浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第六十一話

「はあッ!」

 

 俺は自分の姿が消える程の速さで、サック怪人との距離を詰める。

 見えた辺りで上段斬りを行い、サック怪人の顔面に傷を負わせた。

 

「ぐッ!」

「……!」

 

 手が震える。

 これが今の自分の力。

 今なら、何でも出来る気がする。

 

「まだ行くぜ!」

 

 もう一度地を蹴って、サック怪人に何度も斬りかかった。

 サック怪人をかなり押せている。

 

「くっ……」

「もう終わりか? ならこれで終わりにしてやるぜ」

 

 俺は端末を操作。

 

『最終撃!』

「ライダースラッシュ!」

 

 俺は全速力で、サック怪人に斬りかかる。

 剣の怪人の必殺技に類似しているが、それよりも速く。

 

「おりゃあ!」

 

 トドメは全力の薙ぎ払い。

 サック怪人の腹を斬りつけて、大きく吹き飛ばす。

 大ダメージを負ったサック怪人は変身解除しながら転がり、仰向けに倒れる。

 

「ぐあッ!」

「……」

 

 俺は一応変身を解かず、そのままトドメを刺そうとする。

 だが黒フードが煙幕で目をくらまし、その場から逃走。

 

「逃げられちまったか……ったく」

 

 少し様子を見る。

 隠れていない事を確認してから、俺は変身を解いた。

 

「……」

 

 分が悪いかもとさえ思ったが、相手を撤退させる事が出来た。

 

「美咲、勝ったぞ!」

「やりましたわね……」

 

 美咲が近くの柱にもたれかかりながら、俺にサムズアップする。

 

※※※

 

 戦いの後、今度こそ美咲の家に向かい。

 部屋の中で美咲に話しかけられた。

 

「あのベルトの事だったんですのね。力になれるかもとは」

「そうだよ」

「何故隠してたんですの?」

「だってもしかしたらお前の事だし、一人で戦いそうな気もしたからよ。だったら必要ないならないで良いのかなって」

「そういう事でしたのね。というかそれより、それはどこで手に入れたんですの?」

「あー、あの決戦の日に見つけた」

「逃げてる途中で、ですの?」

「そう。俺科学部に隠れたんだけど、その中にこれがあってさ。取り敢えずこれをかっさらってきた感じだ」

 

 黒フードや怪人がどこに潜んでいるかわからない以上、護身も必要だと思い盗んだが、結局会わずじまいで、自分に使えるのか判明しないままあの日は終わってしまった。

 

「何にせよ、これで戦力が増えましたわね」

「ああ」

 

 この力があれば、俺もやっと美咲の役に立てる。

 

「でも最強の座は渡しませんわよ」

「なーにが最強だよ。思い切り殺されかけただろ」

「う、うるさいですわ!」

 

 爆弾を投げつけられる。

 俺に当たらず床に跳ね返り、ギャグ漫画のように美咲だけに激突してから爆発。

 

「……」

「何故当たらないんですの……」

「知らないよ」

 

 あと爆弾使う時にちゃんと自分が生き残れるように当てて欲しい。

 

 




次回予告

初「最強戦力さん、そこまで言うなら姉さんと戦え」
美咲「……見逃しますわ」
初「逃げてんじゃねえぞコラ」
美咲「あーもう! まずは貴女を倒してからですわ!」
初「いや、私こそ見逃してくれ。めんどくさい」
美咲「もう少しやる気を出して欲しいですの」
初「体力の無駄」
美咲「ムキーッ! 腹が立ちますわ!」
(割愛)
初「ほら、読者にネタが飽きられ始めたぞ」

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