浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第二百八十二話(最終回)

 明人の剣捌きに、再び対応し始めるボマー。

 先ほどとは違い、迷いを捨て……ただがむしゃらにバットを振るい続ける。

 

「はあッ!」

 

 明人も動きの違いを感じて、笑みを浮かべた。

 そして、珍しく声を上げた。

 

「おあああああッ!!」

 

 今まで見た事のない、明人の強い振り下ろし。

 それをボマーはバットで何とか受け止める。

 

「くぬぬ……はあッ!」

 

 そして、弾く。

 

「おりゃあ!」

 

 明人の胸に、バットを突いていく。

 怯んだところに、美咲は端末を操作する。

 

「これで終わりですわ!」

「……!」

 

 明人も諦めずに端末を操作する。

 両方とも、必殺技の体勢に入った。

 

『『FINAL DRIVE!』』

 

 明人が剣を構えてから、姿を消してボマーへ近付いていく。

 光を置き去る程の速さで振るわれた剣を、美咲は何とかバットで防ぎきる。

 タイミングを見つけ、最後の一撃が放たれる前に飛び上がった。

 ボムビットが脚の周りへ集まり、そのまま脚を伸ばして叫ぶ。

 

「ライダーボムキック!」

 

 美咲は大きく叫びながら、急降下していく。

 明人がそれに対して最後の抜刀術を放つ。

 激突と同時に爆散し、二人は大きく離され、地面へと叩きつけられた。

 

「ぐあッ!」

「くっ……」

 

 まだ、変身は解けていない。

 ボマーも剣の怪人も、何とか相手を倒そうと抗い……這ってでも動く。

 まず武器を取る。

 そして、立ち上がった。

 もう一度駆け出そうと、武器を構えてすぐに……。

 剣の怪人が、ゆっくりとうつ伏せに倒れていった。

 足利明人の姿へと強制的に戻り、それを見た審判が叫ぶ。

 

「変身解除! 勝者、六角美咲!」

 

 観客席から、大きな拍手が上がった。

 美咲と何とか立ち上がった明人が、その様子を見て、笑みを浮かべる。

 

「私……勝てた。明人さんに、勝てましたわ!」

 

 美咲は笑顔でそう叫ぶ。

 

「会長……」

「美咲っち!」

「ミサキ!」

 

 観客席の三人も、嬉しそうに美咲の名を呼んだ。

 

「やはり、あいつに力を与えているのは……福沢裕太か」

 

 明人が確信したようにそう呟く。

 美咲は観客席を一通り見た後、ある事に気付いた。

 ソウジの姿だ。

 ソウジが、こちらを見ていた。

 

「ソウジ……!」

 

 美咲は人目も憚らず、走っていこうとした。

 だが、その前にソウジが振り向き、美咲は立ち止まる。

 

「……まだ、その時ではありませんわね」

 

 美咲は……そう呟いて、誓う。

 

 ――ソウジ、貴方に会うのはまだ先になるかも知れないですわ。けど、貴方と同じくらい大事な人の願いを叶えたら、私は絶対貴方の所に行きますわ。

 

※※※

 

 再び、時が過ぎた。

 あの戦いが終わってから、美咲の勉強漬けの毎日が幕を上げた。

 

「あー……ダメですわ。この問題……」

 

 生徒会室で仕事の息抜きに、試しにワークに書かれた問題を解こうとする。

 だが……一問目から既に分からない。

 頭を抱えていたその時、成音と優香が生徒会室へ。

 

「まーた勉強?」

「成音さんに優香さん……どうしましたの?」

「アンタがそんなのと睨めっこしてるのが面白くて、さっきからずっと見てたのよ」

「そう系そう系」

「ちょっ……ちょっと恥ずかしいからやめて欲しいですわ!」

「問題の一つでも解けばかっこよく見えるんじゃないの?」

「うう……勉強はやっぱり苦手ですのよ~……」

「まあまあ、今日はこのくらいにして、今からご飯でも食べに行く系。美咲っちまた大食いでもどう系?」

「太らないように自粛してますのよ」

「どうせ後で痩せれば良い系」

「そういう問題では……」

「とにかく行く系行く系!」

 

 美咲は優香に連れられて、成音と共に生徒会室をあとにする。

 二人のペースに押されながら、美咲は三人で外へと向かっていく。

 

 美咲は変身しなくても、これからも仮面ライダーボマーとして戦い続ける。

 裕太の望みを叶えるだけじゃない。

 その望みを、極上のものにして。

 絶対に『頂点』へと辿り着いてみせる。

 

「頂点を目指す前に、まずは腹ごしらえですわ!」

 

 この後増えた体重を見て顔を青くするのは、また別の話である。

 

【MASKED RIDER BOMER FIN……】




心夜です。
仮面ライダーボマー、いかがでしたでしょうか?
浅井三姉妹のバカな日常のライバルキャラ、六角美咲を主役に話を書きたいという案が自分の中で出たのが二年前。
それが実現したのが一年前。そして投稿が始まったのが一年前の七月。
そして今日、四月十六日。完結する事が出来ました。
仮面ライダーにハマった末に衝動的に書いた作品故、中々設定に粗がありますが、個人的には書いていて楽しかったですし、初めてきちんと完走出来たのではないかなと思います。
この作品は終わりますが、六角美咲の戦いは続きます。
外伝等の予定もありますので、是非そちらも楽しみにしていただければと思います。
それでは皆さん、またどこかで。心夜先生の次回作にご期待するのはおやめください。プレッシャーで圧死します(笑)

生き残った人物たちのその後

六角美咲/仮面ライダーボマー
推薦枠こそ取れなかったが、私立大学に補欠合格で入学。
裕太との約束を果たす為、そして再びソウジに出会う為、
彼女はこれからも戦い続ける。

山内成音
美咲達の卒業後、〇×女子高の副生徒会長へ就任する。
蘇我高校の生徒にも名が通っており、明人や美咲には及ばないものの
それなりの強者として知られるようになる。
いつか母親との確執を埋めようと考えている。

岸本優香
卒業後、東京へと働きに出た。
美咲達とも勿論連絡は取り合っており、上手くやっている様子
が伝えられている。

狩野遥
蘇我高校から退き、一人の科学者として研究を続けている。
いつの日か、安全な変身ベルトを玩具として販売し、
幼なじみと見た夢を叶えると決めている。

ヴィーダ/仮面ライダーグングニル
変わらず成音と共に暮らしている。
もしいつか成音が家族と和解出来た日に紹介すると言われてから、
それが出来るように応援し続けている。

蒲生
美咲達の卒業後生徒会長に就任。
美咲以上の生徒会長になろうと、日々身体を鍛えている。
成果はまだ不明。

一号/上杉健斗
菫達の死を乗り越え、美咲達に来るかも知れない脅威に備えている。
実は彼自身も美咲に対しての感情を抱いているが、それは身体を得てから
伝えようとしている。

足利明人
卒業後どうなったのかは誰も知らない。















というわけで発表します。

ボマー外伝 仮面ライダーグングニル!
今年中に公開予定です!
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