浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第五十四話

 ガス怪人……蒲生は校長室で、帰還した怪人から話を聞いていた。

 

「狩野遥の人形と、山内ちゃんに負けたっすか」

「はイ……」

 

 ボロボロになった怪人達は、申し訳なさそうに話す。

 

「申し訳ありマせン」

「はあ、この体たらくでどう六角美咲を倒すんすか? 蘇我高校の生徒の癖に情けないっす」 

「そうだな」

 

 どこからか聞き覚えのない声が聞こえる。

 

「誰っすか?」

「まさかすぐに俺に後輩が出来るなんてな。よう」

 

 現れたのは、足利明人。

 だが様子がおかしい。

 恐らく……。

 

「アンタは明人じゃないっすね? 一体誰なんすか?」

「俺はこいつの身体をちょいと借りてる、ただのあの人の家族さ」

「そうっすか。それで、その家族がここに何の用っすか?」

「面白そうだし俺にも仕切らせてくれよ」

「嫌っすね。六角美咲を倒すのはこの私っす」

「つれねえな。でもそこまで言うって事は、自信があるんだよな?」

 

 明人がベルトから剣型の端末を取り出す。

 

『ガスドライバー!』

 

 ポイズンガスと書かれたガジェットを、ドライバーの横に差し込み、指を鳴らす。

 

「変身」

『ガスドライブ! ポイズン! クルシーム!!』

 

 紫色のガス怪人へと姿を変える蒲生。

 

『SWORD DRIVE READY?』

 

 端末を取り付け、降ってくる剣の柄を取り、そのままガス怪人へと斬りかかる剣の怪人。

 ガスでバリアを作り、弾くガス怪人。

 

「中々やるじゃねえか」

「明人と比べたら大した事ないっすね」

「これでも最近この身体に放り込まれたばかりなんだ。無茶言うな」

 

 弾かれた剣の怪人が、もう一度構えなおす。

 

「はあッ!」

 

 剣の怪人が姿を消し、現れた場所でガス怪人を薙ぎ払う。

 やはり明人と比べると遅い。

 

「口は達者だが、俺を倒せないようなら、お前は俺や六角美咲よりも弱い事になるな」

「なんだと……」

「あいつは新しい力を手に入れている。今の俺じゃ到底倒せねえ。もしあいつに勝ちたいのなら、俺くらい倒してもらわねえとな」

「アンタ程度、すぐに倒すっす」

 

 挑発に乗って、そう反論するガス怪人。

 笑みを浮かべながら剣の怪人は言う。

 

「やってみな」

 

 剣の怪人がもう一度駆け出そうとする。

 しかし。

 

「ぐっ……何をする、お前……」

 

 剣の怪人の動きが止まる。

 彼の中にいる明人が、精神力で妨害していた。

 

『や……めろぉ……』

「俺に抗ってやがる……ッ!」

『俺はお前にも菫にも屈しない!』

 

 明人と人格が切り替わる。

 

『何だと……』

「お前、六角美咲と戦うつもりなんだろ」

「そうっす。私があいつを……」

「六角美咲を倒すのはこの俺だ! お前にも、こいつにもやらせない! 俺がお前達を止める!」

『FINAL DRIVE!』

 

 端末を操作し、閉じて再びセット。

 剣の怪人が構えつつ、姿を消す。

 

「どこっす!」

「はあッ!」

 

 ガス怪人を斬りつけ、大きく吹き飛ばす。

 

「ぐあッ!」

 

 蒲生の変身が解け、地面へと叩きつけられる。

 

「……」

「流石だね。足利明人……君は確かに強い。だけど僕の計画に必要なのは君ではなく、君の肉体だよ」

 

 どこからか現れた菫が、何かのスイッチを押す。

 

「ぐッ……」

 

 明人が苦しみだし、悶える。

 

「戻ってくるんだ」

『おうよ』

「待て……ッ!」

 

 明人の声が届く事はなく、身体を再びあの人格に奪われてしまう。

 

「今の僕には蒲生も必要だ。こんな醜い争いを、僕に見せないでくれないか?」

「……」

「これからは彼と協力して進めたまえ。君一人では荷が重かろう?」

 

 笑みを浮かべながら言う菫に、蒲生は不満そうに答える。

 

「……ういっす」

「では、よろしく頼んだよ」

 

 菫が立ち去っていく。

 

「そういう事だ。よろしくな」

「……」

 

 明人に握手を求められるが、蒲生は断る。

 

 ――見てろ六角美咲、足利明人もいつか出し抜いて……お前を倒すっす。

 

 




今日も次回予告はありません。
初「はっきり言うな」
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