浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第六十八話

 

 数は四体。

 全てアーミーだ。

 

「対象……狩野はルかとその製作物を発けン。速やカニ排除すル」

 

 アーミーの一体が武器を構えながらそう告げる。

 

「まずいな、思っていたよりガスが効いていたようだな」

 

 冷静に言う遥。

 

「ベルトを使って変身するなら、ベルトが仮の脳になる事によって守られる。しかもこの操られ様は……ガスドライバーまで持っていかれたか」

「トニカクトメル!」

 

 ヴィーダがグングニルドライバーを装着して、アーミー達の前へ。

 

『GUNGNIR ON』

 

 俺もムラマサドライバーを着けて、ヴィーダの隣に。

 湧きあがる力を感じてから笑みを浮かべ、敵に向かって告げる。

 

「雑魚が何人来ようと、俺には勝てねえぜ」

「裕太……?」

「行くぜヴィーダ」

 

 俺は端末を取り出して、ボタンを押す。

 

『ムラマサ!』

 

 ヴィーダが槍型のガジェット、俺は閉じた端末をそれぞれ構えてから叫ぶ。

 

「ヘンシン!」「変身!」

 

 それぞれ取り付ける。

 

『CHANGE』『御意! 出陣! 仮面ライダームラマサ!』

 

 ヴィーダが仮面ライダーグングニル、俺が仮面ライダームラマサへと変身し、武器を構える。

 

「まさか、そんな筈は……」

「行くぜ!」

 

 仮面の下で歯を剥き出しながら、俺は素早くアーミーとの距離を詰めて一体斬りつける。

 

「ハアッ!」

 

 グングニルも同じく、姿を消しながらアーミーを一体なぎ倒す。

 勢いに乗ってもう一体も倒し、

 

「セヤッ!」

「グギャアッ!」

 

 あと一体。

 

「これで終わりだぜ」

 

 端末を取り出して、ボタンを押す。

 

『最終撃!』

「ライダースラッシュ!」

 

 俺は素早く最後の怪人との距離を詰め、何度もアーミーを斬りつけた。

 アーミーはそのまま気絶し、倒れる。

 

「ふぅ……」

 

 俺は息を吐いてから、変身を解く。

 その様子を見ていた成音が、訝しげに問いかける。

 

「ねえ、裕太……」

「怪我でもしたか? 成音」

「違うわ……その、戦ってる時……性格違く無かった?」

「え?」

 

 俺は首を傾げる。

 俺自身、特に違和感のようなものは感じなかったが……。

 

「そんな事ないと思うぞ」

「そ、そう?」

「とにかく、もう相手側にバレちゃったみたいだし……早く止めに行こうぜ」

「え、ええ」

 

 成音がグングニルに目を向けて問う。

 

「ヴィーダ、ここの見張りを頼んでも大丈夫?」

「ヴィーダ、ミハリ?」

「うん。怪人達はあたしと裕太で元に戻すから、ヴィーダは遥さんを守って」

「ウン! ヴィーダ、マママモル!」

 

 グングニルが元気よく頭を縦に振る。

 

「じゃあ、早く行こう」

「分かったわ」

 

 俺と成音はベルトを手にしながら、病室の外へと飛び出していく。

  

 

 

 

 




美咲が出ていないので、今回もありません。

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