他の方も何かリクエストがあれば御気軽にどうぞ。
一面の雪景色。
綺麗ではあるがやはり寒い。この場所で活動するのは、寒さに耐性のあるモンスターたちだ。
そしてよく目撃されるのが、アンダイン率いるロイヤルガード、その犬部隊である。
「キャンキャンッ!」
「待つッス!」
(捕まえてやるサ!)
犬は庭をかけめぐる。
言葉通り、雪をものともせずにレッサードッグがイヌッス・イヌッサのイヌカップルとかけっこをしていた。
それを遠巻きに見るのはほねっこジャーキーをキメているワンボーと鎧を脱いだグレータードッグ、そしてグレータードッグを撫でている桃髪の人形だ。
人形の名はレッド。AUの一つ、Undertale:Redから来たロイヤルガードの新米騎士であり、メタトンのように人形に宿った幽霊少女だ。
「今日も今日とて平和だな」
「そうだな。その分、みんな暇だよ……おれもほねっこジャーキーをキメるぐらいしかしてねぇしよ」
「ワンボー……ジャーキーをキメるのはいいが、そこらに捨てるのはやめてくれ。みんな寛容だからいいが、掃除するのも大変なんだぞ」
「一つキメたらもう一ついきたくなるんだ。キメた後のジャーキーに用はねぇ」
「だから掃除する側の苦労をわかれと言っているんだ」
「キャンッ!」
「あ、すまないグレータードッグ。手が止まっていたな」
ワンボーと口論じみた会話をしたことで、なでなでを忘れていたレッド。グレータードッグは一度フンスと鼻息を荒らげると、すぐさま舌を出して気持ち良さに顔を緩ませた。
「まったく、そんなに撫でられるのが好きなのか」
「そりゃあイヌだからな。撫でられるのが嫌いなイヌはいないさ」
「なら撫でてあげようか?」
「おれはほねっこジャーキーをキメるのに忙しいんだ。後にしてくれ」
「後でやって欲しいのか……ん?」
それを見て自分もしてもらいたくなったのか、かけっこをしていたレッサードッグがクルッと方向を変え、レッドへと突っ込んだ。
「ごふっ!?」
「ギャンッ!?」
レッサードッグに潰されるレッドとグレータードッグ。そんなの気にしないとでも言わんばかりにレッサードッグはレッドの手に頭を擦り付けながらキラキラとした目を向けている。
「く…ぐるじ…レッサードッグ…どいてく…」
「キャンッ!キャンッ!」
つい先程までかけっこしていたからか、かなり興奮しているレッサードッグは聞く耳を持たない。
「や、やっと追いついたッス…」
(大人しく観念するサ!)
イヌ故に二足歩行では限度があったのか、息も絶え絶えにイヌカップルたちが到着。二人がかりでレッサードッグを剥がしにかかった。
しかし、ここでなでなでをされないまま引き下がる訳にはいかない。レッサードッグはレッドから離れまいと、大口を開けてレッドの頭を丸かじりにした。
「ムッ!?ムー!?」
「おい!?それは洒落にならないぞレッサードッグ!?」
「やめるッス!」
(レッドの頭が取れちゃうサ!?)
レッドは人形故に生物よりも脆い。HPは犬部隊よりも多いとはいえ、これには堪える。
レッサードッグの噛みつきの恐ろしさは初撃ではない。離れまいと噛み続け、剥がそうと引っ張られることでさらにレッドへ負担がいくことにある。
言うなれば、サンズの
10、5 5 5 5 5 5 5 5 5……
「ムグッ!ムッグー!!」
「離すッス!」
(レッドが死んじゃうサ!)
「おいイヌッスイヌッサ!レッサードッグの頭を撫でてやれ!そうすれば少しは力が緩むはずだ!」
「わかったッス!」
(了解サ!)
イヌカップルがレッサードッグから手を離す。すると、離されまいと込められていた力が噛むことのみに注がれた。
30、1 1 1 1 1 1 1 1 1……
「……!……!!」
「どっちにしろダメじゃないか!?」
「どうするッス!?」
(どうするサ!?)
興奮しきっているレッサードッグはただただ噛み続ける。もはや撫でても意味は無さそうだ。
その時、五人の背後に巨大な何かが迫る。ワンボーは動きで、イヌカップルは匂いで気づき回避。周りの見えていないレッサードッグと物理的に視界を塞がれているレッドは気が付かず……。
「キャンッ!キャンッ!」
「ギャンッ!?」
「ご……」
迫っていた巨大なもの……鎧に頭から突っ込んでいたグレータードッグが二人にのしかかった。
レッサードッグへのやり返しだろうか、それともただじゃれ合うためのマネだろうか。
どちらにしろ、巨体に潰されたレッサードッグはようやく口を離した。
「ヘッヘッ!キャンッ!」
「あー……」
「結果オーライッス?」
(レッドが不憫サ……)
気絶していたレッドは口に大量のシナモンキーを突っ込まれることで覚醒した。
「ワンワンッ!ワンワンッ!」
「興奮するとイヌみたいになるよな」
「子イヌみたいッス」
(子イヌみたいサ)
大好物のシナモンキーを、興奮のあまり吠えながら貪るレッド。すでにレッサードッグは起きており、申し訳なさそうに頭を俯かせている。
「むぐむぐ…レッサードッグ。私は別に気にしていない。ほら、頭をよこせ」
「ッ!キャンッ!」
バッと顔を上げて頭をレッドの手に押し付けるレッサードッグ。レッドが撫でてやると、レッサードッグは嬉しそうに首を伸ばし始めた。
伸びる。伸びる。ぐんぐん伸びる。ありえないほどに伸びる。首どうなってんだってぐらい伸びる。辺りを埋めつくしそうなほど伸びる。
レッドは一通り撫でると頭から手を離した。途端に元の長さにまで縮むレッサードッグの首。モンスターの身体はどこかおかしいものばかりだ。しかし一番恐ろしいのは、それを疑問にすら思わないほどの『慣れ』だろう。
イヌの毛並みを十分に堪能したレッドは、腰を上げ犬部隊の面々に別れを告げると、ウォーターフェルの方角へと向かった。
バッドサンズらの巡回がてらEDEN世界の
イヌたちはまたかけっこに勤しみ、遠目にそれを見て笑うレッド。
地下世界は今日も平和であった。
癒し回を目指したらいつの間にか騒ぎが起きてた。これはほのぼのと言っていいのかわからないな。
しつこいようですが、再びアンケート。やはり他の作品と比べて見られる数も少ないと思うので、どちらかが三票入った時点を締切とします。
……三票も入るだろうか。
リクエストはこちら
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