浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
「あれが……」
成音が驚いた眼で見る。
「あの変身が出来たのは、成音さんのおかげですわ」
「会長……」
「私の言葉だけでは、恐らく彼女には響きませんでしたわ。貴女がいてこそですわ」
両腕を広げるムラマサ。
「今度は出来たようだなお嬢ちゃん」
「ヴィーダ、オマエ……タオス!」
「やってみな」
ムラマサが姿を消してから、グングニルへ迫る。
「……がら空きだ!」
「ハアッ!」
槍を回転させながら、炎を生み出して防ぐ。
「コンドハヴィーダノバン!」
次はグングニルが高速移動で姿を消す。
速いだけじゃない。
槍とそれが纏う火炎の強烈な攻撃が、ムラマサを追いつめていく。
「ぐあっ……こいつは厄介だな」
ムラマサが攻撃を受けた所に触れてから言う。
「ハアッ!」
そのまま追い打ちをかける。
上空の魔法陣から数本の槍を放ち、ムラマサ目掛けて放つ。
「おわっ……!」
太刀打ち出来ずに、数本掠ってしまう。
『どうやら出来たようだな』
「遥さん」
『六角美咲の言う通りだ。しかもフレイムシャワードライバーで、ロードドライバーで想定されていた以上の戦いぶりを見せるとはな』
「じゃあ、つまり……」
『非常に非科学的だが、山内成音とヴィーダ……お前達の絆が生み出したものに違いない』
※※※
ムラマサもデータにない戦闘を強いられたせいか次第に追い詰められ、あともう少しの所まで追いつめた。
「コレデ……キメル!」
槍型のガジェットを押し込み、必殺技を放つ。
『GUNGNIR FINAL DRIVE!』
「ライダーフレイムランス!」
魔法陣から大量の槍と炎が放たれる。
「ぐああああッ!」
ムラマサを大きく吹き飛ばし、強制的に変身を解いた。
「くっ……」
二号が笑みを浮かべながら立ち上がる。
「思っていたより、随分やるな」
「……トドメ……」
グングニルが槍を構えながら前に進む。
「おっと、俺を殺す気かい? だがそうはいかねえぜ」
何とムラマサに再変身し、瞬間移動並みの速さで姿を消す。
「次は今みたいにはいかないぜ。六角美咲もそこのお嬢ちゃんも、この俺が葬ってやる」
最後にそれだけ言い残す。
「……ニゲラレタ」
グングニルは変身を解く。
「ヴィーダ」
成音がゆっくりとヴィーダに近付いた。
「ナリネ……ナリネ!」
ヴィーダが成音に飛びつく。
「凄かったよ、ヴィーダ」
成音もヴィーダをぎゅっと抱きしめる。
「ツギハカチタイ、ママニアヤマッテモラウマデタタカウ!」
「そうだね……」
一人だけ二号が先ほどまでいた場所を、美咲は寂しそうに見ている。
「裕太さん……」
次回予告が思いつかないので今回もカットさせてください……。