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「結局ペンシルゴンは何でわざわざお前もサバイバアルも呼んでるんだ?」
「さあぁねぇえ? 着けば分かるさぁぁ……っ!」
ラビッツからサードレマへとエムルを伴って移動。そこでほぼ同時刻にログインした京ティメットと合流できたのは、こうしてサードレマを歩いてみると正直助かった。
ファステイアは広場がやたら多すぎて迷ったが、サードレマは単純に広すぎてまた迷う所だった。
「うううぅっ……。諸共なんてよくも。ぼくの、ぼくの3日間をよくもこのサンラクゥ……」
なんてウジウジしてる幕末の
スムーズに和やかに、俺達は目的地、待ち合わせ場所の蛇の林檎(inサードレマ店)に到着できた。
「はいはい到着到着、と」
扉を開けば直ぐに店内ホールで、先に到着していたらしい面々が5人掛けの丸テーブルに座って待っていた。
なんでか苦い顔のペンシルゴンと、何を考えたのかやたらとあざとい女性アバターになってるカッツォ……オイカッツォって今度は追い鰹かよ。
「先に来てた──か」
その2人、と……ん?
ん?? んん??
「ようサンラク。始めたてのくせに、派手にやってるらしいじゃねえか」
手を挙げて俺を気さくに呼ぶ女性アバターからのひっくい声。傷ペイントを貼っつけた顔で男らしく笑ってるヤツの名前は──サバイバアル……だ?
ま、間違いなくサバイバアルだ。でもなんだその、着てる、服、いや装備? 装備、だろうけどなんだその、どうみても……
「なんで
「
「だろうって言われてもなあ」
いわゆるビキニアーマー姿でそんなドヤられても……。
「備えって何の備えでビキニになるんだよ」
「ほお!(半音上がった声)なんだよサンラクそんなに気になってそーんなに聞きてえんじゃ仕方ねえ、初心者のお前さんにこの俺が言葉を尽くしてこの完っっ璧な一張羅を、そうして俺のオアシスであるティーアスたんを語ってや」
「いやいい、いらんいらん」
鼻息荒くして語ろうとしてんじゃねえよ。正直あの孤島でのお前からは全く想像つかないあり様はすんげえ気になる……が、面倒くさそうな気配からは逃げるに限る。
「京……極さんはシャンフロでも名前それなんだね。それなりに久しぶり? かな」
「……あ、カッツォってやっぱりカッツォさんか」
「そ。俺は
「りょーかい。おっしゃる通り、僕はここでも京極。よろしくカッツォ……あっちもやっぱりまだやってるの?」
「なんだかんだね。過疎ってる割にオンした時には新しいコンボ開発されてたりするからさ、中々いい刺激になるんだよ。そっちはサンラクとまた来たりしないの?」
「全身の関節が回転してすっ転んだが最後延々と転がり続ける格ゲーはちょっと……」
まだ何としても語りたそうなサバイバアルを他所に、京ティメット共々席について。
京ティメットは隣のカッツォに声をかけられて便秘のモドルカッツォとようやく合致したらしい。ゲームの容姿は統一する派からしたらピンと来なかったか。俺はそもそも、
アイスクリーム(餓えたホームレスがラスボス)とか、
ガゼル(ライオン一強対抗馬ゴリラのアニマル格闘ゲー)とか、
カブトムシ(小学生から逃れる極限脱出ゲーとかいうDLC)とか、
色々なアバターを操作するから統一感とかなにそれ? って訳だが。
カッツォもカッツォであっちこっちで見た目全然違うしな。そのゲームエンジンから自分で操作するキャラの最適解でアバター作ってるっぽいし。
「や、2人とも。で、まだなんか話したそうなサバイバアルくーん? この場でこれ以上は私が話させないからネ?」
「あ、僕からも同じく。どうしても話したいなら他所でやってよね」
「かーっ。揃いも揃ってロマンが分からねえ女共だこと」
「ふん」
「おいおい……」
訳が分からないが女性陣2人からしたら地雷な話題なのか? 京ティメットからは中指立ててまで止められて不貞腐れてらサバイバアルのやつ。というか京ティメットお前それもしかしなくても俺の……間違っても龍宮院の家で、特に國綱さんとかの前でやるなよ……? ガチで。
しかしそれにしてもサバイバアルもなに? 何だ、何があったらビキニアーマーを一張羅なんて言う事になるってんだ?
あの
「いや
「おい」
「半裸に
「やめろって」
だいたい街中で水着それも露出度高いビキニ姿と、ただの半裸ならどっちかっていうと俺の方がマシだろ! 五十歩百歩? 少なくとも五十歩は俺だから百歩も逸脱してねえから。
「というかそっちだって人のこと言えた
「人の面でもないヤツから面のことを言われたくはないかなあ」
「そっちだって人のこと言えた面かよカッツォ」
「わざわざ外してまで言い直すのそれ」
そしてへい俺の首元の
「鳥面は仕方ねえから着けてんだよ……」
被り直す。
あーあ。半裸を強制されてて被り物で誤魔化すしか、ろくな格好できねえんだよなあ。まったくそれもこれも、あんのくそ犬のせいだ! シャンフロやるとなると毎回カウンターを回すようだ
俺も防具ワンセット装備してあの防具のこのスキルとあれとがさ〜、とかなんとか言ってみてえなあシャンフロで……。
「仕方なくって言いながらどうせネタに走ったんだろうに。ま、この辺で止めといてあげるか。
「ピースしろよカッツォ。『材料です』ってスクショ魔境に投げ込んでやるからよ」
「この
「はーんっ? やるってのかニュービー!」
「似たようなもんだろ1日程度で先輩面かあ?!」
「ふっ」
俺レベル30。
っ……25。
「ザッッッコ!!」
「ちぃぃぃっ!!」
「はいはいそこまでにしときなよそこのドングリ君達。ま、ゲームだから人それぞれの遊び方もあるよねって事で君らのどうでもいい話は
「王族だろうが所詮NPCでしょ? なんつって釣餌扱いできるような振り切ったヤツは、やっぱりどうして泥沼みたいに懐が深いよなあカッツォ」
「アバターが潰れる音をフルーティなんて信じ難い言葉で評して陶酔しちゃうようなヤツは、やっぱりどうしてタカが外れた感性だなって感心するよねサンラク」
「よぉーっしお姉さん猛烈に初心者狩りがしたくなっちゃったぞぅっ! さあ2人とも、私なりのゲームの楽しみ方を、レベルカンストの暴力をたっぷりとお外で教えたげよーかナ? ね?」
はっはっは。
「上等だお外に出たら円卓か幕末にでも来いよ遊んだらあ!」
「そのカテゴリのゲームで言うなら便秘でも俺は構わないよ」
「どれもクソゲーじゃんかってそうじゃなくてシャンフロの話っ。ログアウトをお外なんて言いませんー!」
「お前他所でもそんなエグいことしてたなのな、驚きはねえが。んで? シャンフロでケンカするってんなら俺も噛ませろや、なあペンシルゴンよう?」
「そういうことなら僕も僕も。ちょっと直近のペンシルゴンには色々と思うところがあってね。実は今も。果たし……メッセージでもそういうお話したばっかりだしい? ね、ペンシルゴン」
「オーケィオーケィ君達寄って集って
お前好きじゃんそういうの。
されるのはきらいですー!
「で?」
「ね」
「「俺達なんで呼ばれたの??」」
「トップクランにでも喧嘩売るのか? それとも城攻めでもすんの??」
「あ、俺はサードレマ落とすとか言うのはもうちょい待って欲しいかなあ」
「はあぁ、まったく君らはさぁ……。……ぶっちゃけると、ユニークモンスターこの5人で倒そうって話だよー」
「なるほど──え」
「は? ──ってユニークゥウ……ッ!?」
「……(3外道の絡み、主にサンラクとペンシルゴンの気安い雰囲気に思う所のある顔)」
「……(阿修羅会では見た事ない、弄られる側の珍しいペンシルゴンにニヤニヤしてる顔)」
このまま話を続けたかったけどどうにも長くなるので、えいやっとぶった切り。その辺は何かで供養として載せるか……
ユナイトラウンズをサハイバアルにわざわざ買わせるという選択肢あると思えず、円卓だと5人集まれないのでシャンフロでお話し合い。ここからの展開は原作の説明会プラスα(サバイバアルと京極の補足)って具合。