クソゲーハンター、京の都から神ゲーに挑まんとす   作:ずーZ

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クソゲーハンター、京の都から神ゲーに挑まんとす

 

 

 

「ふぅ。これでLV12。あ、傭兵の双刃(これ)の耐久そろそろ半分か」

 

 さっきようやくヴォーパルチョッパーは2本揃ったが、今から使うよりボスとかにとっといて、まずはコレとゴブリンの手斧から使い潰すか。

 ボスか。さーて? お、ここからならセカンディルのが近そうだしこのままいくか。

 

「んん? なんだ通知音みたいな、ってああこれリアル側からのメール通知か。

 シャンフロはそういうの見れる仕様だったか、と?」

 

 

 差出人:京極

 宛先:楽郎

 題名:まさかね。まさか、ね

 内容:僕との約束事すっっっっかり忘れたって言うならそのうちラーメン奢ってね? まあ? そんなことある訳ないだろうけど? 

 

 

 ハ、ハハハ! あんなにラーメンのこと小馬鹿にしておいてすっかりと堕ちよってからに。こやつめ! 

 しっかしここからファステイアに戻るのか。うーん。

 いっそのこと、──ダメだダメだ。

 

「このままだと京ティメットのやつが機嫌損ねて、國綱さんがそれとなく察して……」

 

 京極が幕末始めたての頃、()()()()()()()()()()()()()その翌日。

 学校帰りに何時も通り道場に寄ったら、國綱さんがなぜだか神妙な面持ちで待っていて。

 

 

『マイシス……んんっ。

 ……京極がいつにも増してやけに冷たいんだ。いや? 君に非があるんじゃと言う訳じゃないんだがね? 全然ない。勿論だ。何せ何も聞かされていないからねぇっ! 

 ふぅ、ふぅ……いいね? よし。

 さ、──その竹刀を(シバクから)構えろ楽郎』

 

 

 何がいいのかさっぱり分からなかったが、その日の稽古が普段の比じゃなく容赦なかったのは身体で覚えている……。VRの感覚をリアルで再現できねえかな。それでも勝てるとは思えないけどな! 

 

 まあ。

 

 キャラメイクでもそうだが、彷徨う者にしたことで森からスタートしちまったからって、狩に夢中になって、時間も約束もすっかり忘れてた。

 俺が全面的に悪いな。

 シャンフロ内でフレンドになるだけだし、とっとと済ましときゃ良かった。

 

「……ファステイア、急ぐか」

 

 今から行く、って返信だけしとこ。

 

 

 

 

 …………

 

 

 

 

 お、読める。この門に書いてあるのは、

【始まりの街 ファステイア】か。文体これどうなってんだ? 

 

「……さーて」

 

 うっわー。街の外も大概だったけど街中はもっと人混みやべぇ。休日のテーマパークかよ。

 う゛っ、頭がっ……ジェットコースターはちゃんと身長制限を守る事で命を守るので、間違ってもシークレットブーツなんて履いて誤魔化すなんざ以ての外だからまだまだ俺には早いゃ゛だっ……

 

 しっかし。

 

 さすが夏休み、の頭。こりゃあと1週間もしたら街からもっと溢れるんじゃないか? 

 そしてまあまあ、チラチラチラチラ……視線が鬱陶しい。たまに「変態」とか「珍獣」だのボソボソ言ってんじゃねえ聞こえてんだよ刺さってんだよ。あと一部の「同士か」って目はバッカやめろ一緒にすんなそれはそれとしてそっちの馬頭店で売ってるかな。

 

 まず──半裸やめよ。

 

「ありがとうございましたー」

「木こり1式か……見えなくも無いが」

 

 店売りの一番安い防具、防具? その辺を歩いてる男NPCの色違いを着てるような、同じ服のような。まあ初期装備よりかは防御高いし、なんでもいいや。

 視線は、……まあそこそこ減ったか。

「なんで鳥頭なんだアイツ」だと? 

 やかましい。ネタじゃねえぞ。視界に補正効くのが中々便利で、ただの作業帽と比べると手放せなかったんだよっ。

 なんだ1式ボーナスで「木を切る時の斧操作に補正ボーナス」って何得なんだっての。意味わからんわ。

 

「えーと確か待ち合わせ場所は」

 

 メールメール……あった。

 なになに? ファステイアのリスポーン地点の、街の中央広場の、広場から見て右手に進んだ、先を、左に曲がった所にある広場、って。

 

 解りづらっっ! 文面よっ。アイツたまにポンコツになるのなんなんだもっと目印らしいもんを教えてくれよっ! 

 

 というか、何だこの街広場いくつもあんのかよ。そういう特徴か? 

 迷うと思わないが、道の先なんて微塵も見えねえような、この人混みじゃ少し不安だな。

 

 ピコンッ

 

「メール、ってまたアイツからか」

 

 なんだ催促メールか? 

 

 

 差出人:京極

 宛先:楽郎

 題名:着いた頃かな

 内容:待ち合わせ場所、ファステイアは広場が多いし夏休みシーズンで人も多くて迷うかもだけど、今から間違いなく街で一番騒がしくなるから、きっと分かりやすいよ

 どう伝えればいいか文面に困るけど。ともかく、間違っても巻き込まれないでね? 

 

 

「は?」

 

 一番騒がしく“なる”? 巻き込まれるな? 

 

「どういう意味だ」

「こっちの広場でルティアたんが出たぞーっっ!! しかもサバさんとやり始めるぞっ、見逃すなーっっ!!」

 

 どこかで、プレイヤーが意味不明な事を大声で叫び始める。

 それに俺と同じくポカンとする大多数の初期装備陣とは別に、その興奮した叫びに呼応するような雄叫びと一部黄色い歓声を上げたプレイヤー達が一斉に動き出して、

 って跳んだ?! 屋根走り出してるっ!? 

 

「なんだなんだ」

 

 なんでこいつらやたらと“動ける”んだ? なんだあの、“始まりの街”にそぐわない機動力は。レベルがあからさまに、それこそ桁外れに開いてるとしか思えねえぞ。

 

「なるほど?」

 

 詳細はまるで分からないが。

 なんにせよ、京ティメットの言う通り、確かに一番騒々しくなったかもな。

 待ち合わせ場所はあの連中の向かった、あっちってことか。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 歓声が高まり、熱気が篭もっていくファステイアのとある広場。

 観衆に、2人の人影が囲まれ、その高速の攻防で砂煙を上げていた。

 1人は両の手に持つトンファーエッジ以外、顔から足先までマントとローブ、マフラーで覆う賞金狩人というゲーム内NPC、ルティア。

 対峙するは顔に傷ペイントをつけた、長躯の偉丈夫の如き屈強な女アバターを操る男プレイヤー、サバイバアル。防具の一切を付けておらず、武具なのだろう鋼の篭手を身に付けるばかりではあった。

 

 ……この戦いの勝敗は決まりきっている。ゲーム内NPCルティアは、明らかにプレイヤーに勝てる調整をされていないのだ。さながらサバイバアルの記憶にいる、ユニークモンスター墓守の某に近しい理不尽な存在がルティアを始めとした賞金狩人達だ。

 

 もっとも、そもそも彼女(ルティア)が現れた時点で負けてしまっていい、主目的は達成された状況ではある。むしろ一部のプレイヤーは「何耐えてんだよサバさーん!!」と思っているほどだ。

 

 だがだからといって、サバイバアルにとってそれはそれ。

 勝てない? だからなんだ。

 すぐさま両手を投げ出すような萎えた根性なぞ、サバイバアルには微塵もなかった。

 

 繰り出される黒い“点”による突き1つ。

 振り回される黒い“線”の薙ぎ払い1つ。

 

 変則二刀持ちとも言える、トンファーエッジを槍や剣のように振るう。合間合間に、顕になる美脚から放たれるは駒の如き蹴りの数々。

 

 そのどれもが、鋭く、早く、重い。

 

 ステータスを一極的に、それこそマッシブダイナマイト(STR最適特化)のような重々しい一撃でこそはない。が、一撃マトモに食らえば瞬殺の気配の篭った攻勢だ。

 

 マトモに食らえば、だ。

 

 本命はこれらを起点にして、後に繰り出さんとする連撃であろう。

 篭手で受ける度、衝撃越しに伝わる言うなれば“熱”の、その冷め具合でハッキリと分かった。

 

「ここぉおっ!」

 

 ならば反撃の択も当然取る。そもそも凌ぐばかりでいるのは、些か癪ではあるのだ。

 ほぼ同時のような2連突きを避け、次いで振るい始めの上下のトンファーエッジを、背中と肩であえて受けるように踏み込むっ。

 大剣スキルの中にある繋ぎの技、タックル攻撃のスキルにより受けた2撃の威力を極限まで抑えつつも、勢いをつけてぶつかるっ! 

 

 ルティアを確かにそれは捉え、宙へと押し上げるように僅かに浮かせた。

 そこへ、タックルのために踏み込んだ脚を軸に、放ち慣れた回し蹴り! 

 

 最上位職業【戦王】を取るまでに至ったサバイバアルの回し蹴り。

 咄嗟に両の手に持つトンファーエッジの柄で蹴りそのものが防がれて。

 

 サバイバアルが瞠目する。

 

 どのようなスキルか、それとも単なる技術か。ルティアは蹴りの衝撃を殺し切り、優しく放られるように上へと跳んだ。

 足を伸ばしきった体勢のまま、頭上を取られたサバイバアル。

 その頭を叩き落とすべく、中空でトンファーエッジを構えていくルティア。

 そこへ! 

 

「おぉっ!」

 

 無理矢理な姿勢で、サバイバアルが自ら跳び込んだ。

 そこはトンファーエッジの最大威力を殺せる至近距離。振るったところで痛打に至らぬと、ならばとルティアは得物を留めて、その巧みな蹴りで迎え撃とうと動くっ。

 それよりも! 

 サバイバアルの身に深く沁みたその得意技が放たれる方が、僅かに早かったっ。

 

 滅茶苦茶な体勢から、されど、ルティアの()()()()()()()()カカト蹴りが放たれた。

 ──彼は壮絶な痛みを伴うとある孤島(ゲーム)における攻防で、上空からの奇襲に対し、対空ハイキックによる迎撃を得意としていた。それは幾多の曲者の顎を的確にカカトで砕く事で一撃に仕留めた、サバイバアルならぬバイバアルの妙技である。なお現実におけるカウントは枚挙に暇がないので割愛する。

 

 寸での差で迫る蹴撃。それも人体の急所狙い! 

 

 堪らずルティアは、しかしそれすらも防御する。

 だが今度こそ、その衝撃をマトモに受けてその体が傍目は撓むようにしなり、弾けるように飛ばされた。

 

「わたった」

「ちょぅお」

 

 吹き飛んでくるルティアから、人混みが波打つように逃げる。生まれたその荒波の間を、二転三転と転がって。

 勢いを抑えきり、軽やかにルティアは降り立った。

 

 ダメージはさほども無い。

 

 開いた距離を詰めるべくルティアが駆け出す。

 腰を落とし、不敵な笑みを浮かべたサバイバアルが迎え撃つように手を広げる。

 

「さすがだサバさんあのルティアたんにカマすなんて!」

「なんてことをっっ!! ルティアたーん!! 無事か──!」

「コイツ! ってかどう見てもあれ無事だろ」

「サバさんを責めようってか? ん? 暗いとこ行く?」

「あ゛あ゛? ルティアたんを心配して何が悪い??」

「過激派と過激派だ逃げろっ」

 

 防戦一方だったサバイバアルの明確な反撃に周囲が湧いた。もっとも、集中する2人にそれは聞こえないまま、さしたる間もなく再び接敵する。

 

 大きく吹き飛ばされたルティアは、しかし変わらず淡々とした在り様だった。

 殺意は感じるが、やはり“熱”はなく。

 ならばと、サバイバアルが仕掛けた。

 

「使っていくぜ」

 

 戦闘開始の焼き直しにはしないとばかりに、スキルを切る。

 攻撃力だけではなく、機動力、耐久力、技量。

 前線を貼るに相応しいスキルを次々と起動していく。

 戦意を漲らせるサバイバアルに対して、ルティアはさしたる警戒の色も見せずに攻め入った。

 

 トンファーエッジも蹴り技も、全てに虚実を織り交ぜた連撃。攻撃後のサバイバアルの立ち位置までも計算しつくされたそれは、確かに早い。

 やはり鋭い。

 そして重い、

 

「はっはーっ!」

「……っ」

 

 だが! 

 こうやって、受け止めてしまえる程度には、本命でもないこれら起点の攻撃は“弱い”っ! 

 

 両の手共に叩きつけんと振るったトンファーエッジをサバイバアルは渾身で掴まえた。

 反射的に引き抜かんとするルティア、刹那、その力を利用して沈み込むようにサバイバアルが懐へ潜る。

 

 サバイバアルが腹部に頭突きのようなタックルを入れる、寸前、ルティアの膝が懐に迫る不埒者の顎をかち割らんと跳ね上がる。

 

 ──()()()()っ! 

 

 サバイバアルの口角が上がる。驚異的な反射で反撃が来るだろう、とアタリをつけていた通りだった。

 

 その脚をこそ狙われていたと気付いた時には、ルティアの視界が回っていた。

 跳ね上がってきたルティアの膝を、その足を、しかと両の手に捉えて抱えるようにし、サバイバアルが軽く跳んで身を捻ったのだ。

 

 空中でルティアの脚を抱えたまま、地面にこのまま倒れようものなら完全にその脚をキメる腹積もりのサバイバアル。

 何をされたのか分かったがどんな技なのか分からないルティアはしかし、このままでは脚を持っていかれる危険性を察した。

 

 トンファーエッジが2つ共閃き、石床を粉砕して地面へと突き立った。

 そしてすかさず回転するっ。

 

「ぬ、ぉあっ!?」

 

 サバイバアルを脚に引っ付けたまま、トンファーエッジを起点にして逆立ちのような体勢でルティアが風を巻いていく。

 

 瞬く間に、魔法のような旋風を巻いた。

 

 石片が多数飛び散る。周囲の観客から悲鳴が上がる。

 回り出した瞬間に脚を捻り壊そうとしたが、あまりの勢いに力を入れるどころではないサバイバアルは、次いで直感に従い、もはやしがみついていた脚を離した。

 慣性に従い吹き飛ぶように落ちるも、吹き荒ぶ石片から顔を守りつつ中空で体勢を整え着地する、直後。

 

 遠心力を多大に載せ振り下ろされたルティアの脚が轟音を起こし、土煙を立ち昇らせた。

 あと半秒離れるのが遅れたらどうなっていたのやら、と、サバイバアルは考えて笑った。

 

「こっわ……──む」

 

 淡い粉塵が立ち込める最中、サバイバアルは確かにその眼差しを感じ取った。

 肌を焼くようなそれ。お前を殺すと宣告するかの如きそれは、──求めていた“熱”だ。

 フードとマフラーの隙間から微かに、サファイアに似た双眸が滾るように輝いているっ。

 

 何かしらのスキルエフェクト……! 

 

 そう理解すると共に警戒レベルを最大値まで引き上げ、防御系スキルを幾多と発動する。

 

 ──備えやよしっ。未だ何をしてんのか知らねえが。来てみなルティアたん、今日こそあっ……! 

 

 次の瞬間には、サバイバアルの身体は両断されていた。

 

 

 

 

 …………

 

 

 

「……まさに追加戦士っ! くくく、我が事ながら恐ろしい、いや本当に恐ろしいのは着こなすルティアたんこそ、か」

 

 着せ替え隊が御用達にしている、ファステイアにある【蛇の林檎】店内にて、サバイバアルは恍惚としていた。

 次々と届けられる同士達からのルティアの盗撮(スクショ)。その姿はフードこそ被って顔は見えないが、……胸に大きなリボンを着けた赤と黒を基調とするフリルの多めのジャケットと黒いスカート姿となっている。

 どこかの特撮物に出てきそうな魔法少女、あるいは美少女戦士的な衣装に身を包んでいるルティアを、しばらくの間、様々な角度から撮られた画像群を一頻り眺めて。

 

「うーむ。やっぱ視界補正系とる、とすっとレベルダウンしねえとー、や、でもそこまですんのもなんかなあ……」

 

 PvPを手段とするクラン【ティーアスたんを着せ替え隊】において、時間切れ、と認識されているルティアの何かしらのスキル。いかに戦闘を続けようとも、彼女のあの目が輝いた直後には須らく真っ二つにされてしまう。

 

 サバイバアルは、いったい何されてんだあの時、とぼんやりグラスを傾けていた。

 なお、キルされたばかりで所持金はもはやない。飲んでるそれは、リアル志向の徹底的なシャングリラ・フロンティアならではの、顔馴染み故のツケであった。

 

「いたいた。やっぱりここでくだ巻いてる」

「んあー? なんでえ、まだいたのかよ京極。待ち人、待たなくていいのか?」

 

 馴染みのある声に振り向く。

 和装に太刀を佩いた女侍といった様相のプレイヤー、京極、その『極』の読みは『アルティメット』という中々奇抜なプレイヤーネームの女性がそこにいた。かつてサバイバアルが所属していたPK専門のクラン【阿修羅会】の同輩である。

 待ち人とやらと遊ぶためにカルマ値を精算してまで今日に備えていた、と。待ちぼうけてる京極を見付けてそんな話を聞いたのだが。

 

「ああ、それなら」

「悪いな京ティメット、1つ聞きたかっただけなんだ」

 

 その問に対する返答はなかった。京極を京ティメットと親しげに略し、その後ろからぬっと二人の間にクチバシから割り込んできた見慣れぬ輩にサバイバアルは眉をしかめ、そのプレイヤーネームを見て──目を見開いていった。

 

 指は自然と、顔につけた傷ペイントに触れていた。

 そこに秘めた、冷めぬ“熱”を思い出した。

 

 今でこそアトバードとの再会があって、サバイバアルの中では1つ落ち着いた所はあった。だが……不意に、有りもしない傷を夢にまで見て臍を噛むのだ。VRゴーグルを睨めつけて、次いで()()()()()を起動して。

 ただただずっと、日がな一日。

 全てが閉じられた孤島に立つこともしばしばある。

 

 もう会うことはないと思っていた。

 会おうとして会えるものではないと。

 会ったところでどうすると己を自嘲したこともある。

 

「はじめましてサバイバアル。ナイスファイトだった。

 で、だ。一個だけ聞かせて欲しい事があるんだ。それが聞けたら俺はとっととここを出るからさ」

 

 だが、確かに今、()()()を感じる。

 その眼差しに、その中に籠もったあの“熱”を感じる! 

 コイツだ……! コイツだっ!! 

 

「俺は「μ鯖」のサンラクだ。

 お前は「φ鯖」のバイバアルか?」

「──ッマッジかよ、おい……っ!」

 

 それから数秘後、蛇の林檎を震わせるくらいの哄笑が響いた。

 

 

 

 

 


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