怪人はそれを難なく回避。

 

「よっと……でも、まだあたしが落ち着いてる時は攻撃読まれっぱなしね」

「うるさいですわね……読まれないようにってのが一番難しいんですのよ。大体避けるなんて卑怯ですわ」

「はあ……会長。少しは攻撃の回避とかもちゃんとやらないといつか死ぬよ?」

「それは……気に入りませんのよ。売られた勝負はちゃんと買って、必ず勝つ。それが私の流儀ですわ」

 

 ボマーは爆弾を投げる。

 しかし木に当たって跳ね返り、ボマー自身に命中。

 

「……」

 

 だがすぐに山内の背後で復活。

 

「それに私は爆発じゃ死にませんわ」

「……この人に学校任せて大丈夫なの?」

 

 自分はこの人に負けはしたから仕方ないけど、凄く心配だ。

 

「とにかく、私は何があっても攻撃は避けませんわ。避ける以外の方法で何とかしますの」

「まあ……その方が会長らしくて良いか……」

 

 色々考えたが、それでも彼女はそのやり方で結果を出している。

 今更自分がとやかく言いまくるわけにもいかない。

 それに彼女なら何とかしてくれるだろう。

 いざって時は人並外れた根性とメンタルで……。

 

「へえ、攻撃避けないのぉ? ならこの攻撃も避けないよねぇ?」

「!」

 

 ボマーの背後に、騎兵の姿。

 

「志村後ろ!」

「はあッ!」

 

 ボマーは咄嗟に、バットで攻撃を受け止め……そして押し返した。

 

「私は確かに避けませんが、簡単に攻撃を当てるなんて百年早いですわ」

「へぇ、確かに凄い根性だねぇ」

「……」

「どうしたのぉ?」

「いや、その喋り方……凄く知ってる人を思い出すからやめて欲しいんですの……」

「誰の事ぉ……? あ? もしかして優香ちんの事?」

「貴方知り合いでしたの!?」

「中学の時からズッ友だお」

「どうりでテンションが似てるわけですわ……」

「あ、今から倒すけどぉ、いいよねぇ? 答えは聞いてないよぉ?」

「まるでリュウタロスみたいな言い回しですわね……ならこっちは、最初からクライマックスですわ!」

 

 バットを構え、騎兵怪人目掛けて駆け出す。

 

「うおりゃあッ!」

「あんッ!」

 

 見事に一撃ヒット。

 

「流石ぁ、美咲ちんつをいねぇ」

「調子狂うから戦う時くらいその喋り方やめなさいの!」

「おっと、そんな事言っていいのぉ?」

 

 騎兵怪人は端末を取り出す。

 

「知ってるぅ? ギャルってケータイ打つのめっちゃ早いんだよぉ?」

 

『FINAL DRIVE!』

 

「これでぇ……どぉ?」

 

 光を纏いながら駆け出す騎兵。

 

「危ない!」

 

 ボマーの前に、突如影が現れる。

 あれは……。

 

「ぬあっ!」

「……へぇ、また止めに来たのぉ……? 会長ぉ」

 

 変身が解けた剣の怪人……足利明人が、ボロボロの身体でボマーを庇うように立っていた。

 

「これ以上……お前の好きなようにはさせない」

 

 


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