浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百七十話

「ああ……痛い。痛すぎる。全部君達のせいだ。君達が悪い。君達が役に立たないせいだ。僕は悪くない。僕は完璧なんだ。上手くいかないのは僕のせいじゃない」

 

 譫言のように、自分を肯定しようとする菫。

 近くで見ていたのだろうか、遥が美咲の前に飛び出す。

 

「菫!」

「……遥ぁ。今更僕に何の用だい? 僕を裏切った君が、僕の前に出たらどうなるか分かってるよなぁ?」

「もうやめろ……! これ以上自分の目的の為に人の命を弄ぶな!」

「君は僕に命令を出来る立場かい? 僕が今拳を振るえば、変身していない君の腹を貫いて殺す事が出来る。そう、君が大事にしていたあの小僧のように……君も死ぬんだ。まあ、どちらにしても君にはこれから死んでもらうけどね」

「……ヲダスナ」

「は?」

「ママニ……テヲ、ダスナ!」

 

 グングニルが激情しながら、槍を菫に向かって振り下ろす。

 

「人形が僕に命令しながら攻撃とは……。舐めているのかい?」

「ヴィーダ……ニンゲン! ニンギョウジャナイ、ヴィーダハダイスキナママヲマモル!」

「何か一つの目的の為だけに生み出され、それを全うしようと動く。それを人は人形と呼ぶ。人形風情が、僕の崇高な目的を邪魔するなどおこがましいな」

 

 次に菫は、グングニルが持つ槍と同じものを生み出す。

 グングニルの脚にそれを突き刺し、顔を蹴とばして地面へ叩きつける。

 

「ヴィーダ!」

「ヴィーダっち!」

 

 今度は成音と優香が駆けてくる。

 

「君達も、人形如きに感情を揺さぶられたって事か」

「その口を、閉じる系……」

「さもないと、あたし達はアンタを……」

「殺す……とでも言いたいのかい? どうやって? スペックの高いあの人形でさえ倒せない僕を、君達がどうやって倒すと言うのか教えて欲しいね」

「ヴィーダ、あたしがやるわ」

 

 そう言って成音はヴィーダのグングニルドライバーからフレイムシャワードライバーを引き抜く。

 ベルトを装着し、成音と優香は端末を操作する。

 

『FLAME SHOWER DRIVE READY?』

『HORSE DRIVE READY?』

「変身!」「変身系!」

『『COMPLETE』』

 

 二人は同時にその姿を変え、成音は火炎放射器怪人へ、優香は騎兵怪人へ。

 そのまま菫目掛けて駆け出していく。

 

「非常に無意味な行動だ。君達二人などこれで十分だ」

 

 菫が右足の先を勢いよく地面へ叩きつける。

 それだけで地鳴りが起き、成音と優香の行く手を阻む。

 吹き飛ばされた岩の激突で、二人は変身を解かれてしまった。

 そして遥と美咲以外で唯一残った明人に目を向けて問いかける。

 

「無論……君も戦うんだろう?」

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