浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第七十八話

 

「い……いるならいるって言いなさいな」

 

 美咲が腕を組んでそう告げる。

 

「悪い悪い」

 

 裕太は頭を掻きながら笑う。

 

「ところでそちらは大丈夫でしたの? 成音さんが心配してましたわ」

「俺なら隠れてずっと見てたよ。逃げろとは言われたけど、流石にお前が倒れた時に何もしないわけにいかないしな」

「そうですの」

「怪人達は取り敢えず元に戻せたみたいだし、一旦遥先生の病室に戻ろうぜ」

「ええ」

 

 裕太と共に、美咲は歩き出す。

 

※※※

 

 それが起きたのは、校舎の外へ出てすぐだった。

 

「美咲!」

「うわあッ!」

 

 音速で飛ぶ風の拳に吹き飛ばされ、美咲はごろごろと地面を転がる。

 

「……この攻撃は」

 

 見覚えがある。

 これは……。

 

「対象を……排除する」

 

 聞き覚えのある声。

 その声が聞こえた先にいるのは、サック怪人だ。

 

「黒フードさん……」

「……」

 

 黒フードの下から少しだけ覗いていた瞳も、完全に生気が無くなり、光を失っている。

 

「俺はあの人の為に、殺す……六角美咲を殺す」

「ここは俺が……」

 

 裕太はベルトほ取り出す。

 

「待ちなさいな!」

 

 変身しようとした裕太を、美咲が止める。

 

「黒フードさんは私が助けますの」

「助けるって……こいつは敵なんだぞ!」

「分かってますわ! けど、今の彼は自分の意思で戦っていない。私は彼自身の選択を尊重したいんですの!」

「あの人の意思のままに……」

 

 虚ろな目で呟き続ける黒フードに、美咲はベルトを装着しながら言う。

 

「黒フードさん、貴方が自分の意思で立ち向かっていない事はその眼を見れば分かります。だから私が眼を覚ましてあげますの」

 

 端末を取り出し、ボタンを押す。

 

『BOMER DRIVE READY?』

 

 端末を閉じて、顔の左側で構える。

 

「変身ですわ!」

 

 端末をベルトに取り付けた。

 

『COMPLETE』

 

 上から降ってくる爆弾を右拳で握り潰し、爆風に飲み込まれる。

 爆風の中で、仮面ライダーボマーへと姿を変えた。

 

『SMASH DRIVE READY?』

 

 黒フードが端末を操作して構える。

 

「変身」

『COMPLETE』

 

 黒フードも、サック怪人に変身する。

 

「貴方の運命は、私が変えますわ!」

 

 バットを突き出し、ボマーは駆け出す。

 サック怪人も拳を握り、迎え撃つ。

 

「……!」

「はあっ!」

 

 ボマーが振り下ろしたバットを、サック怪人は受け止める。

 

「!」

 

 余った左拳でボマーの腹を貫き、その身体を大きく吹き飛ばす。

 

「前よりも強くなってますわね……けど、今のただ盲目な貴方に負けるわけにはいきませんわ!」

 

 




次回予告

初「毎回思う。これホントにあった事か?」
美咲「貴女私を見くびり過ぎですの!」
初「まあ……そういう事にしておくか」
美咲「それより最近次回予告適当過ぎませんの?」
初「私とお前がただダラダラ喋るだけのネタを用意するのも疲れるらしいぞ」
美咲「何故始めたんですの……? この前とか貴女がプリン食べるだけでしたし」
初「作者が最近ビックマックめっちゃ食べてるからな」
美咲「ピクルス苦手なのにですの?」
初「抜いてるらしい。まあ私もだけど」
美咲「あり得ませんわ!」
初「いやピクルス苦手なのは仕方ねえだろ。てか私も作者もきゅうり苦手だぞ」
美咲「好き嫌いはいけませんわね」
初「あ、あとお前も嫌い」
美咲「うるせえしばくぞ」
初「また口調変わったなおい」

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