浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
「ヴィーダ、ヤル……」
グングニルが槍を構えて立ち向かおうとする。
しかし火炎放射器怪人が止めた。
「ナリネ?」
「あたし一人でやる」
「デモ……」
「あたしだって、一人で戦える!」
――会長は最初に果たし状を受け取った時、あたし達に見捨てられても一人で戦いに行った。あたしにもそれくらいの強い気持ちがなきゃ、追いつけない!
火炎放射器怪人は全身から炎を滾らせて、怪人達へと向かっていく。
「はあッ!」
炎の拳で、アーミーを一人倒す。
今の火炎放射器怪人でも、アーミー程度ならもう余裕だ。
「その程度!?」
全身から炎を放出し、焼き尽くす。
「グギャア!」
炙られて苦しそうにしている怪人に、キックで追い打ちをかける。
「はあッ!」
「ウオアア!」
蹴られた所を押さえ、悶え苦しむアーミー。
「いける……あたしも会長みたいに戦える!」
『FINAL DRIVE!』
全身の放射口から炎を放出し、ジェットエンジンの要領で三体で固まっている怪人達へ突撃する。
「うおおおおおおおおおッ!!」
「グアアアア!」
怪人達はボーリングのピンのように倒れ、気絶した。
「あたし、強い……このまま!」
その勢いで残りを倒そうとする火炎放射器怪人。
だが……。
「図ニ乗るナ」
残っていたアーミーに斬りつけられる。
「きゃあッ!」
火炎放射器怪人は地面へと叩きつけられ、残ったアーミーに銃口を向けられる。
「……」
咄嗟に転がって回避するが、その先に別のアーミーの姿が。
「ぐあッ!」
剣で斬りつけられ、火炎放射器怪人は大きく吹き飛ばされる。
まるでビーチバレーのボールのように回され、何度も斬りつけられていく。
「くっ……」
「これデ……終ワりダ」
端末なしで、どこからか音が聞こえる。
『FINAL DRIVE!』
自分を斬り付けた四体全員が、剣を高く掲げて振り下ろす。
そこから光が放たれる。
「しまっ……」
受け止めるどころか避ける事すら叶わない。
「ぎゃああああッ!」
強制的に火炎放射器怪人……成音は変身解除に追い込まれた。
「くっ……」
「中々頑張ッたガ……無駄だッたよウだナ」
胸倉を掴まれ、剣の先を向けられる。
「まズはオ前かラ殺しテやる」
――あたし……このまま死んじゃうの?
成音は目を閉じる。
※※※
数か月前。
「どういう事? 卒業後は私の決めた学校に行く筈よ? こんな低レベルの高校に行くなんて」
「……」
「何か言ったらどうなの?」
「これ」
あたしは、この前父さんと一緒に書いてもらった書類を見せる。
アパートの部屋番号と、自分の名前が書かれた紙。
「さようなら」
「待ちなさい成音、こんなの聞いてないわよ!」
「アンタなんか母親と思った事ない。だから答える必要なんてない」
「……!」
「もう二度と、会いたくない」
※※※
母さんは誰の目から見ても毒親だし、今でも大嫌いだ。
だけど成音は、そんな母親から逃げる選択肢を選んでしまった。
もし成音が美咲なら、違う道を選んだ筈だ。
あの時には戻れなくても、やり直す道を選べるなら選びたい。
だからまだ、死にたくない……。
「グギャアアアア!」
断末魔が上がる。
だがその声の主は成音ではなく、アーミーの方だ。
「ヴィーダ、ヤッパリミテラレナイ。ヴィーダカラトモダチウバウヤツ……ユルサナイ!」
グングニルが槍を構え、怒りを露わにする。
次回予告のネタがないので、今回もカットさせてください。
初「ついにハッキリ言ったな」