UNDER EDEN   作:サンサソー

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お久しぶりです。


17. バグる旅人の暴走

移住区では、あらゆる世界から住処を失った存在が暮らしている。その中にはクリエイターが予期せぬことでそうなってしまった者もいるが、自身にとんでもない失敗が起こり何もかもを失った者も少なくない。

 

丁度、眠りから覚め暴れ散らかすこのグリッチのように。

 

「パピルス……お前は幸せになるべきなんだ…」

「あ…ぐぅ……」

 

溶けた眼孔をむき出しにしたサンズが、ボソボソと呟き続けている。その近くに、ベティー・ノワールは倒れていた。

 

「オレレレが怪物かーいー物?か、、か?ハハハははははははハハは!!!」

「この……化け物め!」

「ななんて愉快なと問いだは?ははは、はは、ははは!愉快だ!本当に愉快な問いだははははは!!おまままえもおお、ははハハはっは、おもししろい、なあははは…?」

 

笑い続けるソレはもはや精神が崩壊してしまった旅人。その様を、彼女は気味が悪いと吐き捨てる。

 

彼の名はFatal Error!Sans。エラーサンズが己の過去の存在であるジェノを破壊しようとするも失敗してしまい、強大なグリッチとなってしまった悲劇のサンズ。

 

パピルスを失ったことを壊れた心で受け止めてしまい、感情の歯止めが効かなくなってしまっている。パピルスを復活させるため他のAUからパピルスのコードをかき集めるも、自身のグリッチのせいでパピルスではないナニカとなってしまい、コードの略奪と破壊のループから抜け出せなくなったのだ。

 

「おお前にか彼れれのコードない、ない。もういい死ね」

 

フェイタルエラーと同じように眼孔が溶けたブラスターが数多に展開される。それに赤いエネルギーが充填されていく中、ベティーはニヤリと笑った。

 

「ラブドフォビア……」

「……?」

 

ベティーからピンク色の波動が放たれた。しかしフェイタルエラーには何も起こらない。虚仮威しかとブラスターを放とうとし……彼は気づいた。ブラスターの制御権が自身から切り離されていることに。

 

「死ね!!」

「おお、お、お?、」

 

全てのブラスターがフェイタルエラーへと光線を放つ。凄まじい爆発が辺りを包み込むが、次の瞬間には赤い糸が煙を突き破り空へと展開された。

 

「く…そ……」

「死ぬ。死ぬ、は、ははは、全部、ぜんぶ、ぜーーーーーーんぶ、ははは、死ぬ。死ぬ。死ね、死ね、死ね!!はははははははは!!」

 

ベティーの身体が突然浮かび上がる。その手足に赤い糸が巻きついており、それは空に広がる糸の天幕へと伸びていた。

 

悪寒を感じたベティは藻掻くが、糸は微動だにしない。アクムによって腕を刃物へ変えるも、切っては新たな糸が伸びキリが無い。

 

糸の天幕は触れた者をバラバラに分解しコードにしてしまう。それを知らずとも、ベティーはその危うさを本能的にキャッチできていた。

 

為す術なし。ファスモフォビアによって大量の魔力を使用してしまったベティーに、もはやその攻撃を防ぐ手段はなかった。

 

「はハハ、はははハハははは!」

 

狂笑はとめどなく響き渡る。そしていよいよベティーが天幕へと辿り着くかと思われたその時。

 

「ニェ?おいサンズ!何してるんだ!」

「…………?ナンだ、こノ声。誰だ」

「こっちだ!まったく、これは暴れすぎだぞ!」

「……懐かしい声。パピルス…なのか……?」

 

フェイタルエラーの背後。振り返った彼は目を見開いた後に、顔を残念そうに歪ませた。なぜならそこにいたパピルスは、サンズの上着を羽織っていた。つまりは自分の兄弟ではないからだ。

 

「……………… 彼を救わなきゃ。お前の中にパピルスがいる」

「ニェ?何を言っているんだ!オレ様はオレ様だ!」

「コード、そう、コードだ。よこせ、それを……パピルスを返せ。その欠片をあつああつ集めてて、繋ががぐぐぐ」

「何を言っているのか分からんぞ!サンズ、いったいどうしたんだ!」

「だまれ。喋るな。オレに、話しかけるな。何も、そう何も、言うな。何も。何も」

 

フェイタルエラーの拒絶。そのあまりにも一方的な態度と、見渡す限りの暴れた痕。パピルスは深くため息をつくと、天幕へとブラスターを放つ。

 

「キャッ……」

「離れていた方がいいぞ!これから戦闘になるからな!」

「……チッ。なら後は頼もうかしら」

 

ベティーが下がるのを見た彼は、フェイタルエラーへと向き直った。目を閉じたあと、右目だけを開ける。そこには青とオレンジの瞳が輝いていた。

 

「サンズ!お前は人の話も聞かない大馬鹿者だ。お前にはいいマナーを教えるヤツが必要なのだ!そう!!この偉大なるパピルス様が!!!お前の先生になってやろう!!そしてオレ様がお前に忘れることのできないレッスンをしてやろう」

「……… はは、ははははは。ははははは!これは、これは運命だ!また殺す機会ができた!これは運命だ!殺す機会がまたできた!助けたす助けて、またパパパピルスを作らななきゃ!はははハハは!」

 

フェイタルエラーと別AUのパピルス。その戦いの火蓋がいま、切って落とされたのだった。

 




次回はリクエスト回。
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