《友 side》
俺と不破は、本校舎の廊下を歩いている。
E組の試験会場へと向かっているのだ。
不破「どう?友君、トップ取れそう?」
友「どうだろ……。取れそうなのは社会だけど、浅野はやっぱり強敵だしな…」
不破「そうだね……頑張らないと…ん?私たちが一番乗りかな?」
友「……いや?誰か座ってるけど……」
そこには、ピンクの髪をした女子生徒がいた。
友・不破(……誰だ!?)
烏間「律役だ」
後ろに立っていた烏間先生が教えてくれた。
律役て…もうちょっといい人いなかったのかよ…
烏間「流石に理事長から人工知能の参加は許されなくてな……ネット授業で律が教えた替え玉を使うことで何とか決着した。…交渉の時の理事長に『大変だなコイツも』という哀れみの目を向けられた俺の気持ちが…君たちにわかるか」
友・不破「いやほんと頭が下がります!!」
烏間「……律と合わせて俺からも伝えておこう。頑張れよ」
友「……はい!」
本来なら1人で受けるはずの人だが、色んな人と同じ舞台にいるのを感じる。
一緒になって闘う人。
敵となって闘う人。
野次や応援を飛ばす
これはまるで……
俺達は殺し屋。おまけに今は…
闘いのゴングが…今日は鳴る……!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《殺せんせー side》
テストは良い。
一夜漬けで得た知識など、大人になったらほとんど忘れてしまうだろう。
それでいい。
同じルールの中で、力を磨き、脳みそを広げ、結果を競う…。
その結果から得る経験こそが宝物だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《渚 side》
英語の時間───
問スター「グォォオォ!!!」ドガァァン
は、速い!!
中間よりずっと…!
中高一貫の進学校では…中三から高校の範囲を習い始めることは珍しくない。
特にペースが速いのは……うちでは、『英語』『数学』『理科』!
けど、学校内での条件は、皆同じだ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《新 side》
瀬尾「どいつもこいつもラストの問題で殺られてやがる。…だが俺はお前らとは違ぇ…!親の仕事でLAに1年いた!その時に基本的な会話は充分覚えた…!この問題文の単語や文法その範囲内……!!今更日本の中学レベルでつまずくかよォ!!」
【瀬尾の回答:△】
瀬尾「……倒れないッ…?嘘だろ…!?満点回答の見本だぞ……!?」
余程自分の回答に自信があったのか、【△】という結果に驚きを隠せないようだ。
中村「お堅いねぇ……力抜こうぜ優等生!」
【中村の回答:◎】
中村の回答は文句無しの満点回答だ。
瀬尾「い、E組ごときが……!?」
中村「多分読んでないっしょ?サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
殺「さすがは名門校…。良い問題を作りますねぇ。問題文が名作小説から引用されている。生徒の読書量や、臨機応変さも採点基準に加える気でしょう。恐らくは、原文に準じた雑で簡潔な口語体で答えなければげんてんになる……。トップ争いではここを満点取るかどうかで大きく違う」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【渚の回答:◎】
【新の回答:◎】
渚「やった…!」
新「よっし…」
瀬尾「……しまった!その小説…英語の教師が授業中にさりげなく薦めてきやがった!!」
俺らの教師は『先生こういう繊細な反逆に憧れましてねぇ。ぜひ二か国語で読んでください。君たちの年頃ならキュンキュン来るはずです』とかいってしつこく薦めてけどな…。
中村「外国で良い友達いなかったっしょ瀬尾クン。やたら熱心に本を薦めるタコとかさ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
理科の時間───
小山「そォ〜ら!理科は暗記だッ!記憶野の閃光で敵の鎧を一枚一枚剥いでいく……だが、1番堅い頭の装甲が剥がせない…!ちゃんと暗記したはずだが……ん?」
小山が向いた先には、
楽しそうに歩く問スターと奥田がいた。
奥田「それでね〜」
問スター「わかる〜」
奥田「本当の理科は暗記だけじゃ楽しくないです。『君が君である理由を理解してるよ』ってちゃんと言葉にして伝えて上げたら、この理科すっごく喜ぶんです」
新「流石だな…奥田。でも俺も負けてないぜ」
小山が新の方を振り向くと、新も問スターの肩に乗っている。こちらの問スターは新にメロメロになっていた。
そして、問スターは自ら装甲を脱いでいった……。
奥田(理科にも相手に届く国語力が必要って、最近やっとわかってきました!殺せんせー!)
新「…小山も少しは見習えば?同じメガネでも…その奥に宿る理科への情熱は奥田の方が強いと思うよ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
《友 side》
社会の時間──
荒木「し、しくじったぁ!!今年のアフリカ開発会議はチェックしてたが……首相の会談の回数なんて分かるかよ……!?」
どうやら荒木はこの難問でつまづいたようだ。
対して悠馬は……。
磯貝「ふー…危なかった。会議の重要度の象徴だし、一応覚えて正解だった……!」
友「本当すげぇよな…。悠馬、お前が教えてくれなかったら俺もマークしてなかった……」
荒木「…磯貝、真弓友、貴様ら!!社会問題で俺を出し抜くとは……!」
磯貝「たまたまだよ……。俺ん家結構な貧乏でさ。アフリカの貧困にちょっと共感して調べてたら…実際に現地に連れてかれて、更に興味が広がっただけで…」
友「ホント…あの先生のお陰で色んな場所連れてかれたお陰で助かったよ…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
国語の時間───
春過ぎて 夏きるたらし 白妙の
衣ほすてふ 天の香具山
榊原「思った以上にやるようだなE組!顔だけでなく言葉も美しい!…だが!ただ一片の会心の解答でテストの勝敗は決まらない!取りこぼしなく全て制する総合力が必要なのだ!」
神崎「……!」
榊原(そして…我々は決してトップなど取れやしない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《学秀 side》
数学の時間──
数学か。
E組には…赤羽がいたっけ。
中間の数学は僕に続いて2位。
総合でも4位。
E組としては飛び抜けている。
あと脅威になりうるのは真弓新…。元A組故に学力が高い。
だが僕には、数学はもとより全教科死角は無い!
クラス対決も頂上対決を圧勝で制し、
E組には父を支配する駒としては働いてもらう!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《カルマ side》
……あーあ。
皆…目の色変えちゃってまぁ…。
勝つってのはそういうんじゃないんだよね。
通常運転でサラっと勝ってこその完全勝利……。
正しい勝ち方……。
こいつを生贄に、皆に教えてやるよ…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《友 side》
2日間の攻防の末…。
全ての
暗殺、
全ての結果は〇の数で決まる……!
そして3日後……!
殺「さて皆さん。全教科の採点が届きました…」
ついに…結果発表……!!