浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第五十七話

 

 朝。

 出かける前に、俺はリビングで美咲と朝食を頂いていた。

 

「人ん家で飯食わしてもらうのなんて久しぶりだな」

 

 美咲の母親と父親も対面で食べている。

 自分の家族ではないが、こういう家族みんなで食べる的なシチュエーションも久しぶりだ。

 まあ……もう自分の家族で同じ事は出来ないが。

 

「美味しい? 裕太くん」

「はい、とても」

 

 美咲の母親に感想を告げる。

 そういえば美咲の母親を見るのも初めてだ。

 美咲に似て美人だし、大人の魅力がある。

 もし手を出すならこっちだな。

 

「今邪な事考えました?」

「そんな事考えてねえし」

 

 バレたか。

 

「そういえば二人とも、昨日は激しかったな」

 

 美咲の父親が笑みを浮かべながら俺達に言う。

 

「もしかしてこれか?」

 

 指で輪っかを作ってそこに指を入れる父親に、俺と美咲は味噌汁を吹き出す。

 

「違います!」「違いますわ!」

「またまた、隠さなくても良いんだぞハハハ……」

 

 てかこの親何で成人男性に未成年襲わせようとしてんだ……。

 

「俺達も若いころは」

 

※※※

 

 一時間後。

 俺達は外に出ていた。

 

「んで、買い物ってどこ行くんだよ」

「普通にショッピングモールですの」

 

 俺は未だにスーツ姿だが、美咲は一応着替えていた。

 髪型こそ同じだが、中々お洒落な服を着ている。

 何度でも言うが、こいつは言動行動が残念なだけで美人なんだと思わされる。

 

「どうしましたのそんなにジロジロ見て」

「な、何でもないよ」

「言っておきますが、私は犯される気はありませんのよ」

「だから襲わねえって言ってんだろ!」

 

※※※

 

 取り敢えずショッピングモールへ。

 

「取り敢えずまずは、新しいライダーグッズを見に行きますわよ」

「え!?」

 

 いきなりだな。

 まずここは服とかじゃないの……?

 

「ほらほら行きますわよ」

「はあ……」

 

 俺ライダー分かんねえんだけどなあ。

 

「あ、これですわ」

 

 どうやら今年の新しいライダーの変身ベルトらしい。

 スタンプのようなものを押して、変身するとかなんとか。

 

「映画での先行登場がカッコよかったですわ。セイバーも良いですが、こちらも中々……」

「そ、そうか」

 

 ライダーの世界は俺には中々難しい。

 

「あ、眼鏡のお姉ちゃん! 男連れてる!」

 

 子供の一人で美咲を指さして言う。

 

「あらどうしましたの?」

「ねえねえ、リバイスの変身やってよ!」

「良いですわ。映画とテレビでラーニング済みですのよ!」

 

 美咲はベルト無しのエアで変身のポーズを行う。

 

「変身ですわ!」

 

 別ライダーの変身でもですわ付けるのか。

 

「すごいすごい!」

 

 子供がぱちぱちと手を叩く。

 

「私にかかればこんなもんですわ」

「でも毎回思うけど、ですわは変だよ」

「……」

 

 俺が言いたかった事を言いやがったな……。

 

 




次回予告

美咲「リバイス最高でしたわ!」
初「あー今日から新仮面ライダーなんだっけ」
美咲「そうですの! この話で私が変身ポーズをした仮面ライダーですわ」
初「どんなライダー?」
美咲「そういうと思って、今回はリバイスの宣伝をしますわ」
初「次回予告で他の番組の宣伝するとか聞いた事ねえわ」
美咲「主人公は家族を守る為に変身する! 仮面ライダーリバイス! 絶対に見なきゃ損ですわ」
初「宣伝下手過ぎね?」
美咲「それは作者の落ち度ですの」
初「言うなそれを」

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