浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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足利明人とアイドル剣士 第四話(+足利明人プロフ)

 

 秀未は同じく兄の部屋にあった、犯人の特徴やこれまでの記録が書かれた資料を取り出して確認する。

 怪人の人相名前共に不明。

 だが犯人が狙う被害者の特徴は分かっているらしい。

 犯人が狙っているのは、とある学校出身の生徒だ。

 秀未も名前だけだが聞いた事がある。

『私立蘇我高校』。

 滋賀のある地に建つ、選りすぐりの不良が揃うという高校。

 入学試験もペーパーテストなどではなく、全国各地から揃う不良数百人の内、入試戦争と称された喧嘩で生き残った上位百人しか入れないとされる、まさに選ばれた不良の為の高校。

 ある意味高偏差値の私立高校の入試以上に危険が伴い、腕っぷしが中途半端なものはその試験で落とされるし、何なら命を落としかねない。

 秀未が来月通う予定の『県立〇×女子高』も数年前は不良女子の巣窟……などと呼ばれていたが、活発な生徒会によってまともな女子高に生まれ変わったと聞いているし、蘇我高校の生徒みたいに危ない生徒はいないと思う。

 蘇我高校の生徒会長……恐らく番長的な存在を倒したとされる仮面ライダーがいたとも言われているが、入学説明会を見に行った感じそんな空気は感じなかった。

 しかし怪人なるものが街に蔓延っているという話を聞く感じ、一概に都市伝説とも割り切れない。

 怪人がいるなら、どこかにそれを倒すヒーローがいそうなものだが。

 まあ考えていても仕方ない。

 ヒーローは待っていて来るものじゃない。

 兄のように自ら進んで悪と戦う事で、初めて世の中は平和になる。

 秀未もそういう風に悪と立ち向かいたい。

 とは言え今回の相手は、そんな不良の巣窟の関係者を狙う者。

 気を引き締め、決して油断しないように挑む必要がある。

 

「蘇我高校の関係者に出会えれば早いのだけど……」

 

 秀未は呟く。

 呟きはしたが、そういうたらればの話が簡単に現実になる事例なんて少ない。

 それで実現するのなんて余程運が良いか、悪いかのどっちか……。

 

「ぐあっ!」「……!」

 

 そんな事を考えている途中、秀未は何かに当たって弾かれる。

 物凄く何か堅い物に弾かれた感触。

 秀未は尻を摩ってから、その場で少し見上げる。

 

「すまない、大丈夫か?」

 

 そこそこの背丈の筋肉質な男が、自分に手を伸ばしていた。

 間違いなく、自分を弾いた物の正体だろう。

 自分とした事が、考え事をして走っていたせいで人にぶつかってしまったらしい。

 

「こちらこそ、失礼しました」

 

 軽く礼をし、立ち去ろうとしたその時。

 男はこう言って引き止めた。

 

「すまないが、少し聞いても良いか?」

「はい」

 

 秀未はやや焦る気持ちを抑えて、質問に答えるだけならと冷静になる。

 男が自分の返事を聞いて告げた。

 

「明智道場を探しているのだが、あの建物で間違いないか?」

 

 もう既にかなり遠くにある明智道場を指さす男。

 

「間違いありません」

「そうか。かたじけない」

 

 男は軽く礼をして、そのまま去ろうとする。

 だが偶然は自分が思っているよりも簡単に起きた。

 

「ぬわああああッ!」

 

 すぐ近くで悲鳴。

 声の方を見ると、灰色の怪物が触手のようなもので人を襲っていた。

 それが人の口の中に入るや否や、青い炎に包まれながら人が灰化していく。

 警察の人が言っていた通りだ。

 あれに間違いない。

 

「止まれ! 止まらないと撃つぞ!」

 

 その後すぐにパトカーが到着し、中から銃を持った警官が二名現れる。

 だが怪人はそんな指示聞きもせず、警官にゆっくりと近付いていく。

 警官の放つ弾丸は、怪人の身体を通さない。

 ダメージを与えることなく役目を終えた弾丸が、コロリと地面に落下。

 警官は後ずさって逃げようとする。

 その警官と怪人の間に、秀未は割り込むように突撃。

 怪人を蹴り飛ばし、怯んだ隙に拳を握って警官に告げる。

 

「早くこの場から離れてください!」

「それはこちらの台詞だ! 何なんだ君は、そんな刀持って!」

「私は明智流師範代の、明智秀未です!」

 

 真っ赤な嘘を叫ぶ秀未。

 

「明智……まさか三栄君の!」

「私は兄の代理で来ました。どうか早く逃げてください!」

「は、はい!」

 

 警官がパトカーに乗って逃げていく。

 秀未はそれを確認してから、怪人を睨む。

 

「何人もの人の命を奪ったようだが、それもここまでだ。私が成敗する!」

 

 兄が言いそうな台詞を真似て、秀未は告げた。

 

「……」

 

 だが秀未の予想とは裏腹に、怪人は興味の無さそうな素振りを見せている。

 不覚にも秀未は、それに対して腹が立ってしまう。

 

「私の力見せてやる。行くぞッ!」

 

 秀未は拳を握って、怪人に勢いよく振るう。

 真っ直ぐに放たれた正拳突きが、怪人の腹へと突き刺さる。

 が、先みたいな手応えは無かった。

 

「……」

「ば……馬鹿な」

「邪魔だ」

 

 今度は怪人が、秀未のおでこを指で弾く。

 秀未のパンチとは対照的に、物凄い勢いで地面に激突。

 

「ぐわあッ!」

 

 アスファルトが削れ、自分の着ている和服がボロボロになる。

 背中と腕には、既に傷が出来ていた。

 

「いっ……」

 

 こんな怪我、今まで稽古や試合でした事が無かった。

 当たり前だ。

 稽古や試合の相手は、本気で殺すつもりで剣を振るっていない。

 だがあの怪人は、躊躇いなく誰かを殺す事が出来る。

 そんな相手に、試合に強い程度の自分の常識が通用するわけがない。

 

「ならば……」

 

 そこまで考えてから、秀未は刀の柄に手をやった。

 自分の拳ではダメージが通らない。

 やはり刀を使わなければ、怪人を止める事など出来ない。

 秀未は刀を抜こうとする。

 

「……」

 

 だが、秀未はそこで止まってしまう。

 抜けない。

 何故だ。

 父や兄に怒られ、勘当される覚悟ならとうに出来ている筈だ。

 最悪怪人を傷付ける覚悟も、とうに出来ている筈だ。

 なのに振るうどころか、刀を抜く事さえ出来ない。

 秀未は焦った。

 そして、自分に何度も言い聞かせた。

 自分には抜ける。

 抜ける筈だと。

 だが、手が震えたまま言う事を聞かない。

 無意識ではあるが、多分心が気付いてしまった。

 人を傷付けて戦うなど、そう簡単に出来る事ではない。

 今まで試合という遊びでしか剣を抜かなかった自分に、いきなりそんな事が出来る筈がないと。

 

「あ……ああ」

 

 情けない声が自分から漏れる。

 秀未は不覚にも後ずさってしまう。

 それもあの警官たちよりも情けなく。

 そして、目を閉じてしまう。

 敵に怯えて目を閉じるのは、命取りであるという試合においても大事な事すら忘れて。

 

「グギャア!」

 

 怪人の叫び声が聞こえる。

 それに気付き、秀未はゆっくりと目を開く。

 すると……。

 灰色の怪人とは別の、剣を得物にしている怪人。

 いや、剣が得物というよりかは、剣そのものの怪人。

 剣の人形とも形容出来る、まさに剣の怪人が、灰色の怪人の身体をスパッと切り裂いていた。

 

 




※簡単なプロフィール(バトルガールハイス〇ール風)
学年 高校三年生→今回二十二歳
誕生日 10月9日
血液型 A型
部活 なし(生徒会長)
イメージCV 森川智之
身長 180cm
趣味1 戦う事
趣味2 戦いの為に自らを鍛える事
趣味3 他の者の戦いを観察する事
好きなもの プロテイン
嫌いなもの 特になし
将来の夢 死ぬまで自分を鍛え続ける事
理想の人1 子供の頃、自分を守ってくれた男
理想の人2 明智三栄
理想の人3 六角美咲
休日の過ごし方 ひたすら自分を鍛え続ける
ストレス発散法 耐える事もまた鍛錬
一番の思い出 蘇我高校に入学した事
好きな言葉 継続は力なり
人には言えないヒミツ 今回明かされる
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