孤独の鎌鼬~転生先と肉体が最悪だけど特典生かしてどうにか頑張る~ 作:一般通過デモゴルゴン
文字数は・・・察してください。
情報整理が済んだところで、何かアクションを起こさねばと思った。
今朝の発狂からずいぶん時間がたっており、すでに日が傾き始めている。
(とにかく飯だな・・・)
とりあえず腹を満たそう。
現状の能力がどれほどの物かも確認しておきたい。
そう思い立ち、俺は最初の目覚めたエリア1番に向かった
・・・のだが、俺の寝ていた場所が明らかに変である。
(血だまり・・・?)
ずいぶん時間がたっているため錆びたような色になっているが、間違いなくあれは血痕である。
しかし、なぜ俺のいた場所に血痕があるのか全く分からない。
まあ、今気にすることではないのだが。
ドス系と言ったら、取り巻きの群れとともに行う高度な連携である。
こいつを存分に生かさせてもらおう!
眼下にはガーグァが三羽。
最低でも一匹は確実に仕留められるだろう。多分。
俺は首を持ち上げ、天高く吠えた!
「グルァァァアアア!!」
群れを呼ぶときの吠え方はなんとなくわかる。
この肉体が教えてくれる。
今の咆哮でガーグァが逃げ出しそうになっているが問題はない!
(さあ、来い!)
結局自分で仕留める羽目になりました☆
~~~~~~
(さ、散々だ・・・)
まさか群れが一匹たりとも来ないとは・・・
いったいどうなってんだ?さっきのでっかい血痕が関係してんのか?
要調査だな・・・
(取り合えず、飯だな・・・)
俺は自力で仕留めた一羽のガーグァにかぶりつく。
この世界は弱肉強食なのだ。仕方がないのだ。
などという感想は一瞬で消しとんだ。
「キューー・・・!(うんめぇ・・・!)」
えっ!?ナニコレうっま!!
人間の食事で言うなら焼き立てジューシーの鳥の丸焼きにかぶりついた気分である!
なるほど、ジンオウガさんの好物になるわけである。
(これならいくらでも食えそうだな!)
そのまま俺は黙々と食事を進め、”骨一つ残さず食い切った”。
まさか骨まで余すことなく食べられる生物が存在していたとは思わなかったぜ。
おなかも舌も満たされたところで、さっそく血痕の詳しい調査に向かう。
(間近で見るとキッツイな・・・)
周辺をしっかりと見回すと、周囲に比較的小さな血痕がいくつか残っている。
位置的に俺はでかい血痕の中に倒れていた。ということは、周辺の小さな血痕が示すのは・・・
(多分だが、群れが壊滅したんだな)
ほかの小型モンスターを蹂躙した可能性もなくはないが、オサイズチにそんな大層な力などないと思われる。
となれば、消去法で元々のこの体の持ち主が率いていた群れが何者かによって壊滅させられたと考えるべきだ。
(爪痕っぽいものも見当たらないし・・・ハンターたちの仕業と考えるべきか?こっわ・・・)
さすがモンスターなハンター。この程度はお茶の子さいさいということである。
まあ俺自身はそこまで目立とうとは思わないので、向こう側の身勝手な都合のない限りは目を付けられないだろう。
【ガーグァの捕食により あなたの速度が 1 上昇しました】
「・・・!?」
突如、頭の中に浮かぶ文字列。
まるでRPGのレベルアップのような文章に、俺は驚愕していた。
まさか、これって・・・
『悪食』の効果か!?
(感謝します!もう一人のほうの神様!)
ただ単に何でも食える能力かと思っていたら大間違い。
使える使えないどころか立派にチート能力だった!
しかもおそらく、鉱石や野草を食べてもステータスが上がる。
どのステータスが上がるかは不明だが、その辺りはおいおい調べていけばいいだろう。
この広大で無慈悲な大自然の中、おれは同じ生活を繰り返し朽ちていくのみだと思っていた。
だが、こいつのおかげで光明が見えてきたのだ。
(まだ、成り上がれる・・・『悪食』をつかいこなせば、この一帯の主も夢物語じゃない!)
目指せ!テンプレな異世界チートライフ!!!
とりあえず今日は休みます。おやすみ・・・
勘のいい方はお気付きだろう。
そんなうまい話があるわけがないと・・・