三年生か…。なんやかんやここまで早かった気がする。
いや、何事もそんなものだ。振り返れば全てがあっという間に感じる。三年生になっても何も変わっていない。戦車は相変わらずⅢ号だ。そういえば、車長が変わった。前の車長は三年生に上がるタイミングで転校してしまったらしい。理由は、親の都合らしいが…。
昨年度末のテストの結果が帰ってきた。…ああ、だめだな。判定がEなのは先生がほとんどそうなると言っていたのでまだ良しとしよう。問題は合計点だ。900点中300点も取れていない。いくら馬鹿でも、大学調べをまともにしていなくても、これがヤバイというのは流石にわかる。だからといって勉強をするのか?否。やはり勉強などしない。
私は勉強が嫌いだ。やりたくない。じゃあ、戦車道の成績は?もちろんこれもだめだ。三年生にもなって未だにⅢ号なのを考えれば納得だろう。最近は肩身が狭い。チームのメンバーが、やけに成績を伸ばしたり、そのために勉強しだした。どうしたんだ急に。人間そうそう変わるもんではないぞ?現に私はずっと変わらず勉強が嫌いだから勉強なんてしないし、戦車道の成績だってそんなに高くない。おかげでやりづらい。
やりづらいといえば、車長の話まで戻して…。この車長がなんとも嫌なやつだった。Ⅲ号戦車の車長になったのが嫌なのか自分たちによく皮肉を言う。おかげでこっちは影で愚痴を言わないと気がすまない。だが、このとき初めてちゃんとチームメイトと交流を持てたような気がする。その点に関して言えば感謝するべきかもしれない。嫌だけど。
今年の新入生にはこれと言って特別なやつはいなかった。今年の隊長は去年に引き続き西住まほ。副隊長は逸見エリカと言うやつ。あれ、妹はどうした。「妹どうしたんだろう。」というと、またチームメイトからなんで知らないだこいつ、とでも言いたそうな顔で「なんで知らないの。」と言われた。だから仕方がないじゃないか、知らないんだから。逆になんでお前らは知ってんだ。どこで知った。というか、車長にくっそ煽られたんだが。はぁくっそうぜぇ。頼んで轢き殺してもらおうか。
で、話を聞くことには転校したそうだ。理由は…まあ、多分去年のことだろう。
はい、そして全国大会。今年は三年生なので全員参加で自分たちもでる。何気に初の全国大会だ。浮かれてしまって、なんかできる気がした。
さて、その全国大会だが流石は全国大会。やることが多い。装填手なので何も考えずにただただ砲弾を詰め込めばいいだけなのが幸いだ。砲手とか、操縦手とか大変だと思う。それにしても新しいこの車長下手くそだな。テンパり過ぎて指示が飛んでない。まあ、自分なんかができるわけでもないのでとやかく言えないが。おかげで決勝戦まで進めたがそのすべての試合で序盤で脱落した。一両も倒せず。ただただ速攻でやられた。
やっぱりこんなものか。自分たちの実力は。なんか申し訳なく思ってきた。何もしていないのに決勝戦まで進んでしまった。決勝の相手は大洗女子学園というところ。「どこ?」と聞いてみるが驚くことに他のメンバーも知らないらしい。どこからか噂話が耳に飛び込んできた。相手校、なんと西住の妹の転校先らしい。ほー、と思っいながら試合の挨拶に並ぶ。ここからではよく見えない。挨拶をしてさあ、乗るかと思った矢先何か前方が騒がしい。聞き耳を立てたがよく聞こえない。諦めてさっさと乗った。
試合もそこそこに、幸運にも自分達はまだ生き残っている。更には相手をマウスの前に引きずり出すというなかなかな役目ももらった。絶賛相手を誘っている最中だ。ここを曲がればマウスの前に出る。
よし、これでいいだろう。役目も終わり一段落。フゥーっとみんなで息をつくと車長が相手をおちょくりだした。操縦手に命令を出してマウスの横に出る。何やってんだと思えば当然のように相手の砲弾が刺さり白旗が上がってしまった。何だこの車長。本当に迷惑しかかけんな。馬鹿じゃないのか。
試合は負けた。試合後早々に、片付けが終わり教官のお小言が始まるまでまだ時間があるので自販機に行こうか。行く途中で隊長が誰かと話してるのを遠目に見る。相手は、妹だ。笑っている。はぁー、よくもまああんな笑顔でいられるなあ。こっちは負けてんだ。まーた、怒られるんだ。ああクソ。なんでこんなことに…。ハア、黒森峰に入るんじゃなかったなあ、と今更ながらに後悔するが時すでに遅し。黒森峰生活も一年を待たずして終わるのでもう、このまま突っ走るしかないだろう。
案の定教官がブチ切れた。二年連続準優勝だからだそうだ。それに無名校に負けたのが一番気にくわなかったらしい。はぁー、くっそ。もう嫌になる。
全国大会が終われば三年生は戦車道を引退する。これを期に全員が勉強に打ち込み始める。メンバーも例外なくみんなが勉強に打ち込み始めた。自分はそんなことないが。むしろ、三年生になった今高校生活史上一番の倦怠期に入った気分で一番勉強のやる気が出ない。宿題にも取り付く気になれない。最近口癖が『帰りたい。』から『行きづらいなあ。』に変わった。
先生からよく受験生になれ、という言葉がかけられるようになった。ようは勉強時間を増やせだそうだ。平日八時間、休日十時間やれだそうだ。はあ?できるわけ無いだろうそんな時間。ゲームですら三、四時間が限度だ。そんなことができるなんて人間じゃない。でも、クラスメイトは全員それができているらしい。最近はクラスの話題が勉強ばかりになって居心地が悪い。来年大学受験を迎える。来年の今頃何しているだろうか。
なんとか生きていることを祈るばかりだ。
この小説は、これでおしまいです。主人公は自分をモデルにしています。そのため、主人公の心情も自分基準です。
今絶賛受験生なのでこれ以降のお話に関しては自分がどう思うかわからないので書くことができません。
そういえば完結させたお話はこれが初めてになります。初めて完結させたお話がこれなのは少し思うことがありますが、まあ自分をモデルにすれば書きやすいので当然かもしれません。