浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第七十九話

 

 戦いはサック怪人が劣勢だ。

 ハイドロフォームにすらなっていないボマーの動きに、サック怪人はついていけていない。

 しかし、サック怪人は何とかボマーの動きに合わせようと奮闘している。

 

「はあッ!」

 

 サック怪人の右ストレート。

 それをボマーは左掌で受け止めてから、バットを上に投げて右拳で吹き飛ばす。

 

「くっ……」

 

 サック怪人が受け身をとって体勢を立て直すと同時に、ボマーが投げたバットをキャッチ。

 

「排除……排除!」

 

 サック怪人は機械の如く、もう一度立ち向かう。

 

「消す……お前を消す!」

「今の貴方に消されるわけにはいきませんの!」

 

 サック怪人が大きく右拳を振るう。

 すると。

 

「はあッ!」

 

 今までのサック怪人の拳撃からは考えられない威力の攻撃が、今度はボマーの身体を大きく吹き飛ばす。

 

「……!」

 

 見覚え、いや俺が実際に経験した事だ。

 あの黒フードに始めて会った時、俺はそいつを拳一つで大きく吹き飛ばした。

 その力と同じ力だろうか。

 

「その拳、効きましたわ……もっとやりなさいな!」

 

 ボマーはバットを構えなおしてもう一度立ち向かう。

 

「排除! ……排除!」

 

 ボマーにもう一度拳を振るい続けるサック怪人。

 だが能力は使っていない。

 

「あの拳はどうしたんですの!?」

 

 ボマーの振るうバットを、サック怪人が受け止めた。

 

「削除!」

「きゃあ!」

 

 ボマーの腹を蹴り飛ばす。

 

「……やはり貴方は出来損ないではありませんわ。やれば出来るじゃないですの」

「やれば……出来る……美咲……」

 

 一瞬サック怪人の動きが固まる。

 だがすぐに首を横にふり、大声を上げて立ち上がろうとしているボマーにのしかかった。

 

「ああああッ!!」

「私は貴方に言いましたわよね。洗脳されていたとしても、それなら洗脳された状態から認めさせてみせると」

「知らない! 知らない! 俺はあの人しか知らない!」

 

 動けないボマーの顔を何度も殴りつける。

 

「貴方が知らなくても、私が覚えてますの!」

 

 何度目かの所で、ボマーが拳を受け止めた。

 

「その人と共にいる事を選びたいと思う貴方を、その人の為でももう人を殺めたくないと言った貴方を、自分の願いの為に何が出来るかを考えようとした貴方がいた事を、私が覚えてますわ!」

 

 ボマーはサック怪人に頭突きしながら起き上がる。

 

「だから思い出させてみせますの!」

『ACCELERATOR DRIVE』

 

 ボマーが加速状態に入り、サック怪人へ消える速度で地を蹴った。

 

「はあッ!」

「くっ……ぐあッ! あああッ!」

 

 最後に回し蹴りで大きく吹き飛ばしてから、ボマーは端末を操作。

 

「これで終わりですわ」

『FINAL DRIVE!』

 

 ボムビットがバットに集結。

 ダウンしているサック怪人に向かって叩きつけるように、バットを振り下ろす。

 

「ライダーインパクト!」

 

 物理法則とかを一切無視し、ボマーの方が逆に爆発に巻き込まれる。

 サック怪人は吹き飛ばされ、地面を転がりながら、その身体を元に戻していく。

 

「くっ……ああっ……」

 

 ゆっくりと立ち上がろうとする黒フードを、遠くで蘇ったボマーが見つめる。

 

「俺は……あの人しか、知らない……」

 

 そのまま、黒フードは気絶した。

 

 




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