浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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グングニル 第十二話

 

 その後は、完全にメガイラのペースだった。

 グングニルは何も出来ずに攻撃を受け続け、何度も試すが、新しいドライバーを使う事は出来ない。

 ただ……彼女が痛みに喘ぐ声が続く。

 

「おチビの癖に、生意気よ!」

「ウワアッ!」

 

 グングニルの変身が、再び解けてしまう。

 

「ヴィーダちゃん!」

 

 真由……メイジがそう叫ぶ。

 何とか手持ちの魔法で、メガイラの攻撃を防ぎ続ける。

 

「くっ……負けない。私の前では、もう誰も辛い思いをさせない。そうでなきゃ、私が魔法使いでいる意味なんて……」

 

※※※

 

 ヴィーダは、もう一度立ち上がろうとしながら魔法使い……メイジの戦いぶりや言葉を見ていた。

 

「アノヒト……ツヨイ……ソレニ、ヒトノヤクニタテテル」

 

 人と戦う力ですら……まともに使えない。

 グングニルの力を、上手く使えていないのだ。

 やはり自分は……他の皆みたいに、人を手伝うどころか、人の為に戦う事すら出来ないのだろうか。

 

「……ッ!」

「ヴィーダちゃん!」

 

 意外にも、自分を励まそうと声を掛けたのはメイジだ。

 

「そこにいる人達の為に、君は戦ってるの?」

「……ウン。ソウダヨ……デモ、ヴィーダノチカラジャ……」

「なら、自分を信じて!」

 

 その言葉が、ヴィーダの心に刺さる。

 

「自分を信じない人が、どうして誰かの役に立てるの? 弱い自分が嫌なら、それを受け入れて、乗り越える! その先で、強くなれるのよ!」

『EXPLOSION NOW!』

 

 指輪を翳し、爆炎でメガイラを吹き飛ばす。

 

「ジブンヲ……シンジル……」

 

 ヴィーダはマスターロードドライバーを手にする。

 

『得意な事ならある』

 

 成音はそう言った。

 ヴィーダが戦いを得意としている事を、成音は認めてくれている。

 なら、その言葉に答えたい。

 真由が言ってくれたように、自分を信じたい。

 

※※※

 

「そろそろ終わりだ……魔法使い!」

 

 剣から風を生み出し、メイジを勢いよく吹き飛ばす。

 メイジは地面へと叩きつけられるが、まだ変身解除されていない。

 

「まだ……まだ……!」

 

 メイジはウィザーソードガンを構えなおす。

 だが満身創痍なメイジの前に、少女は再び現れた。

 

「マユ、アリガトウ……」

「ヴィーダちゃん?」

 

 グングニルドライバーのスイッチを押す。

 

『GUNGNIR ON』

 

 待機音が流れる。

 

「ヴィーダ、ミンナノヤクニタテルヨウニナル……ジブンモシンジル。マユミタイニナレルカワカラナイケド、マズハユックリ、ナリネタチダケデモマモレルクライツヨクナル!」

『MASTER ROAD』

 

 自分の得意な事を、人の役に立てたい。

その気持ちと共に、ドライバーをクリーチャースロットに取り付けた。

 するとグングニルドライバー越しに、膨大な情報がヴィーダの中に流れ込んだ。

 

「……ッ!」

 

 遥がドライバー内に入れた研究成果と、今まで作ったドライバーやフォームのデータ。

 そして……ヴィーダの中に足りなかったもの。

 ヴィーダの脳波は、元々狩野遥の脳波をコピーしたもの。

 そして狩野遥の記憶などを消去し、ある程度の知識や、戦闘の知識をインストールした。

 それがヴィーダだ。

 ならば、狩野遥オリジナルの脳波データが収められたそれを使えば……。

 

「凄い……これがママの知能……」

 

 片言でしか話せなかったヴィーダが、狩野遥より高いがそれに似た感じの口調でそう呟く。

 そしてグングニルキーを手に、叫んだ。

 

「変身!」

『CHANGE MASTER ROAD』

 

 




次回 グングニルの新フォーム!
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