浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

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第八十三話

 

「あれが……」

 

 成音が驚いた眼で見る。

 

「あの変身が出来たのは、成音さんのおかげですわ」

「会長……」

「私の言葉だけでは、恐らく彼女には響きませんでしたわ。貴女がいてこそですわ」

 

 両腕を広げるムラマサ。

 

「今度は出来たようだなお嬢ちゃん」

「ヴィーダ、オマエ……タオス!」

「やってみな」

 

 ムラマサが姿を消してから、グングニルへ迫る。

 

「……がら空きだ!」

「ハアッ!」

 

 槍を回転させながら、炎を生み出して防ぐ。

 

「コンドハヴィーダノバン!」

 

 次はグングニルが高速移動で姿を消す。

 速いだけじゃない。

 槍とそれが纏う火炎の強烈な攻撃が、ムラマサを追いつめていく。

 

「ぐあっ……こいつは厄介だな」

 

 ムラマサが攻撃を受けた所に触れてから言う。

 

「ハアッ!」

 

 そのまま追い打ちをかける。

 上空の魔法陣から数本の槍を放ち、ムラマサ目掛けて放つ。

 

「おわっ……!」

 

 太刀打ち出来ずに、数本掠ってしまう。

 

『どうやら出来たようだな』

「遥さん」

『六角美咲の言う通りだ。しかもフレイムシャワードライバーで、ロードドライバーで想定されていた以上の戦いぶりを見せるとはな』

「じゃあ、つまり……」

『非常に非科学的だが、山内成音とヴィーダ……お前達の絆が生み出したものに違いない』

 

※※※

 

 ムラマサもデータにない戦闘を強いられたせいか次第に追い詰められ、あともう少しの所まで追いつめた。

 

「コレデ……キメル!」

 

 槍型のガジェットを押し込み、必殺技を放つ。

 

『GUNGNIR FINAL DRIVE!』

「ライダーフレイムランス!」

 

 魔法陣から大量の槍と炎が放たれる。

 

「ぐああああッ!」

 

 ムラマサを大きく吹き飛ばし、強制的に変身を解いた。

 

「くっ……」

 

 二号が笑みを浮かべながら立ち上がる。

 

「思っていたより、随分やるな」

「……トドメ……」

 

 グングニルが槍を構えながら前に進む。

 

「おっと、俺を殺す気かい? だがそうはいかねえぜ」

 

 何とムラマサに再変身し、瞬間移動並みの速さで姿を消す。

 

「次は今みたいにはいかないぜ。六角美咲もそこのお嬢ちゃんも、この俺が葬ってやる」

 

 最後にそれだけ言い残す。

 

「……ニゲラレタ」

 

 グングニルは変身を解く。

 

「ヴィーダ」

 

 成音がゆっくりとヴィーダに近付いた。

 

「ナリネ……ナリネ!」

 

 ヴィーダが成音に飛びつく。

 

「凄かったよ、ヴィーダ」

 

 成音もヴィーダをぎゅっと抱きしめる。

 

「ツギハカチタイ、ママニアヤマッテモラウマデタタカウ!」

「そうだね……」

 

 一人だけ二号が先ほどまでいた場所を、美咲は寂しそうに見ている。

 

「裕太さん……」

 

 




次回予告が思いつかないので今回もカットさせてください……。

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