浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二十七話

 

「会長やっぱ面白ぉい……でもぉ、そんな身体でぇ……どうする気ぃ?」

「例え身体がボロボロだろうと……俺は蘇我高校の生徒会長に登り詰めた男だ。ハンデがある程度で勝ちを譲るわけにはいかないな」

 

 何とか立ち続ける明人。

 

「何をしているんです、足利さん!」

「お前は逃げろ。こいつは俺が止める」

「でも逃げるわけには!」

「忘れるな!! お前は俺が倒す……そしてお前の学校を貰う。だから、お前の根性とやらを俺に見せてみろ。俺にビビらなかった他校生は、お前が初めてなんだ……そんなお前を、こんなふざけた奴に倒させてたまるか!」

 

『SWORD DRIVE READY?』

 

 端末を操作し、明人がベルトに取り付ける。

 

『COMPLETE』

 

 空から降ってくる剣の柄を掴み、そこから怪人の身体へと変化していく。

 

「行け、六角美咲。強くなったお前を倒すのを、楽しみにしている」

「……分かりましたわ」

 

 美咲は拳を震わせる。

 

「行きますわよ、山内さん」

「ええ」

 

『ACCELERATE DRIVE』

「……」

 

 ボマーと火炎放射器怪人は、高速で移動し、姿を消す。

 

「あの時は逃がしたが、もうそうはいかんぞ」

「私もかぁなぁり強いから、会長じゃ勝てないかもよぉ?」

 

※※※

 

 スタートから二時間後。

 

「裕太っち~!」

「?」

「見つけた系~!」

 

 遠くから石を持って走ってくる優香の姿。

 

「お、とってきたか。二人は?」

「二人は森の奥行ったっきり見てない系」

「そうか……まあすぐ戻ってくるだろ」

 

 石を取り敢えず確認。

 

「確かにこれだな。この勝負、優香の勝ち!」

「やった系!」

 

 と話をしていると……その奥から、必死に逃げて来たと思しき二人の姿が。

 

「遅いぞ二人とも。お前達二人とも負けたぞ」

「……何の話ですの?」

「いや、石探しの修行してただろ」

「「……あ」」

 

 あ、じゃねえよ。

 

「とにかく、二人とも飯抜きだぞ」

「「しまったああああああああああああ!!」」

 

「夜は焼肉……」

「焼きマシュマロ……」

 

 ガシッ。

 

「なんだ? 俺の脚なんか掴んで」

「「うるうる……うるうる……」」

 

 ガチ泣きかよ……。

 

「まーいいじゃん。焼肉は皆で食べる系で!」

「まあ優香が今回勝者だし、それなら文句ないな……。良いよ、皆で食べようぜ」

「「!」」

 

 二人は一緒に飛び跳ねる。

 

「でも石探しの事を忘れる程の事態ってなんなんだ……?」

「あ、野生児の股の棒が

「多分違うから話さなくてよろしい」

 

 この黒ギャル……。

 

「あ、実はこういう事があったんですの」

 

 かくかくしかじか。

 

「なんだって!」

 

 


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