《友 side》
今……俺たちE組は、船に乗っている。
殺「にゅやぁ……船はヤバい…マジでヤバい……先生、頭の中身が全部まとめて飛び出そうです」
殺せんせーは……なんか酔ってる。
そして俺は…
友「…………」
精神が少し不安定になっている…。
こんな小さな船でもフラッシュバックしてしまうとは……。
不破「大丈夫?友君」
友「…ああ。やっぱ…動く船に乗ると思い出しちゃうみたいだ………」
不破「………友君。私たちがついてるから。……力不足かもしれないけど、安心して」
友「………ああ。皆のお陰で…少し気が楽になったよ」
倉橋「あ!先生、起きて!見えてきたよ!」
新「東京から6時間。先生を殺す場所だ。兄貴、そろそろつくよ」
友「……ついに着いたか!」
一同「島だーーーっ!!!」
ウェイター「ようこそ。普久間島リゾートホテルへ。サービスのトロピカルジュースでございます」
島へ着くと早速おもてなしが…!
ってあれ…?
友「俺の分のトロピカルジュース来ないんだけど…」
不破「確かに……どうしたんだろう?」
友「…まさか数間違えたのか?」
不破「さっきのウェイターさん呼ぶ?」
友「いや、いいや。また飲む機会あるでしょ」
三村「いやぁ最高だな!」
木村「景色全部が鮮やかで明るいなー!」
殺「ホテルから直行でビーチに行けるんですね。様々なレジャーも用意してあるようですねぇ」
おい水着美女を凝視するなエロダコ。それでも教師か。
新「例の暗殺は夕飯の後にやるからさ。まずは遊ぼうぜ殺せんせー!」
吉田「修学旅行ん時みたく、班別行動でさ!」
殺「ヌルフフフ…。賛成です。よく遊び、よく殺す。それでこそ暗殺教室の夏休みです」
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《新 side》
1班の磯貝達が殺せんせーの気を引いているうちに、俺ら4班はやるべきことがある。
茅野「次はうちの班に来る番だよ!やることやってすぐに着替えないと!」
渚・カルマ・杉野・新「おーう!」
杉野「……で?殺せんせー、そこ変な模様どうしたんだよ」
殺「日焼けしました。グライダーの先端部分だけ影になって」
どんな日焼けだよ!
神崎「私たちはイルカを見る予定なんですけど…」
茅野「船だけど大丈夫?」
殺「ご心配なく!水着を持ってます!」
殺せんせーはそう言って本物の魚のような水着(?)を着て水中へ。
そしてイルカと一緒にジャンプしている。
新「…なんだあれ」
杉野「……あれは…水着……なのか?」
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《友 side》
俺たち2班は狙撃手である千葉ちゃんと速水がいるため、射撃スポットを選ぶことに。
航輝と岡島は現在『準備中』だから、俺と創ちゃん、千葉ちゃん、不破、中村、速水の6人で行動中だ。
千葉「殺せんせーは?」
速水「今は3班と海底洞窟巡りしてる。こっちの様子は絶対に見えないよ」
千葉「じゃあ、今なら射撃スポット選び放題だな」
速水「サクッと決めちゃいますか」
中村「……シブいねあの二人」
友「もはや仕事人の風格だな……」
不破「中学生の会話内容とは思えない……」
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殺「いやぁ。遊んだ遊んだ。お陰で真っ黒に焼けました」
一同「黒すぎだろ!!!」
殺せんせーの顔は本当に日焼けなのかわからないレベルで黒かった。
第1話の寺坂の時みたいなド怒りの黒よりも真っ黒だ。
歯まで真っ黒に焼けているから表情が読み取れない。
磯貝「じゃ殺せんせー。飯のあと暗殺なんで、まずはレストラン行きましょう」
殺「はい♪」ルンルン
村松「……どれだけ満喫してんだ。あのタコ」
寺坂「こちとら楽しむフリして準備すんの大変だったのによ」
吉田「ま、今日殺せりゃ明日は何も考えずに楽しめるじゃん」
村松「まーな!今回ぐらい気合い入れて殺るとすっか!」
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レストランは大きな船の中にある。
正直なとこ言うと…滅茶不安だ…。
海の上……動く船……。
ヤバい…また………!
不破「…友君。無理しないでよ?この作戦言った時…皆を心配させないように『大丈夫』って言ったでしょ?」
友「………うん」
不破「……友君。…無理だけはしないでね?降りたかったら降りても……」
友「…いや。頑張るさ。皆がいるんだ。少しは安心出来るよ。それに、今はまだ殺せんせーもいるしね」
そうだ。今の俺には皆が居る。
それだけで、少しは楽になった。
磯貝「夕飯はこの貸切船上レストランで、夜の海を堪能しながらゆっくり食べましょう」
殺「な、なるほどねぇ……。まずはたっぷりと船に酔わせて戦力を削ごうというわけですか。実に正しい!ですが……そう上手くいくでしょうか。暗殺を前に気合いの乗った先生にとって、船酔いなど恐れるに…」
一同「だから黒いわ!!!」
先生の顔は真っ黒。日焼けだ……。
目も口も一切見えない。
中村「表情どころか前も後ろもわかんないわ」
片岡「ややこしいからなんとかしてよ」
……何とかできるのか?
殺「ヌルフフフ。お忘れですか皆さん!先生には脱皮がある事を!黒い皮を脱ぎ捨てれば…ほら!元通り!」
殺せんせーは脱皮をして日焼けした皮を脱いでいつもの黄色い肌に戻った。
不破「あ。月一回の脱皮だ」
……ん?そうだよね?それって月一回だよね?
殺「こんな使い方もあるんですよ。本来は『ヤバい時』の奥の手ですが」
友「……その『ヤバい時』って…この後あるんじゃないっすか?」
殺「………あっ…。……………ああああああ!!!!!!!」
前原「バッカでー…。暗殺前に自分で戦力減らしてやんの……」
片岡「どうして未だにこんなドジ殺せないんだろ……」
この日のために、夏休みに入って密かに特訓を重ねてきた。
仕込みも万全。
今度こそ、殺せんせーにこの刃を届かせる……!
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殺「にゅやぁ…結局酔った……」
前原「さーて殺せんせー。メシのあとはいよいよだ」
菅谷「会場はこちら……。このホテルの離れにある水上パーティールーム」
磯貝「……ここなら、逃げ場はありません」
三村「さ、席につけよ殺せんせー。楽しい暗殺……」
岡島「まずは映画鑑賞から始めようぜ」
磯貝「…初めに、三村が編集した動画を見て楽しんで貰い、その後テストで勝った8人が触手を破壊し、それを合図に皆で一斉に暗殺を始める。それでいいですね殺せんせー?」
殺「ヌルフフフ。上等です」
友「セッティングご苦労さん。航輝」
三村「頑張ったぜ。皆が楽しんだり飯食ってる間もずっと編集さ」
ホント凄いな航輝…。
ついでに岡島もな。
殺(……この小屋は周囲を海で囲まれている。壁や窓には対先生物質が仕込まれている可能性もある。脱出はリスクが高い。小屋の中で避けきるしかないようですね……)
渚「…殺せんせー。まずはボディチェックを。いくら周囲が水とはいえ、あの水着を隠し持ってたら逃げられるしね」
殺「入念ですねぇ。そんな野暮はしませんよ」
渚は直に先生の体を触っている。
ここで渚が攻撃したところで…殺せんせーは余裕でかわすだろう。
でも…。
皆で、この作戦なら…。
殺れる……!
殺「準備はいいですか?全力の暗殺を期待してます。君たちの知恵と工夫と本気の努力。それを見るのが、先生の何よりの楽しみですから……。遠慮は無用。ドンと来なさい!」
一同「………!」
新「言われなくとも…始めるぜ。殺せんせー」
新はそう言って、小屋の中の電気を消した……。
そして、航輝が編集した動画がスタートした。