浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第五十話

 

 その次の日から、成音はヴィーダと共に特訓を始めた。

 

「ナリネ、トックン!」

 

 ヴィーダが笑顔で、校門の近くで手を振っている。

 

「待っててくれたの?」

「ウン!」

 

 嬉しそうに手を繋ぐ。

 

「イコ!」

 

 そして強引に引っ張っていく。

 

「ちょっ、ちょっとヴィーダ?」

 

※※※

 

 まずは街をランニング。

 ジャージに着替え、ヴィーダと共に走る。

 

「エーイ!」

 

 成音もそこそこ走りに自信はあるが、ヴィーダはそれ以上。

 あっという間にヴィーダを置いていく。

 

「ハヤクハヤク!」

 

 ぴょんぴょんと飛び跳ねて呼ぶヴィーダ。

 

「待ってよ~!」

 

 成音は何とか追いかける。

 

「ナリネ、マダマダ」

「はあ……速いわねヴィーダ」

「ヴィーダ、カケッコトクイ!」

 

 エッヘンと腕を組む。

 

「ま、まだまだ! 次の勝負では負けないわよ!」

 

※※※

 

 次の特訓は崖登り。

 取り敢えず崖がある所まで移動したのだが。

 

「ひえ~……」

 

 ヴィーダがやろうと言い出したものの、成音は少し恐怖する。

 あまり高い所や不安定な所は得意じゃない。

 

「ナリネ、ダイジョウブ!」

 

 ヴィーダは恐怖一つなく、崖を登っていく。

 

「大丈夫かなあ……」

 

 不安げな顔をしながらも、成音は崖を登り始める。

 

「ひっ……」

 

 少し登った所で、足場がザクっと音を立てて崩れた。

 慌てて登ろうとするが、それが仇になり。

 手を離してはまった。

 

「うわあああああああッ!」

 

 真っ逆さまに転落。

 地面に激突する前に、

 

「ヘンシン!」

 

 既に登り終えていたヴィーダが変身して、成音を助けに行く。

 

「ありがとう……」

 

 心臓がバクバクだ。

 グングニルが成音を優しく立たせてから、変身を解く。

 

「コワカッタ?」

「う……うん」

 

 でも美咲なら、こんな崖でも躊躇わず登るんだろうなあ……と少し落ち込む。

 

「ダイジョウブ! モットガンバル!」

 

 両腕でガッツポーズをするヴィーダ。

 

「そうね。まだまだ!」

 

 成音は諦めず、もう一度登り始める。

 

※※※

 

「オフロ! オフロ!」

 

 その数時間後。

 結局一日目は、ヴィーダに一つも勝つ事が出来なかった。

 全身クタクタで部屋に戻り、まだ元気そうなヴィーダを先に入れてから、扉の鍵を閉める。

 

「はあ……まだこの程度かあ」

 

 脱力し、椅子に腰を預けて天井を見る。

 今日特訓した感じでは、まだ全然美咲やヴィーダに追いつけるイメージがない。

 美咲でさえハイドロフォームや、グングニルとの戦いで使って自爆が無ければヴィーダに勝てないのだから、美咲よりも実力が劣る成音がそう簡単に肩を並べられるわけがない。

 分かっている。分かってはいても……意識せずにはいられない。

 

「ナリネ」

 

 風呂に入ろうと、タオルを準備していたヴィーダに声を掛けられる。

 

「ヴィーダ……」

「アシタモガンバロウ!」

 

 ヴィーダにそう言われ、成音も笑顔で頷く。

 

「ナリネモオフロ、ハイロ!」

「え? あたしも?」

「アライッコ!」

「はいはい」

「ヤッター!」

 

 




次回予告

江代「ここは……どこだ?」
美咲「あれ? 江代さんが何故ここに?」
江代「吾にも分からん。ここはどこだ?」
美咲「いつも初さんと次回予告をしている現場ですわ」
江代「次回予告……? 一体何のだ?」
美咲「あれ、もしかして知りませんの? 私が主人公の小説『仮面ライダーボマー』ですのよ」
江代「仮面ライダー……貴様が?」
美咲「ええ」
江代「ふっ……笑わせるな」
美咲「はい?」
江代「貴様が子どもに好かれるわけがなかろう。せめて吾の如き人を引き寄せる闇の力が無ければ、子どもの心を掴むなど出来はせん」
美咲「じ、上等ですわ! 今から変身して、子ども達に見せてきますわ!」
『COMPLETE』
美咲「行きますわ!」
江代「……ホントに行きおったな」

数分後。

美咲「……」
江代「どうだ?」
美咲「逃げられましたわ……」
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