浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
戦いの後、成音は美咲と別れてヴィーダと共に遥の病室へと向かった。
どうしても、二号を倒せずに逃がしてしまった事を謝りたい。
そう告げて走っていくヴィーダを、何とか追いかける。
「会長は大丈夫かしら……」
美咲は病院まで一号を運んで行った。
優香もついていこうとしたが、美咲から一人にして欲しいと言われ、誰もついていかなかった。
恐らくこの病院のどこかの病室で、彼が美咲の近くで眠っていると思われるが、一号は敵側の人間。
油断は出来ない。
「ナリネ、ハイロ」
あくまで静かに、ヴィーダが病室の扉を開ける。
遥は扉が開くまで、何かの写真を見ていたようだ。
それに気付いた遥がヴィーダだと気付いた瞬間に、申し訳ない顔になった。
「……」
「ママ……」
成音はそれを静かに見守っていた。
「どうした? お前がここに来る必要はない筈だ」
遥は敢えて突き放すような態度で、ヴィーダの目を見ずに言う。
「アルヨ」
それでもヴィーダはくじけずに、そう告げる。
「ヴィーダ、ママヲキズツケタヤツタオセナカッタ……。ソレ、ヴィーダガマダヨワイカラ」
「……」
「ママゴメンネ……ヴィーダ、ママノヤクニタチタイノニ……」
遥は息を吐いてから言う。
「お前がそうする必要はない」
「ナンデ?」
「お前は私の道具だった。けど、今はもう私の為に働く必要がなくなった。今のお前は自分の命さえ守れればそれでいい。わざわざ私の為に戦わなくても良いんだ。私なんかにも関わらず、そこの少女と家族のように暮らせばいい」
罪悪感に満ちた表情で、尚も突き放し続ける。
「イヤダヨ」
「……」
「タシカニナリネスキ、コレカラモイッショニイタイ。ケドソレトオナジクライ、ヴィーダハママガスキ」
「……」
「ヴィーダ、コレカラモマママモル。ダッテママハ、ヴィーダノママダカラ」
「私は母親じゃない!」
大きな声で、ヴィーダにそう告げる。
「お前はただ、私の卵細胞から生みだされただけの……人形だ。私の復讐心を満たす為の道具だったんだよ。だからお前にわざわざ危険な戦いを強いた! そんな私が、お前の母親になれると思うか?」
そう言って涙を流す。
ヴィーダも言葉を失う。
「なれるわよ」
そんな時に、成音がそう口にする。
「……」
「ナリネ……」
「遥さんがそうやって拒絶するのは、それを申し訳なく思うからでしょ? 本当は自分が生み出したヴィーダの事を、娘のように思いたい。そうなんじゃないの?」
「違う……。復讐の為だ……そうでなければ、生み出したりはしない……」
遥が扉が開くまで見ていた写真を、もう一度見て呟く。
「コノヒト……ママノダイジナヒト……。ママ、コノヒトノタメ二、ヴィーダウミダシタ?」
「……そうだ。だから」
「ジャアコノヒトハ、ヴィーダノパパダネ」
ヴィーダがそう言う。
「ナラ、ナオサラママノタメニタタカウノアキラメラレナイ。パパノタメニウマレタナラ、ヴィーダハソノタメ二タタカイタイ。ダッテ、ヴィーダ、カゾクヤトモダチガダイジダカラ」
「ヴィーダ……」
遥が初めて、ヴィーダに目を向ける。
そしてくしゃくしゃの顔で、ヴィーダの頭を撫でた。
「ママノテ、アッタカイ」
「そうか……私は欲しかったんだな。あいつとの家族が……」
自分の気持ちを吐露する遥。
成音もその光景を見て、笑みを浮かべる。
「よかった」
初「もうちょっとだけ続くんじゃ」