もしもの話だから・・・この前書きは飛ばしてもらってもいい。
だが、興味をそそられた読者諸君なら読み進めているだろう。
だからこそ、聞きたい。
もし、君の前に八雲 紫が現れたとしたら・・・どのように対処するのが正しいのだろうか?
ある日のこと・・・夢での話である。
「あなたは・・・妖怪を信じるかしら?」
「妖怪?まあ・・・河童、狼男とかなら信じるが・・・」
金色の髪を長く伸ばした胡散臭そうな女性がそう投げかけてきた
怪談、怪奇現象が好きだった俺はそう答えた。
「なら・・・妖怪と人が共存する世界に興味はあるかしら?」
あまりにも突然すぎる質問に答えに詰まりかけた。
「どうかしら?」
再度、念を押すようにして訊ねられた。
「・・・信じる」
悩みぬいたが答えを出した。
「そう・・・なら、妖怪と人間の共存する世界・・・幻想郷に来てみないかしら?」
「・・・考える時間は?」
「与える気はないつもりだったけれど・・・」
俺は迷っている。
「その様子だと・・・すぐには答えを出せそうにないわね。」
時間の猶予はもらった。
「二日後にまた来ることにするわ。」
時間に余裕はあまりないらしい。
「二日後、あなたが答えを出せなかった・・・その時はあなたの命は・・・その時までと思って頂戴」
おまけに命まで余裕まで無くなった。
「それでは・・・二日後にまた会いましょう。」
そう告げると胡散臭い女性は空間に裂け目を作り消えていった。
夢はそこで終わりを告げて朝日が窓より照りつけてきた。
あれはただの悪い夢だったのだろうか・・・。
二日間の間、そのことがずっと頭を離れずにいた。
そして、幻想郷。
俺はその言葉を知っていた。
二度行ったことがあるが・・・二度とも別の人間としていた。
そして、今、俺は誰でもない・・・島崎義直として幻想郷に向かおうとしている。
忘れられたものの集う場所、幻想郷。
そこに向かうことは全てを捨てるといっても過言ではない。
俺は・・・・・・・
親、兄、友達、過去にタイムスリップして出会ってきた人々を・・・
全てを捨てて、行く覚悟があるのだろうか。
嗚呼、このようなときにすぐに答えを出すことができる人が羨ましい。
どうして、人の関係を容易く断ち切ることができるのだろうか?
どうして、そこまで幻想郷という世界に憧れるのだろうか?
どうして、俺はこんなに悩んでいるのだろう?
今夜は、相当眠れそうにないな。
「こんばんは、こうして会うのは初めてかしらね?」
そうして、2日過ぎ、夜更けになった。
目の前の空間が裂け、夢に現れた女性が顔を出した。
「答えは決まったかしら?」
俺は、閉じていた目をゆっくり開いた。
「・・・・・」
並大抵の人物にはとてもできないような鋭き眼光が俺を見据えていた。
「俺の答えは・・・Yesだ。」
「そう。」
目の前の女性はそれだけ告げて、口を三日月のように曲げ
「私は八雲 紫。ようこそ、幻想郷へ。」
そう告げたのだった。
お久しぶりです。大学生になった八意暮葉です。
恋姫の小説・・・手詰まりになって気分転換で書かせてもらっています。
気分転換なので連載小説ですが、更新は恋姫の方を優先するのでこっちは遅くなります。
それでも良ければこの東方の小説もよろしくお願いします。