浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
某月某日。
何だかんだで、数週間ぶりの学校だ。
「修行の為とは言え、生徒会長が数週間も学校を休むとは……」
「まあ良いじゃない。真面目過ぎても禿げるわよ」
「そう系」
「ついてきてたんですの?」
「なに? 不満?」
「不満系?」
「そうじゃないですの。私は今まで一人で登校していましたので、こういうのに慣れないんですわ」
友達らしい友達もいなかったし。
「本当に困るっすよねえ……そんな生徒会長じゃ……」
校門前で、腕を組んで立っていたのは……二年生の副会長だ。
「何か用? 副会長」
「もうその呼び方やめてくれないかい? もう生徒会の仕事してないし……いや、この人が最近してないせいでやらされてたか」
美咲にニヤケながら嫌味を言う。
「会長が戦わなかったら、今頃この学校はあいつらのものになってたのよ? 分かってるの?」
「山内ちゃんも変わったねえ。何なら私達の眼を覚まさせてくれたのは山内ちゃんなのに」
「……」
「もう会長には任せておけないっすね。任期満了までにクビになっちゃうんじゃないんすか?」
「アンタねえ!」
「やめなさい」
美咲が拳を止める。
「彼女達が離れる原因を作ったのは私ですわ。だから、私がいつか皆さんが帰って来られるように尽力すべきですの。誰の力も借りませんわよ」
「会長……」
成音は拳を下ろす。
「行きますわよ」
「……」
美咲達が離れてから、副会長は静かに呟いた。
「ムカつくっす……」
※※※
五時間目までの授業を終え、六時間目は全校集会。
美咲達生徒は体育館に集まり、開始を待つ。
「……」
生徒会に話が来ていないとなると、教師陣のみが知る話なのだろう。
やがてざわざわしている生徒達に静まるようにする指示が出る。
「静かに」
その言葉に全員が従ったのは数分後。
校長がステージに上がり、マイクの前に立つ。
「お前らが静かになるまで五分掛かったぞ」
うざい教師がよくやるアレ。
「私がいつ静かにしなかったんですか何時何分何秒地球が何回回った日?」
「二時四十七分三十二秒地球が二百憶回回転した六月十七日。これで良いか?」
「回転数適当過ぎですちゃんと答えてください」
「……全校集会を始めるぞ」
「無視ですかつまんね」
金髪碧眼の若い校長先生が、青い瞳を潜め……先の言葉を無視して告げた。
「今日からうちの高校に、新しい教師が入る事になった。んじゃ、挨拶頼むぞ」
「はい」
青い髪に赤い瞳、白衣を纏った若い女性教師。
「皆さんこんにちは、僕の名は戸間菫(とますみれ)です。よろしくお願いします」
「こいつは本校の理科系を担当すっから、お前ら分かんねえとこは面倒見てやれ」
一礼する菫。
美咲を見て少し笑みを浮かべてから、口をもう一度開く。
「僕はここに来るまで、ある研究をしていました。それは人間の進化の研究です。最近になって、人類の中の数千分の一の確率で、新たな可能性を持った人間が生まれる事が明らかになっています」
ざわつく全校生徒。
「僕がここに来たのは科学を教える事もそうですが、君達のような未来を背負う若者に、この研究の面白さを伝えられたらとも思っています」
全校生徒を見回す。
「もし僕とそれについて語りたいという者がいれば、是非話しましょう。きっと退屈はしませんから」
口元を少し釣り上げてから、菫はその場から去っていく。
次回予告
初「つーか久しぶりに見たな校長」
美咲「作者もキャラ忘れてたみたいですわよ」
初「そりゃあだって本編でも没個性的過ぎて、あんまり印象残んねえもん」
美咲「そうですわよね」
美咲「でも貴女は貴女で、妙なキャラ付けされてるみたいじゃないですの」
初「作者が描いてもらってるいかがわしい画像の話はやめろ。子供も見てるかもなんだぞ」
美咲「優香さんが出てる時点で子供むけとは言えませんわ」
初「そうだな」
優香「初っちも美咲っちも納得しちゃダメ系!」
初&美咲「無理(ですわ)」
優香「もう次回から岸本優香の日常に変えてやる系!」
初「絶対書くなよ作者」