浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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555二十周年、仮面ライダーボマー連載開始二周年記念短編。
この短編の連載終了時に、発表があります。


足利明人とアイドル剣士
足利明人とアイドル剣士 第一話(+明智兄妹のプロフ)


 

 2023年3月某日。

 滋賀県でも有名な剣術の道場である『明智(あけち)道場』。

 その一室で、今日は門下生達による練習試合が行われている。

 丁度今、その試合に決着が着こうとしていた。

 

「面!」

 

 勢いよく振り下ろした竹刀が、相手の面に吸い込まれるように叩きこまれた。

 

「一本!」

 

 旗が上がったのは、明智(あけち)と描かれた防具を身に着けている選手だ。

 明智の防具の選手審判の合図の後竹刀を収め、面を外してから着席。

 面に隠された素顔は、黒く長い髪に青い瞳の少女のものだった。

 その選手の名は……明智秀未(あけち ひでみ)。

 四月から高校生になる十五歳。

 道場の名でもある明智という苗字が示す通り、秀未は師範の妹だ。

 門下生という扱いではあるものの、無論明智の人間として他の門下生の模範として恥じぬ強さを有している。

 今日の練習試合でも負けなしだ。

 

「……」

 

 秀未は次の試合ではなく、自分達の近くで腕を組みながら試合を見ている青い和服姿の青年に目を向ける。

 青年は黒い髪に青い瞳の整った顔で、選手達の試合を真っ直ぐ見つめている。

 青年の名は明智三栄(あけち みつひで)。

 若干二十二歳の一見華奢な青年だが、十年以上前にその才覚で、明智流の全てを収め、既に明智道場の師範を務めている者だ。

 彼は秀未の兄。

 そして、秀未が最も憧れている人物。

 秀未も門下生の中では優秀な方とよく言われているが、三栄はとうにそんな次元を超えている。

 三栄がもし生まれる時代を間違えていたら、負けなしの侍としての生を受けていたと思うくらいだ。

 現に三栄は剣術道場の師範の枠に留まらず、学生の頃から警察の特別協力員として、犯罪者逮捕に協力している。

 鍛えた剣の腕を、強くなる為だけでなく人の為に使う。

 秀未にとって彼は自慢の兄だ。

 

 そしてそんな三栄がどんな状況でも、必ず携帯しているものがある。

 剣術を愛する者にとっては命とも言える竹刀と、そしてもう一つ腰に提げている黒い鞘に納められた黒い柄の日本刀。

 日本刀の方は、勿論模造刀などではない。

 明智道場に代々伝わる、名刀『明智近影(あけちきんえい)』だ。

 明智流の開祖の代に打たれたとされる刀で、代々明智流の師範に受け継がれているもの。

 だが前師範……父から聞いた話によれば、あの刀で人が斬られた事はおろか、戦う為に抜かれた事すらないという。

 警察に協力している兄の代になっても、それは変わらない。

 刀など抜く前に、竹刀一つで片がつくと毎回自分に話している。

 兄は前々から言っていた。

 自分の夢は、この刀を抜くに足る人物に会う事だと。

 だが秀未に言わせれば、そんな事が出来る人間などこの世に存在しない。

 何故なら兄の剣術は既に人間業ではないのだから。

 人間を超えた相手に会う事が出来なければ、兄に刀を抜かせるなど到底不可能だ。

 

 しかしもし、欲を言って良いのならば、兄があの刀を振るって戦う所を見てみたい。

 きっとどの代の師範よりも、格好よく振るう筈だ。

 そして更に欲を言うのなら……。

 

「秀未」

「は、はい!」

「僕ばかり見ていた所で、勉強にはならんぞ。今は試合を見る事に集中するんだ」

「す、すみません師範!」

 

 秀未は顔を赤らめながら、バツが悪そうに試合中の選手たちに向き直る。

 いつもの悪い癖だ。

 どうしても兄の方を見てしまう。

 心が既に気付いているからだろう。

 兄より強い選手など存在しない、だから兄だけを見ていたいと。

 決して恋愛感情などではない、と思いたい。

 そんな秀未の様子を見た他の門下生達が、秀未の姿を見てひそひそと話しているのが聞こえる。

 

「秀未ちゃん、また師範の事見てたね」

「実際いるもんなんだな~兄に惚れちゃうレベルのブラコンって」

「くぅ~! 俺も秀未ちゃんに見つめられてたいな~!」

「バッカ! 声でけえよ!」

 

「そこの三人」

 

 三栄の刃のような声に、三人が固まる。

 

「試合に集中出来ないなら、今日は帰っても良いんだぞ」

「す、すみません……」

 

 三栄はその声を聞いてから、再び試合に向き直った。

 そしてそれからすぐに試合に決着が着く。

 再び秀未の試合になったのは、それから三試合後の話だった。

 

※※※

 

 十一勝零敗。

 今日の秀未の試合結果だ。

 一度の黒星もなし。

 

「せいっ!」

 

 秀未は兄と共に、帰っていく門下生を見送ってから、道場内で自主稽古を始めた。

 それが秀未の日課だ。

 少しでも兄の強さに近付き、兄と同じように戦えるようになりたい。

 無理なのは兄の戦いぶりを見ていれば分かる。

 それでも、秀未は諦めたくなかった。

 跡取りには選ばれなかったとは言え、自分も明智の人間だ。

 明智の人間に生まれたからには強くなる義務がある。

 素質があるかないかなど、全くもって秀未の努力を止める理由にはならない。

 

「せい!」

 

 秀未は勢いよく、竹刀を振り下ろす。

 秀未一人だけの道場に、やや小さな風が生まれる。

 小さいが大きな音を立てた風が、秀未の白い稽古服を揺らす。

 そして一筋の汗が垂れ、秀未の頬をしたった。

 

「ふぅ……」

 

 一度息を吐く秀未。

 既に竹刀を振り始めて二時間が経つ。

 夜七時。

 そろそろ夕食が出来る頃だろうか。

 

「秀未」

 

 そう心の中で考えたタイミングで、三栄……兄が道場内へ。

 感心したと言わんばかりに、口元に優しげな笑みを浮かべながら告げる。

 

「夕食の時間だ」

「はい、師範」

 

 秀未もそれに答えた。

 だが三栄は厳しい師範ではなく、兄として言う。

 

「もう稽古は終わりだ。その呼び方はしなくて良い」

 

 秀未はその言葉に、緊張を崩して妹らしく告げた。

 

「はい、兄上」

 

 




明智兄妹のプロフィール

明智秀未

※簡単なプロフィール(バトルガールハイス〇ール風)
学年 中学三年生(卒業済み)
誕生日 七月四日
血液型 A型
部活 なし
イメージCV 茅野愛衣
身長 159cm
胸囲 88cm
趣味1 剣の稽古
趣味2 料理
趣味3 兄の手伝い
好きなもの 母のカレー
嫌いなもの 自分の料理
将来の夢 特に決まっていない
理想の人1 明智三栄
理想の人2 母親
理想の人3 料理が出来る女性
休日の過ごし方 休日だろうと稽古は欠かさない
ストレス発散法 好きな物を作って食べる(しかし毎回上手く作れない)
一番の思い出 初めて試合に勝った事
好きな言葉 剣に生き、剣に死ぬ
人には言えないヒミツ 実は兄の着ていた服を一着だけ部屋に隠している。
たまに嗅いでいるとかいないとか……。

明智三栄

プロフィール
学年 高校二年生(浅井三姉妹時)→二十二歳
誕生日 七月二日
血液型 A型
身長 165cm
胸囲 なし
イメージCV 斎賀みつき
趣味1 剣の稽古
趣味2 刀の手入れ
趣味3 警察への協力
好きなもの 粽
嫌いなもの 秀未の手料理(下手)
家族構成 父(先代師範)・母・妹(今日アイに登場する明智秀未)・その他門下生
将来の夢 明智近影を抜く程の強者と戦う事
理想の人1 父親
理想の人2 歴史上の侍
理想の人3 料理男子
休日の過ごし方 妹や門下生に剣を教える
ストレス発散法 稽古用の人形に竹刀を撃ち続ける
一番の思い出 師範となり、師範の証『明智近影』を父から譲り受けた事
好きな言葉 以剣伝心
人には言えないヒミツ 明智近影を受け取ってから、試し切りをしたくて仕方ない。
元々刀は好きで、人が死なないのであれば好きなだけ刀を振るいたい。
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