《新 side》
なんとか鷹岡の一件は渚や烏間先生のおかげでなんとかなった…。
俺達は喜んでいるが、まだ本心から安心は出来ていない。
不破「殺せんせー!友君は!?」
そう…保健室へ運ばれたバカ兄貴。
殺「今はぐっすり眠っています。日々の疲れが溜まったのでしょう。普段から訓練を受け、剣術道場に通い、毎日のようにゲームをしている。最近は勉強もきちんと手をつけている。これでは疲労が溜まるでしょう。彼にはしばらくの休息が必要でしょう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《不破 side》
不破「渚君、交代だよ」
渚「…うん」
今、私たちは交代で友君の看病をしている。
かなりボロボロだ…。
さっきの殺せんせーの話から、疲労がかなり溜まっていたことがわかる。
私は……あの時…
鷹岡先生が友君を殴ろうとした時…
助けに行こうとした。
友君が私にしてくれたように……。
でも…足が竦んで…動かなかった……。
友君は私を守ってくれたのに……、
私は友君を…守れなかった……。
私はその後色々と考え……保健室の机に突っ伏し、そのまま寝てしまった。
中村「不破ちゃん…交代……って…寝てるし……。……そっとしといてあげますか…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
《友 side》
未だに、忘れられない。
両親の件
友『父さん……!?母さん……!?』
???『See you. また会える日を楽しみにしてるよ…』
叔父『父さんと母さんの分まで…友が生きるんだ…!』
火事の件
友『なんで………俺らばっかこんな目に…会うんだよ…』
野次馬『あの家…中学生の子が2人で暮らしてるところじゃないの……』
叔父『災難だったな…。僕の家を使うといい。同じ椚ヶ丘にあるからな。なに…もうすぐ僕はいなくなるから…平気さ』
そして、その数ヶ月後に持病で叔父は死んだ。
思い返せば、母親や父親、叔父だけじゃない、中学に上がるって時、祖父が死んだ。確か…俺が生まれて数ヶ月で、祖母が死んだと聞いた。
……はは。
なんだよこれ。
『疫病神』って…。
その通りじゃん……。
このままじゃ…新や…E組の皆にも…危害…が…
守ら…なきゃ……俺が…
強く…なら…ないと…俺…が……
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
目が覚めると、見慣れない天井──
どうやらあの後、保健室に運ばれたようだ。
辺りを見渡すと、保健室のベッド近くの机で寝ている不破の姿が目に入った。
こちら側を向いて寝ているせいで、寝顔が完璧に見えてしまう。
……顔が熱くなってきた。
最近、より一層感じるようになってきた。
不破の笑顔……。
俺が…あそこまで守りたいって思った異性は初めてだろう。
だから、俺は鷹岡にキレた。
大切な人に危害を加えようしたから。
いや、既に陽斗と神崎に暴力を振るっている時点で、大切な人達に危害を加えている。
…だが、その結果がこれ。
もっと強くならないと……何も…守れない……。
不破「………ん……むにゃ…」
友「……!!///」
ビックリした……。
いきなり変な声出すなよ……起きたのかと思って一瞬ビビったぞ…。
不破「…ん……友…君…?」
……今度こそ起きたのか。
友「……不破…良かった。無事で」
見たところ不破に外傷は無さそうだ。
不破「友君……良かった……ひぐっ…」
俺が無事なことに安堵したのか、不破は涙を流し始める。
友「ちょ…泣くなよ……俺がなんか悪いことしたみたいだろ……」
不破「うっ…だって……」
友「大丈夫だから。この通り。そうだ…鷹岡は?」
不破「…烏間先生と……うっ…渚君のおかげで…なんとか…ひぐっ…」
友「あーもー涙で綺麗な顔がぐちゃぐちゃだぞ。ほらハンカチやるから拭いて拭いて」
不破「う……うん…あり…がと…///」
友「……ていうか、烏間先生はわかるけど…渚って…?」
鷹岡を渚がやっつけたとでも言うのか……?
不破「う…うん。実はね……」
俺は、泣き止んだ不破から先程まで何があったのか伝えられた。
鷹岡が勝負を持ちかけたこと。
それは烏間先生が選んだ生徒と鷹岡が闘うというもので、生徒側は本物のナイフを使うこと。
烏間先生が渚を選んだと言うこと。
渚は見事に鷹岡先生にナイフを当てたということ。
あとは烏間先生と、途中から現れた理事長先生によって鷹岡は解雇されたということ。
友「随分と色々あったんだな。俺が寝てる間に…」
殺「ええ」
………ん?
友「いつの間に部屋入ってきたタコ!!」
不破「うわっ…!?ほんとにいつの間に…」
殺「不破さんが泣き出したタイミングから入ってはいませんがずっと見てましたよ」
このタコ………!
殺「君は、最近頑張りすぎている。暗殺のための訓練、将来のための勉強、強くなるための剣術、娯楽のためのゲーム。全てのせいで君は疲労が溜まっている。少し休んだ方がいい。しばらく、体育は見学、もしくは模擬暗殺にのみ参加にしましょう」
友「………ま、いいっすよ。それにしても、ゲームじゃなくて暗殺訓練の方を削るんですね」
殺「ゲームが好きな男子に『辞めろ』と無理やりいっても聞かないでしょうしね…」
友「わかってんじゃん」
殺「それと…来週からの水泳の授業は…」
友「……勿論、出ない」
不破「えっ…水泳やらないの?」
友「ああ。申し訳ないが、俺は1年も2年もずっと水泳だけは休んでる。今年も例外じゃない」
不破「………そっか…」
殺「……では、先生は皆さんに友君が起きた事を話してきます!」
そういって、殺せんせーはマッハで保健室から去っていった。
友「……水泳、一緒に出たかったか?」
不破「えっ……!?べ、別にそういう訳じゃ…//」
友「ごめんな…。『俺のトラウマ』のせいで」
不破「……トラウマ…?」
友「…さて。俺らも教室に向かうか。言われた通り休みたいし」
不破「……うん」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺らが教室に戻り、扉を開けると、皆の視線が一気にこっちに向いた。
磯貝「友!」
前原「良かった無事で!」
友「……ああ」
渚「…ねえ。友君。教えてほしいんだ…鷹岡先生が言ってた、『疫病神』っていうの…」
……!!
もう…話さなくちゃいけないのかな…。
また…思い出す…あの日の…光景を……。
友「……いずれ、お前らにも詳しく話さないと…だな…。でも、今日はやめてくれないかな…。殺せんせーにも聞いてると思うけど、疲れてんだ…。今日は…このまま帰らせて欲しい…。ごめんな。皆…待たせたのに……」
まだ…心の準備が出来ていなかった。
杉野「……全然いいって!」
中村「いつでも好きな時に話しなよ〜」
他のみんなも、『気にしないで』と声を掛けてくれる……今まで、こんな暖かいクラスに会ったことなかった……。それだけで…嬉しかった…。
友「……お前ら……」
不破「…大丈夫だよ友君。私たち、いつでも助けになるから」
不破の言葉で、もっと嬉しくなった…。
俺には…頼れる場所が…信じられる仲間がいる…。
今、改めて実感出来た気がした。
それと同時に、守りたいとも思った。
今後、鷹岡みたいなやつとまた会うかもしれない。
少しでも戦力になるように…強くなりたい。