《友 side》
イトナは触手で素早く攻撃を繰り出し、殺せんせーはかなりダメージを負っている……!
殺せんせーが床に叩きつけられ、イトナがすかさず追撃……!!
吉田「う、うおおっ……」
村松「殺ったか……!?」
寺坂「いや……上だ!」
寺坂の言う通り、殺せんせーは上に逃げていた。
恐らく、奥の手の脱皮だろう。
シロ「……そういえばそんな手もあったっけか……」
脱皮は殺せんせーのエスケープの隠し技……!
こんなに早く使わせるとは……
シロ「でもね殺せんせー。その脱皮にも弱点があるのを知っているよ。その脱皮は見た目よりもエネルギーを消耗する。よって、直後は自慢のスピードも低下するのさ。常人から見ればメチャ速いことに変わりはないが、触手同士の戦いでは影響はデカいよ」
先程よりも殺せんせーが押されている……!
シロ「加えて、イトナの最初の奇襲で腕を失い再生したね。それも結構体力を使うんだ。二重に落とした身体的パフォーマンス……。私の計算ではこの時点でほぼ互角だ。また、触手の扱いは精神状態に大きく左右される」
……!
あの時……殺せんせーが花壇を荒らしちゃってお仕置きにハンディキャップ大会をした時、触手が縄に絡まって中々抜け出せずにテンパっていた……!!
シロ「予想外の触手によるダメージでの動揺。気持ちを立て直す暇も無い狭いリング。今現在……どちらが優勢か、生徒諸君にも一目瞭然だろうねぇ……」
これ……本当にイトナが殺せんせーを殺るんじゃ……!
シロ「更には、献身的な保護者のサポート……」
また光線が…!!
一同(……!!)
殺せんせーの脚が!!
シロ「これで脚も再生しなくてはならないね……。尚一層体力が落ちて殺りやすくなる」
イトナ「安心した。兄さん、俺はお前より強い」
殺せんせーが追い詰められている…!
あと少し……殺せば地球を救える……
なのに……何故か悔しい……。
周りを見渡すと、皆も悔しそうな顔をしている……。
渚は懐からナイフを取り出し、見つめている……。
悔しいのは……俺だけじゃなく…皆だ。
弱点だって……俺らが見つけたかった…!
シロ「……脚の再生も終わったようだね…さぁ、次のラッシュに耐えられるかな?」
殺「ここまで追い込まれたのは初めてです……。一見愚直な試合形式の暗殺ですが……実に周到に計算されている。あなた達に聞きたい事は多いですが…まずは試合に勝たねば喋りそうにないですね」
シロ「……まだ勝つ気かい?負けダコの遠吠えだね…」
殺「シロさん…。この暗殺方法を計画したのは貴方でしょうか?ひとつ計算に入れ忘れていることがあります」
シロ「無いね。私の性能計算は完璧だから……。殺れ。イトナ」
イトナ「…………」ドギャッ
その瞬間……触手が弾け飛んだ。
殺せんせーの……ではなく、
イトナの触手が。
イトナ「……!!」
殺「おやおや…落し物を踏んづけてしまったようですねぇ」
床に対先生ナイフ……?
周りを見ると渚が持っていたナイフが無くなっていた…
いつの間に……!?
殺せんせーは動揺を隠しきれていないイトナを自分の皮で包み込んだ。
殺「同じ触手なら、対先生ナイフが効くのも同じ。触手を失うと動揺するのも同じです。でもね、先生の方がちょっとだけ老獪です」
殺せんせーはイトナを窓へと放り投げた。
皮で守られてるとはいえ、痛いだろあれ……。
殺「先生の抜け殻で包んだのでダメージは無いはずですが、君の足はリングの外に着いている。先生の勝ちですねぇ…。ルール通りなら君は死刑。もう二度と先生を殺れませんねぇ」
イトナ「…………!!」
殺「生き返りたいのなら、このクラスで皆と一緒に学びなさい。性能計算ではそう簡単に計れないもの。それは経験の差です。君より少しだけ長く生き、少しだけ知識が多い。先生が先生になったのはね。
シロ(まずいな……イトナは大の勉強嫌いだ。勉強嫌いの子供に対して説教すれば、
イトナ「勝てない……俺が……弱い……?」
友「黒い触手……!」
前原「やべぇ!キレてんぞあいつ!!」
イトナ「俺は強い…!この触手で誰よりも強くなった!誰よりも……!!……ガアッ!!」
イトナは殺せんせーに飛びかかった…が、
『何か』がイトナに刺さりいきなり倒れてしまった
麻酔弾……!
シロ「すいませんね殺せんせー。どうもこの子はまだ登校できる精神状態じゃなかったようだ。転校初日で何ですが、しばらく休学させてもらいます」
シロはそう言ってイトナを担ぎ、教室から出ていこうとする。
殺「待ちなさい!担任としてその生徒は放っておけません!一度
シロ「いやだね……帰るよ。力づくで止めてみるかい?」
殺せんせーの触手がシロの肩に触れた途端、
触手がドロッと溶けてしまった……。
シロ「対先生繊維。君は私に触手一本触れられない。心配せずともまたすぐに復学させるよ殺せんせー…。3月まで時間は無いからね。責任もって私が、家庭教師を務めた上でね……」
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イトナと殺せんせーの勝負が終わり、E組みんなで片付けをしていた時のこと……。
殺「はずかしい…はずかしい…」
不破「……何してんの殺せんせー」
友「さっきからあんな感じだよ……」
殺「シリアスな展開に加担したのが恥ずかしいのです……。先生、どっちかと言うとギャグキャラなのに…」
友・不破「自覚あるんだ!?」
狭間「カッコよく怒ってたね……。『どこでそれを手に入れたッ!!その触手を…!!』」
殺「いやぁぁ!!言わないで狭間さん!!改めて自分で聞くと逃げ出したい!!掴みどころのない天然キャラで売っていたのに…ああも真面目な顔を見せてはキャラが崩れる……」
友「自分のキャラを計算してるのが腹立つ……」
イリーナ「でも驚いたわ…。あのイトナって子…。まさか触手を出すなんてね」
磯貝「……殺せんせー。説明してください」
片岡「あの二人との関係を……」
杉野「先生の正体、いつも適当にはぐらかされてたけどさ……」
友「あんなの見たら、聞かずにはいられないよ」
岡野「そうだよ…。私たち生徒だよ?」
前原「先生の事、よく知る権利あるはずだよな」
殺「……仕方ない。真実を話さなくてはなりませんねぇ…。実は先生…………………。人工的に造り出された生物なんです!!!」
中村「………だよね。で?」
殺「にゅやっ!?反応薄っ!?これ結構衝撃的告白じゃないですか!?」
岡島「つってもなぁ…自然界にマッハ20のタコとかいないだろ」
原「宇宙人でもないのなら、その位しか考えられない」
友「で、イトナは弟だと言っていたから、先生の後に造られた、もしくは触手を移植されたと想像がつく」
殺(察しが良すぎる…!恐ろしい子達……!!)
渚「知りたいのはその先だよ殺せんせー……。どうしてさっき怒ったの…?イトナ君の触手を見て…。殺せんせーはどういう理由で生まれてきて、何を思って
殺「………残念ですが、今それを話した所で無意味です。先生が地球を爆破すれば、皆さんが何を知ろうが塵になりますからねぇ……」
一同「………!!」
殺「逆に!もし君達が地球を救えば、君達は後で幾らでも真実を知る機会を得る。もうわかるでしょう……知りたいなら行動はひとつ!
殺してみなさい。
はずかしい……はずかしい……」
俺らは殺し屋。
銃とナイフで答えを探し、
自分の命で僕らに問う。
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片付けが終わり、俺らは烏間先生の元へと向かった
『この気持ち』を話すためだ。
磯貝「烏間先生!」
烏間「……君達か。どうした大人数で」
磯貝「あの……もっと教えてくれませんか。暗殺の技術を」
烏間「…?今以上に…か?」
矢田「今までさ。『結局誰が殺るんだろ』ってどっか他人事だったけど…」
前原「……さっきの。イトナを見てて思ったんだ」
友「誰でもない。俺らE組の手で殺りたいって」
三村「もしも今後、強力な殺し屋に先越されたら…俺ら、何のために頑張ってたのかわからなくなる!」
片岡「だから限られた時間、殺れる限り殺りたいんです。私たちの担任を」
磯貝「殺して……。自分たちの手で答えを見つけたい!」
烏間(……意識がひとつ変わったな。良い目だ)
烏間「わかった。では、希望者は放課後に追加で訓練を行う。より厳しくなるぞ!」
一同「はい!!」
烏間「では早速、新設した垂直20mロープ昇降…!始め!」
磯貝・前原・友「厳しッ!!」