浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー   作:門矢心夜

91 / 311
第九十話

 

「菫先生……」

「ここに来たって事は、僕に何か用があるのだろう?」

「ええ」

 

 美咲は臆せず、菫へ正直に回答する。

 

「立ち話も難だし、僕についてきたまえ」

 

 菫は口元に笑みを浮かべながら言う。

 

「分かりましたわ」

 

 少し警戒しながらもそれを了承する美咲。

 

※※※

 

 菫の車に乗って数分。

 美咲はカフェまで移動し、自分のコーヒーと美咲のミルクティーを注文。

 店員が去るのを確認してから、口を開く。

 

「僕に自分から話しかけに来てくれたのは、君で二人目だよ。それも生徒会長。僕の話に興味を持ってくれたのかい?」

「……」

「恐らく違うよね。明らかに僕を警戒している。僕には何かある。今の君の顔から、君の心理を予測した」

 

 菫はすました顔で話し続ける。

 

「君が何故僕に近付いたのか、何となく想像がつく。誰から聞いたんだい?」

「……」

 

 美咲は口を開かない。

 

「大方、一号だよね。彼以外ありえない」

「全部分かってた、そうみたいですわね」

「安心したまえ。今の僕は丸腰だ。周りの目もあるし、今は何もする気はない」

「……」

「それで? 君は一体、僕にどういう目的で近付いたんだい?」

 

 菫が半目で問いかける。

 

「単刀直入に言いますわ。これ以上一号さん、蒲生さんや明人さん……それに裕太さんに手出ししないでいただきたいですわ。私なら誰からの挑戦も受けますし、倒される覚悟もありますの」

「つまり、君を犠牲に他の者に手を付けるな……そう言いたいのかい?」

 

 美咲の答えを待たずに、菫が笑い出す。

 

「くくく……ははは……冗談は止したまえ」

 

 急に怒りの表情を浮かべる菫。

 

「僕は別に君を殺したくて戦っているわけじゃない。僕はただ、狩野遥が許せないから戦っている」

「……」

「君も、あの遥の生み出した実験動物も、狩野遥に関係しているから殺すだけ。それに狩野遥の発明品がこの世に存在していては、僕が正しく評価されない」

 

 美咲は怒りを押さえながら話を聞き続ける。

 

「それは僕の失敗作とて同じだ。僕の発明品は、僕が完璧と認めたもののみが残れば良い。失敗作にいつまでもこの世にいられては、僕の汚点になる」

「……」

「一号は、二号に任せてある。じきに彼も死ぬ運命を辿るだろう。それは君も例外ではないが……」

「どうやら、力づくで分からせるしかありませんわね」

 

 美咲は立ち上がる。

 

「やれやれ、君の性格上こうなるとは思ったが……まあ、良いだろう。僕が君に力の差というものを教えてやろう」

 

※※※

 

 店を出て、近くの路地裏まで移動する。

 

「ここなら誰もいないし、好都合だ」

「……」

 

 美咲はボマードライバーを装着。

 一方菫は、車の中から取り出していたベルトを装着。

 美咲の持つボマードライバーと同じく、端末を操作する形のものだが、武器や兵隊などの形はしておらず、シンプルな白い丸の形をしている。

 美咲と菫、両者ともに端末を取り出す。

 

『BOMER DRIVE READY?』

 

 顔の左側で構える。

 

「変身ですわ」

『COMPLETE』

『DRIVE READY?』

「超化」

『COMPLETE』

 

 菫も端末を取り付ける……が。

 

「……」

「あれ、姿が変わってませんわ」

「心配はいらない」

 

 菫が何と、生身にも関わらず超高速で駆け出す。

 そのままボマーとの距離を詰め、拳を腹に叩きいれる。

 

「ぐっ……」

「うん、まずまずの出来だね」

「それは……」

「これも僕の発明品さ」

 

 菫は笑みを浮かべながら両腕を広げる。

 

 




次回予告

美咲「変身しないでベルトの力を引き出す者がいるとは驚きましたわ……」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。