浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
「アンタが福沢裕太っすか。黒フードの奴から聞いてたより随分弱そうっすね」
「な、なんだとぉ!」
最近の高校生は大人をなめ腐り過ぎな奴が多すぎる……。
「で、何しに来たんすか」
「アンタ達に言うわけないじゃないの」
「山内ちゃん、美咲なんかといても良い事ないっすよ。今からでもこちら側に……」
「副会長。会長を倒したいなら、まずあたしを倒しなさい。あたしは会長に勝つまで、誰にも負ける気はないから」
フレイムシャワードライバーを装着する成音。
「私と戦う気っすか?」
『ガスドライバー!』
ガスドライバーを取り付けながら、蒲生はシリンダー型の変身ガジェットを取り出す。
「んじゃ、俺はお前とだな……福沢裕太」
「その話し方、お前はまさか……」
「? どっかで会った事あるか?」
明人がベルトを装着する。
何かに操られている明人の喋り口調があの時の黒フードに似ているが、まさかそんな事はない筈だ。
「まあ良い……」
俺も静かにベルトを取り付ける。
脳の中がかき混ぜられるような感覚に少し襲われてから、俺はこう呟く。
「俺がお前を倒すぜ」
「そうこなくっちゃな」
全員で変身の構えをとる。
「「「「変身!」」」」
『『COMPLETE』』『御意……出陣、仮面ライダームラマサ!』『ガスドライブ! クルシーム!』
「しゃあ、行くぜ!」
俺は刀を構えて、明人との距離を詰める。
「はあッ!」
頭を狙って上から斬りかかるが、剣の怪人は軽々と受け止める。
「……!」
「おいおい、その程度か? 倒すんじゃなかったのか?」
「こ、これで!」
限界まで加速し、何度も剣を叩き込む。
「単調過ぎてつまんねえな……」
「こいつ……」
「お前にお手本見せてやるよ。明人から盗んだ剣技を」
今度は明人が姿を消し、俺に迫る。
「くッ!」
何発か剣撃を受け止め、ダメージを最小限に抑える。
技を終えた明人が俺の背後に現れ、顔だけ向けながら言う。
「真似するのに苦労したぜ。まさかこの俺様が人間の技を真似にするのに苦労するなんてな」
俺につけた傷を見る。
「へえ、何度か受け止めたのか。でも、それくらいしてくれなきゃこっちとしても期待外れが過ぎる。もう一度掛かってきな」
※※※
火炎放射器怪人の方も、かなり相手のペースに飲まれていた。
得意の火炎放射をほぼ高圧ガスで防がれ、近距離攻撃も難なく防がれてしまっている。
やがて体力が尽き掛けたが、相手にその様子はない。
「つ、強いわね……」
「この程度っすか? 私を阻んで、美咲の所に行かせないつもりだったんすよね?」
ガス怪人が火炎放射器怪人を睨む。
「そんな半端な覚悟で、私に挑まないで欲しいっす。美咲に勝つ為に、私はこの道を選んだんすから」
苛立ちながら、ガス怪人は放射口を火炎放射器怪人に向ける。
「この道を選んだ……? 何言ってんのよ。そんなんで会長を、六角美咲を倒せると思ってんの?」
「はあ?」
「あの人は目先の敵だけじゃない。過去のライバルも、未来のライバルも、全て見据えて努力している。そんな人が、ただ一人倒したら満足な人相手に負けるわけないじゃない!」
「説教すか? 山内ちゃんが私に?」
「ええ、説教よ。アンタと、そして最近まで気付いてなかった私にね」
火炎放射器怪人は笑みを浮かべ、拳を握り直す。
ガス怪人は呆れた顔をする。
「まあ良いっすよ。どんだけ周りが持ち上げようが、最後には実力が上な人が勝つっす。だから山内ちゃん、悪いけどそこを退くっす」
「――その必要はありませんわ」
成音の背後から声が聞こえる。
「か、会長!」
「美咲……」
美咲はキメ顔をしながら、自分に指をさしてポーズする。
「私、参上ですわ!」
次回予告
初「ニ〇ル子かよお前」
美咲「ニャ〇子? それは知りませんが、私のは電王の真似ですわ」
初「私の宇宙CQC、パート2!」
美咲「私の必殺技、パート2ですわ!」
二人「……」
二人「電王ネタに似てますわ(ニャル子ネタにそっくりだな)」
※今回は美咲が正解