浅井三姉妹のバカな日常外伝 仮面ライダーボマー 作:門矢心夜
「菫先生……」
「ここに来たって事は、僕に何か用があるのだろう?」
「ええ」
美咲は臆せず、菫へ正直に回答する。
「立ち話も難だし、僕についてきたまえ」
菫は口元に笑みを浮かべながら言う。
「分かりましたわ」
少し警戒しながらもそれを了承する美咲。
※※※
菫の車に乗って数分。
美咲はカフェまで移動し、自分のコーヒーと美咲のミルクティーを注文。
店員が去るのを確認してから、口を開く。
「僕に自分から話しかけに来てくれたのは、君で二人目だよ。それも生徒会長。僕の話に興味を持ってくれたのかい?」
「……」
「恐らく違うよね。明らかに僕を警戒している。僕には何かある。今の君の顔から、君の心理を予測した」
菫はすました顔で話し続ける。
「君が何故僕に近付いたのか、何となく想像がつく。誰から聞いたんだい?」
「……」
美咲は口を開かない。
「大方、一号だよね。彼以外ありえない」
「全部分かってた、そうみたいですわね」
「安心したまえ。今の僕は丸腰だ。周りの目もあるし、今は何もする気はない」
「……」
「それで? 君は一体、僕にどういう目的で近付いたんだい?」
菫が半目で問いかける。
「単刀直入に言いますわ。これ以上一号さん、蒲生さんや明人さん……それに裕太さんに手出ししないでいただきたいですわ。私なら誰からの挑戦も受けますし、倒される覚悟もありますの」
「つまり、君を犠牲に他の者に手を付けるな……そう言いたいのかい?」
美咲の答えを待たずに、菫が笑い出す。
「くくく……ははは……冗談は止したまえ」
急に怒りの表情を浮かべる菫。
「僕は別に君を殺したくて戦っているわけじゃない。僕はただ、狩野遥が許せないから戦っている」
「……」
「君も、あの遥の生み出した実験動物も、狩野遥に関係しているから殺すだけ。それに狩野遥の発明品がこの世に存在していては、僕が正しく評価されない」
美咲は怒りを押さえながら話を聞き続ける。
「それは僕の失敗作とて同じだ。僕の発明品は、僕が完璧と認めたもののみが残れば良い。失敗作にいつまでもこの世にいられては、僕の汚点になる」
「……」
「一号は、二号に任せてある。じきに彼も死ぬ運命を辿るだろう。それは君も例外ではないが……」
「どうやら、力づくで分からせるしかありませんわね」
美咲は立ち上がる。
「やれやれ、君の性格上こうなるとは思ったが……まあ、良いだろう。僕が君に力の差というものを教えてやろう」
※※※
店を出て、近くの路地裏まで移動する。
「ここなら誰もいないし、好都合だ」
「……」
美咲はボマードライバーを装着。
一方菫は、車の中から取り出していたベルトを装着。
美咲の持つボマードライバーと同じく、端末を操作する形のものだが、武器や兵隊などの形はしておらず、シンプルな白い丸の形をしている。
美咲と菫、両者ともに端末を取り出す。
『BOMER DRIVE READY?』
顔の左側で構える。
「変身ですわ」
『COMPLETE』
『DRIVE READY?』
「超化」
『COMPLETE』
菫も端末を取り付ける……が。
「……」
「あれ、姿が変わってませんわ」
「心配はいらない」
菫が何と、生身にも関わらず超高速で駆け出す。
そのままボマーとの距離を詰め、拳を腹に叩きいれる。
「ぐっ……」
「うん、まずまずの出来だね」
「それは……」
「これも僕の発明品さ」
菫は笑みを浮かべながら両腕を広げる。
次回予告
美咲「変身しないでベルトの力を引き出す者がいるとは驚きましたわ……」