浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

33 / 311
第三十二話

「鬼ごっこですわ」

「は?」

 

 なんて?

 

「鬼ごっこですわ」

「何が?」

「だから特訓ですの」

「え……?」

 

 ふざけてんのか?

 

「ふざけてませんわよ」

「いやいや、何言って……」

「まあ聞けば分かりますわよ」

「ホントか?」

 

 怪しいな。

 

「取り敢えず、ルールは一つ。目つぶしと股間への攻撃以外何でもありで、鬼を倒せば終わりですの。鬼は逆に、逃げてる人を倒しますの」

「へ……? つまりどういう事?」

「それ以外なら、何をしても良い系。爆発物を置いても、ナイフで刺しても良い系!」

「怖いよ!」

 

 やはり俺の想像力が足りなかったらしい。

 

「てかこれ考えたのは……浅井淀子だよね?」

「そうですわ」

 

 生きてるうちに会いたくないな。

 ワンチャン蘇我高校の生徒が可愛く見えてくるレベルかも知れない。

 

「その通りですわ」

 

 やっぱそうみたい。

 

「てか思ったんだけどさ、これお前たちの事だからまた元ネタか何かあるの?」

「知らないですわ」

 

 まあ良いか。

 

「それじゃあ鬼決めますわよ。と言っても、じゃんけん以外ですわ」

 

 まだあの時の事があるからな。

 

「ウノで決めない?」

「何で持ってるの……」

「こういうのやりたかったからノリノリで……」

 

 まさか。

 

「うるさいわねえ。あたし中学の時なんて友達いなかったのよ!」

「まだ何も言ってないし……」

 

 しかもそこまで考えてない……。

 

「とにかく好都合ですわ。ウノで負けた人を鬼にしますわよ」

 

 気合十分の美咲。

 

「じゃあやろっか」

 

 山内がカードのシャッフルを始める。

 見た感じ……かなり手慣れているように見えた。

 

「じゃあゲームを……」

「待って欲しいですの。こういうのを始める前にやるべき事がありますわ」

「何それ」

 

 美咲と優香が手を挙げる。

 俺と山内もそれに倣って真似をした。

 

「「盟約に誓って(アッシェンテ)!!」」

 

 ノゲノ〇かよ!

 

※※※

 

「どうしてですのぉ!」

 

 負けたのは美咲だ。

 まあでも良かった。

俺が鬼だったら誰もタッチ出来ずに終わってた所だ。

 

「しゃー!」

 

 因みに一位は山内。

 中々強かった。

 

「てか強いな山内」

「鍛えてるからね。いきがるだけの半端な強さじゃ、あたしに勝てないよ」

「ぐぬぬ……いつかウノでも貴女に勝ってみせますわ」

「へえ、じゃあもう一度

 

「やり始めるなしまえ馬鹿!」

 

「「そんなあ!」」

 

 こいつらホントに何しに来たんだ……。

 

※※※

 

 というわけで……鬼ごっこという名のデスマッチが開幕。

 

「つか、俺相手に変身したりしねえよな……?」

 

 アクセル使われたら終わりだし。

 

「うわあッ!」

 

 俺は何かに吹き飛ばされる。

 

「なんだ……?」

「私ですわ」

 

 ボマーではない、変身していない六角美咲が近くでバットを構えて立っている。

 

「変身してなかったから良かったけど……バットも無しだろ……」

「何しても良いんですのよ。何なら変身しても」

「やめて」

 

 死んでしまいます。

 

「私のお供なのに弱すぎては困りますわ。だから今この場で鍛えますわよ」

「んな無茶苦茶な」

「私がやると言ったらやりますの! ほら構えなさいな!」

「ど、どうなっても知らないからな!」

 

 十中八九俺が負けそうな気はするけど。

 

「行きますの!」

 

 バットを構えた美咲が俺に襲い掛かる。

 

「ていっ!」

「ぐあっ!」

 

 俺は躱せずに吹き飛ばされてしまう。

 

「ああッ……」

「目を閉じては相手の動きが見えませんわよ! しっかり相手の動きを見て、受け止めるんですの!」

 

 そんな度胸があるのはお前だけだよ!

 

「もう一度行きますわよ!」

「ねえ、これ誰の特訓!?」

 

 俺鍛える必要ある!?

 

「つべこべ言わずに受け止めますの! 気合ですわ!」

「気合じゃ無理だああああッ!」

 

 その時、不思議な事が起こった。

 

「……!」

 

 頭の中に……一つの声が聞こえた。

 

『あの女を……殺せ』

 

 その言葉が聞こえてすぐ……何故か俺の意識が閉じてしまった。

 

※※※

 

 突如、電源が抜けたように項垂れる裕太。

 

「……」

 

 それを見た美咲が動きを止め、声を掛けた。

 

「どうしましたの? 裕太さん?」

「……狩野遥の仲間と断定。お前を排除する」

 

 裕太の口からそう声が漏れる。

 

「え? うわあっ!」

 

 美咲の腹に、重い拳が入った。

 何とか意識を保ち、バットを構えなおす。

 

「どういう事か分かりませんが、やっとやる気になったようですわね」

 

 口から垂れた唾を左腕の袖で拭い、もう一度駆け出した。

 

「たあッ! ていッ!」

 

 全て見切られ、攻撃を避けられる。

 

「避けてはいけませんのよ! ちゃんと受け止めなさいな!」

 

 攻撃を避ける裕太に、美咲は何度もバットを振るう。

 

「この程度か……」

 

 裕太は美咲のバットを蹴り上げ、手から離させる。

 

「そんな……」

 

 美咲は少し動揺する。

 

「終わりだ」

 

 裕太はそう告げて、美咲の首を手でつかんで地面に叩きつけた。

 

 

 




次回予告

初「美咲、お前馬鹿か」
美咲「始まって早々なんですの?」
初「姉さんの鬼ごっこを優香はともかく、裕太と山内巻き込むなよ。可哀想だろ?」
美咲「鍛える為ですわ」
初「他に方法あるだろ……てかお前大丈夫か? 裕太に殺されそうだけど」
美咲「大丈夫ですわ。私はこの小説では主人公、主人公補正だって当然……」
初「お前の場合逆主人公補正で自爆してるから無理じゃね?」
美咲「うるさいですわ!」
ポイッ! ドーン!
初「ほらな」
美咲「何故ですの! 何故私に主人公補正は働かないんですの!?」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。