浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第三話

 準備をしていると、丁度チャイムの音が聞こえた。

 

「時間か……」

 

 早速一時間目が始まる。

 胃の痛みが更に激しさを増す。

 

「……嫌だあ……教室行きたくなぁい……」

 

 もうだめだ……おしまいだ……。

 

『何を寝言言ってる!? 不貞腐れてる暇があったら戦え!』

『何? 授業に出たくない? それは出ようとするからだよ。逆に考えてみるんだ。出なくてもいいさと』

 

 天使と悪魔が俺にささやきかける。

 

「うう……どうしよう……」

 

『金を貰う喜びは何よりも……何よりも強い!』

『やみくもに出かけるのは危険です! もっと情報を集めてからでも!』

『そこまで性根が腐っていたとは……』

 

「だァァッ! もううるせえ! 行きゃ良いんだろ行けば!」

「いや君がうるさいよ」

 

 すみません俺の中の天使と悪魔が失礼しました。

 

『『俺達のせい!?』』

 

 おう。

 

※※※

 

 ガラガラ……。

 

「失礼し

「おうフク! よく来たな。今日も自習にしてくれるよな? あん?」

 

 怖いよぉ……。

 

「もう好きにしてください」

「フクは話が分かってて良いな。よし!」

 

 俺は……こいつらには逆らえない。

 前まで何とかまともに授業をやろうと試みたが、こいつらに妨害されてしまった。

 こいつら……蘇我高校の生徒は、全国トップクラスの不良達。

 卒業後は有名企業……ではなく、暴力団からスカウトがあるとかないとか。

 まあ暴力団行きの奴がそんな沢山いたら、廃校にされかねないから、多分噂程度なんだろうけど。

 てかマジなら怖い。

 その内俺も何かされてしまうんじゃないだろうか。

 

「……」

 

 自習という事もあり……やはり皆好き放題やり始めた。

 というかこんな狭い室内でボールを投げる奴がいる。

 危ないからやめてほしい。

 

 ドン!

 

「いて……」

 

 顔面に当たった。

 

「あ、フク! こっちに投げ返してよ~」

 

 大して可愛くもない女子生徒が俺に手を振る。

 女子だが、こいつも不良だ。

 

「……」

 

 上等だクソアマ。

 俺は今ストレスが溜まってる……胃が重くなるくらいにはな。

 

「うおああああああああああッ!」

 

 俺は叫びながら、その女子生徒に向かって全力でボールを投げた。

 

「当たれェェッ!」

 

 普通に最低な行いだが、相手は自分から自由を奪う不良生徒。

 慈悲はない。

 

 ――当たれ……当たってくれ!

 

 ドン!

 

「……」

 

 俺の顔は青くなった。

 ボールは女子生徒ではなく、すぐ近くのヤクザみたいな男に当たってしまった。

 

「おい」

「ひいっ!」

「誰に向かってこいつ投げてんだアァン!?」

 

 怖い怖い怖い……。

 

「いやそのこれには

「うるせえ!」

「ああああッ!!」

 

 殴られた。

 

 


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