浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
秀未が刀を構えつつ言う。
「私は、兄上や明人さんみたいな強い人の背中を追うしか出来ない。これからずっと……それは変わらないかも知れない。だけど、それで良いかも知れない。明人さんが言うように、私も強い人の背中を追い続ければ、私もいつか……」
「さっきまでブルブル震えてたくせに、いっちょ前に言うねぇ……。調子良いっつーか、反吐が出るよ」
「それはお主を思い出してか? 下衆……」
秀未が人が変わったように鋭い眼でそう呟く。
先ほどまでは見せなかった顔。
その姿は、まるで兄である三栄を見ているようだった。
「あ?」
カイザが秀未を威圧する。
が、秀未には通用しなかった。
「私の事は何とでも言うと良い。所詮お主に勝てない弱者……だが、兄達の事を侮辱した事は死んでも許す気はないぞ」
「ハッ……そうか。ならお前が死ねよ」
カイザは銃剣から弾丸を放つ。
秀未は何とか見切りながら、刀を振るっていく。
「明人さん!」
刀を振り続けながら、秀未は言う。
「二度も助けていただいて、ありがとうございます。そして、こんな無茶をしてすみません。けど……私はどうしても自分に胸を張りたかったんです。身の程知らずと言われても……どうしても」
明人は聞きながら、まずベルトを拾った。
「家の掟を破り、人を守れず守られてばかり、そしてこの後家に帰っても、きっと勘当されてしまう。そんな私に、強者になる資格なんてありませんよね。けど今だけは、その背中を追わせて欲しいです。そして、手伝わせてください」
ガジェットを拾い、告げた。
「資格など要らんさ」
「!」
「お前は今の自分から変わりたいと、自分に矢印を向けている。実力ではなく、強者になるのに相応しい精神を持っている。お前は、強者としての一歩を踏み出せた。あとは……歩くだけだ」
明人はエクスカリバーアップデーターをベルトに取り付ける。
「あとは任せろ、秀未」
秀未の言う通りだ。
俺はもしかしたら、これから先も三栄や美咲を超える事は出来ないかも知れない。
この後三栄に挑んだとしても、勝てないかも知れない。
結局……明人もカイザと変わらなかった。
数度の失敗で自信を失くして、その自信を埋めようと三栄との戦いで勝つ事で証明しようとしていた。
偉そうに言ったのに、自分がそれを分かっていなかったから、あの力を使えなかった。
だから、俺は追う。
今は例え弱者と罵られても良い。
憧れの人物を追いかけた先で、いつか追い越せれば良い。
自分の道に、終わりはない。
戦いを歓びとし、強者に憧れ、努力を続ける限りは。
『UPDATE DRIVE』
明人は叫ぶ。
「変身!」
『RIDE AWAKING』
再びボタンを押すと、明人の頭上に白銀の剣がゆっくりと舞い降りた。
明人がその剣を掴むと、身体が白銀のスーツに包まれ始める。
やがて明人は、白銀の剣を得物とする戦士……『仮面ライダーエクスカリバ―』へとその姿を変えた。
「……」
明人……エクスカリバーは長剣を構えて、告げた。
「ここからもう一度歩き出す。強者への道を……」
※※※
秀未が下がった後、新しい力に目覚めた足利明人。
白銀の長剣を構え、ゆっくりと歩き出す。
「仮面ライダー……か。その姿……」
カイザがそう呟く。
秀未も知っている。
四年前にこの街にいたという、仮面の戦士。
蘇我高校の生徒相手と、タイマンを張ったとか何とか。
明人やあの青年のような怪人がいるのだから、もしかしたらこの事件に関わる内に会うかも知れないと思っていたが、まさか明人がそうだったとは……。
「ふん……」
そう嘆息してから、明人は消えるような速度でカイザの背後に回る。
「なっ……のわっ!」
剣の怪人の時よりも素早い動きで、カイザに何度も斬撃を与えていく。
「ちっ、いきなりかよ。けど……」
『EXCEED CHARGE』
デジカメ型のデバイスを拳に取り付けたカイザが、携帯のENTERを押す。
背後にいたエクスカリバーの胸部に、強く叩きつけられる。
が……ダメージはほぼ半減されてしまう。
「お、おい……」
『EXCEED CHARGE』
もう一度拳を叩きつけるカイザ、だが……エクスカリバーには傷一つつかない。
「くそ……! くそ! またこの流れかよ!」
何度叩きつけても、カイザの拳がエクスカリバーに届く事はない。
「俺の拳は強いんだ! 俺を馬鹿にする奴らを殺せるくらい、強いんだ! たかがそんな道具一つで強くなった奴なんかに……なんで!」
「お前の拳に、本気で強者を目指す意志が感じられないからだ」
「なっ……」
「お前が本当に強くなりたいのなら、俺の身体は応えてやる。だが……そんな意志もない者の拳で傷付く程、この力は甘くない!」
「くっ……くそ……」
「倒されたくなければ、今の内に覚悟を決めろ」
その告げてから、エクスカリバーが姿を消して剣を叩き込み続ける。
カイザには攻撃を見る事が出来ない。
秀未には、微妙にだが見えている。
これは……どういう……。
「真の強者を目指す意志が無ければ、もう俺の剣閃を見る事は叶わない」
「この……ッ!」
「見れないのなら、お前は所詮その程度だったという事だ」
残酷にそう告げるエクスカリバー。
散々斬りつけた後、エクスカリバーはベルトを操作する。
「終わりだ」
『FINAL DRIVE!』
『AWAKE!』
エクスカリバーは姿を消し、四つに分裂する。
だがそれすらカイザには見えていないのか、全く違う方を向いていた。
見えない攻撃に、カイザはただ喰らう他無かった。
「はァッ!」
最後の一撃は、剣から放たれる白銀の光で吹き飛ばす一撃。
カイザのベルトは勢いよく吹き飛ばされ、変身が解除される。
青年は苦し紛れに、灰色の怪人の姿に変身して最後まで抗う。
「クソォォォォォッ!」
だがエクスカリバーは、明人は攻撃しなかった。
怪人の身に、変化が始まっていた。
「な……に……?」
青年の身体が、砂で作られた人形が風で飛ばされた時のように、段々と灰と化して崩れていく。
「そんな……まさか……」
「あの力を振るうお前は確かに強かった。だが……お前には過ぎた力だった。そういう事だ」
「ふざけるな! 力を持ってる奴に振り回されて死んで、そういう奴らに全員死んで欲しいと思っただけなのに、それの何が悪い!」
青年は涙を流す。
「……現実は、非常だ」
仮面ライダーエクスカリバー
特徴
白い仮面ライダーボマーとも言える姿をしている。白銀の長剣『ストロングソード』を
主武器としている。
スペック
身長 200cm
パンチ力 8t
キック力 12t
ジャンプ力 35m
走力 3.7秒(100m)
強者を目指す足利明人の為に開発された仮面ライダーの名に相応しく、あらゆる機能が
強者仕様に設計されている。
移動時に強い意志を持つ者以外には見えなくなる機能『ウィークインビジブル』、
強い意志を持つ者以外からの攻撃を受けた際に無効化する
装甲『ウィークブロッカー』などを兼ね備え、生半可な意志を持つ者ではこのライダーへの攻撃は出来ない。
反対に強者からの攻撃を受けた際に、受けるダメージと痛覚が二倍になるという
デメリットがあるが、受けた際には『ストロングドレイン』という機能が発動され、
スペックが倍以上に変動する。因みに上限はなく、攻撃を受ければ受ける程
スペックは無限に上がっていく。
強化アイテム
エクスカリバーアップデーター
ソードドライバーに取り付けるガジェット。
スイッチを押した時に指から装着者にアクセスし、強者という概念への
意識の程度、及び装着者自身の戦闘能力を測定する。
適正値を超えていると変身シーケンスに移行し、変身が可能になる。
逆に超えていないとベルトから弾け飛んでしまう。
必殺技
名前がまだ決まってない技
剣の怪人の攻撃の上位互換。
四つに分裂し、数百の斬撃を一瞬で叩き込む。
最後に剣から白銀の光を放ち爆散させる大技。