浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第五十一話

 

 特訓が始まり一週間と少し。

 ヴィーダとの差はまだ開きっぱなしのままだが、少しずつ自分を鍛える事が出来た気がする。

 今日はお互い変身して、組み手をしようとしていた。

 

「今日は負けないわよ、ヴィーダ」

 

 成音は意気込みながら端末を取り出す。

 ヴィーダとの戦いは経験したが、こうして組み手をするのは初めてだ。

 

 ――大丈夫。あたしは会長が戦う所を一度見た。だからあの時よりも戦える筈。

 

「ナリネ、イクヨ」

 

 スイッチを押す。

 

『GUNGNIR ON』

 

 バックルの中から、待機音が流れる。

 ヴィーダは一度目を閉じてから、槍型のアイテムを上に投げ、もう一度キャッチ。

 

「ヘンシン!」

 

 挿入口に差し込む。

 

『CHANGE』

 

 ヴィーダはその姿を、仮面ライダーグングニルへと変える。

 白銀と水色で構成された、槍使いのライダーがその水色の複眼で成音を見据えた。

 

「あたしも」

 

 端末を操作し、閉じる。

 

『FLAME THROWER DRIVE READY?』

 

「変身」

 

 端末を取り付ける。

 

『COMPLETE』

 

 上空から現れた火柱に飲み込まれる山内。

 火炎放射器を模した、炎の怪人へとその姿を変えた。

 

「イクヨ」

 

 グングニルが左拳を握り、素早く移動して火炎放射器怪人の喉元を狙う。

 あの時……決戦の時と同じ攻撃だ。

 

 ――落ち着いて避けないと……!

 

 美咲と同じように集中し、攻撃を予測する。

 しかし火炎放射器を向けた時には、もう遅かった。

 

「ッ!」

 

 成音は攻撃を見切れず、そのまま命中してしまう。

 急所を狙われた成音はシステムに守られたが、変身が解けてしまった。

 

「くっ……」

 

 成音は地面に拳を叩きつける。

 何が足りない……。

 美咲はどんなに早い敵も、躱すどころか正面から吹き飛ばしていた。

 同じようにやろうとしたのに、攻撃がどこから来るのかさえ分からなかった。

 

「ナリネ……」

「やっぱり……」

 

 自分には無理なのだろうか。

 母親のレールから外れた自分では、常に努力し続ける美咲には追い付けないのだろうか。

 

「アキラメチャダメ!」

 

 グングニルが叫ぶ。

 

「ヴィーダ……」

「キットデキル! ツヨイキモチガアルナリネナラ!」

 

 武器を構えなおすグングニル。

 

「強い……気持ち……」

 

 言われた言葉を噛みしめる。

 

『FLAME THROWER DRIVE READY?』

 

 もう一度端末を操作し、構えた。

 そして、自分の心に強く言い聞かせる。

 

 ――あたしは強くなりたい。いつか会長に勝ちたい!

 

「変身!」

『COMPLETE』

 

 火炎放射器怪人へともう一度変身する。

 

「行くよヴィーダ!」

 

 全身の炎を燃やし、もう一度グングニルに立ち向かおうとする。

 

「狩野遥の道具……みツけタ……」

「「!」」

 

 何者かの声。

 声の方を向くと、そこには。

 

「……ギャアアアアッ!!」

 

 蘇我高校にいた怪人達が、集団を組んで自分達の前に立っていた。

 

 




次回予告

※美咲が出ていないので、初と江代が次回予告担当です

江代「吾と貧乳の銃士で次回予告だと……」
初「完全に部外者だけじゃねえか」
初「……美咲出なさそうだし適当に終わらせるぞ」
江代「ふっ……」
初「さーて来週の仮面ライダーボマーは!?」
江代「闇の騎士江代だ。進路相談で闇の騎士を志していると告げたが、まともに取り合ってもらえずじまいだ。奴らはこの世界が誰によって守られているのか理解しておらんらしい」
江代「さて次回は」
貧乳の銃士加入
貧乳の銃士離反
貧乳の銃士死す
江代「の三本だ」
初「来週もまた見てくれよな。じゃんけん、っておい!」
江代「なんだ?」
初「なんだじゃねえだろ、死すってなんだ死すって!」
江代「貴様はギャグキャラなのだから死なんだろう?」
初「そういう問題じゃねえだろ」

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