東方寒停録   作:missing0326

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玄武の沢はいいところ②

ようやく文から解放された。

あれは取材じゃなくて尋問だ。

なんか勢いで色々と言ってしまったが大丈夫だろうか。と今更心配になる。

まあ、彼女は情報の扱いが上手い。今回も上手く使ってくれるだろう。

 

そして、なんだかんだもう昼時である。

 

という訳で玄武の沢・3分クッキングの時間である。

この辺は林になっているし、マッチはあるので火は大丈夫。

次に、私の料理の腕だが、長いこと一人暮らしなので大丈夫だ。

しかし、食材がない。ここが問題だ。一応緊急用の乾燥食品(自作)はあるが、あれは調理は簡単だが、作るのが大変だし不味いので却下。

その辺で獣を狩るのは、食べきれないし、面倒なので却下。

川で魚釣りは、釣具がない。

 

...釣具はないが、火薬がある。

......閃いた。

 

「ダイナマイト漁の時間だ」

 

 

 

 

 

 

 

適当に作った梱包爆薬を、心の中でにとりに謝りながらブン投げる。しばらくするとデカい水柱が上がり、食材が現れた。みんなは真似しちゃダメだぞ。

ちなみに、河童は川の環境に厳しい。以前、土蜘蛛に川を汚されてガチギレしていたのを見たことがある。つまり、これがバレたらタダじゃ済まない。彼女には水鬼鬼神長が来て仙人とバトってたとでも言っておこう。

 

 

 

 

 

 

「調味料は...まあいいか」

 

火にくべられていた本日の被害者である鮎を食べる。

素材の味そのまま、薄味だがなかなかイける。

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで本日の目的地に到着した。

 

「やあユキ、例のブツはもう完成してるよ!」

 

なんか物騒な事を言って現れたのは盟友、河城にとり。

彼女は河童で、私がだいぶ前に山篭りしていた時に仲良くなった。彼女はエンジニア気質で、そこで意気投合したのか、今では盟友と呼び合う仲だ。

ちなみにユキとは私の事らしい。私の名前である雪嵐(せつらん)の雪から取ってユキ、らしい。

 

その隣で将棋を差していたっぽいのは犬走椛。

この妖怪の山に住む白狼天狗だ。いつもはこの辺の哨戒をしているのだが、今日は非番なのだろうか。

 

「これは、邪魔だったかな?」

「いえ、気になさらずに。冬美さん」

 

相変わらず堅い受け答えをする椛。

真面目なのは椛の良いとこだが、真面目過ぎるのもどうかと思う。前にも、私を呼ぶ時は冬美さんじゃなくて、ユキと呼んで欲しいと言ったのだが、まあそれは叶わなかった。

その真面目さを他の奴らにも分けてやってほしい。文とか。

 

「今日は珍しく遅いじゃないか、もう昼過ぎだよ? いや、私は大丈夫なんだけどね」

「いや、本当は朝に来る予定だったんだが、さっき文にに会ってね、ちょっと取材ってのをされた」

「何やってんですかあの人...」

 

そう言って顔をしかめる椛。文と椛は上司と部下という関係ながら、あまり仲が良くないらしい。まあ仲が良くないと言っても、本当に嫌い合ってる訳でもなさそうだが。

昔はそうでも無かったんだけどなぁ。

 

「取材って、何について?」

「博麗大結界のことでね、そういえば椛も例の義勇軍に参加してたか?」

「はい、まああの人の部下ですからね、参加せざるを得ませんよ」

 

天狗社会はバリバリの縦社会なので上司が変わり者だと色々と大変、らしい

 

「まあ、別に悪いものでもないですよ。おかげで今日からしばらく休暇ですしね。さっき、哨戒中に文さんが来ていきなり、今日からしばらく貴女の隊は非番よ。って言われたんですよ。何故かはよく分かりませんが」

 

おそらく彼女らの部隊を義勇軍とする処理の最中だからだろう。流石に普通に仕事中の奴らを義勇軍と名前だけ変えて、は無理がある。

そこで休暇、という名目の一時除隊。という訳だ。

しかしまあ言い訳のためだけに良くここまでやるものだ。

...と、この前酔っ払った文が愚痴っていた。

 

しかし、もうその準備が始まっているとは、幻想郷最速は伊達じゃないらしい。

 

「で、博麗大結界について取材されたって、なにかあったんですか?」

「実は、大結界が張られるのが結構早くなってな、後5年で張られる予定なんだ。それ関係だな。」

「あー、なるほど」

 

意外と反応が薄くい。

文が固まっていたのに対して椛は表情1つ変えない。

 

「意外と驚かないんだな」

「まあ、私は実行部隊ですからね、あっちと違って別になんか大掛かりな準備をしないと行けない訳でもないですし、言われた通り動くだけですから」

 

納得。たしかにそれもそうである。

私的には言われた通り、というのはあまり好きじゃないが。

まあそれはどうでもいい。

 

 

 

 

 

「おーい、にとり」

「...あ、えっと、何?」

 

大結界の話を話してからというものの、にとりは何か考えている様子である。

 

「どうしたんだ?」

「ちょっとね、資材調達のルートを調整しないとなーと思ってね。ちょっと考えてたんだよ」

 

幻想郷内部だけで機械部品の材料を集めるのは厳しく、外部から取り寄せる必要がある。しかし今回の件でそのリンクが途絶えてしまうのだ。

確かにこれは悩みの種だ。それに私もにとりに色々と物を作って貰うので(さっきの銃とか)これはマズイ。

...そうだ、いい事を思いついた。

 

「にとり、いい話がある」

「なになに?」

「私が調達ルートの確保を手伝おうと思う」

「...それは嬉しいけど、手段はどうするの?」

「一応ツテがあるから、それを使う」

 

紫に頼めば、多少の制限はかかるだろうが時代遅れの機械部品位は取寄せられるだろう。

そして、現状確保出来ている部品も見たところ、1、2世代前の物が多いようだ。部品は多少古くて問題ないはずだ。

 

「いやぁ、助かるよ。これでしばらくは安泰だね。

で、そっちの要求は? そうだねぇ、今回のなら結構デカいのでもいいよ」

 

...ノリで言ったからそっちの事を忘れてた。

私的には無償でもいいっちゃ良いのだがにとりは妙に義理堅いので許してくれないだろう。

うーん、でも今必要なものは特に無いな...

 

「あー、まだ案件が無くてな、また今度になる。それに、そのツテも使えるかまだ分からないしな。まあ、今回の話はとりあえずって事でな」

「そっか、分かったよ。期待してるからね?」

 

期待されてしまった。とりあえず今度紫に話だけでも通しておこう。

 

「そういえば冬見さん、今日は何をしに来たんですか?」

 

今日のメインイベントを忘れいた。

 

「そうだった、にとり、例の物は?」

「もちろん。バッチリ出来てるよ!」

 

さすが、仕事が早い。

 

「早速見せて貰ってもいいか?」

「了解!」

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