ついに二学期編スタート!!!
第54話 竹林の時間
《友 side》
友「おはよ!優月!」
不破「おはよう友君!」
今日は二学期の始業式。
E組は家から直接本校舎に向かってから旧校舎へ行く。
そして、一学期と変わらず優月と登校することになった!
優月「二学期も暗殺頑張ろうね〜」
友「そうだな…。まずはどんな暗殺試すかね〜」
なんてことを歩いてると、後ろから悪魔の囁きが…。
カルマ「あれれぇ?二学期早々2人で登校とは…」
中村「ラブラブですねぇ漫画好きカップルさん?」
新(この2人イジりだすの早いな……流石)
不破「な、中村さん…!カルマ君も…!」
中村「聞いたよ不破ちゃん。告られてOKしたんだって〜?友も中々やるね〜」
友「……カルマァ!」
カルマ「ん〜?」ニヤニヤ
こいつ、絶対に許さねぇ……!!
不破「ちょ、ちょっと友君!何で2人知ってるの?!」
友「俺は…俺は信頼出来る人にだけ言うつもりだったんだよ!?新と悠馬と航輝と渚にだけ!でも渚の近くにカルマが居たみたいで…電話越しに聞かれたみたいなんだよ!」
新「あれは運が悪かったと思う。たまたまだったから」
不破「……えっと…カルマ君。この事…中村さんの他に誰に言ったの……?」
カルマ「ん?クラス全員。先生達にも言ったよ」
友「カルマァ!先生の前にお前から殺す!!」
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本校舎──
前原「よう友。やるじゃん!不破に告るなんてさ〜!」
友「お前も地獄へ落としてやろうか…」
前原「いや怖ぇよ!」
三村「全員に暴露されたもんな。殺せんせーも知ってるんだろ?」
友「もうやだ…旧校舎行きたくない」
不破「私も行きたくない…」
俺と不破が落胆してると、モブ…じゃなかった。五英傑が話しかけてきた。
荒木「久しぶりだなぁ。E組共」
瀬尾「ま、お前らは二学期も大変だと思うがよ」
小山「めげずにやってくれ!ギシシシシ」
不破「……出五かぁ」
【※出ばなから五英傑の略】
友「ただでさえ落胆してんのに…縁起悪…」
矢田「しかも何…?妙にニヤニヤしてたけど…」
村松「一学期の終業式じゃ悔しそーな顔してた癖によ」
総七「よう友。2学期もがんばろーな」
友「あ、ああ。総七…」
こいつにまで知られる訳にはいかない…!
前原「聞いてくれよ!こいつ彼女出来たんだぜ!」
友「陽斗ォ!!」
総七「マジか…!え?相手は不破?」
前原「そうそう!」
総七「お〜…。…剣術道場の皆に伝えとくな!」
友・不破「もうやめて!!!」
2学期早々こんなに弄られるとは…!!
荒木『──さて。式の終わりに皆さんにお知らせがあります。今日から…3年A組に2人…仲間が加わります。まずは1人目…。ここ、椚ヶ丘中学校の転入試験を見事合格し、A組に来ることになった…。『古見錦』さんです!』
転入生……?
E組だったら暗殺者かもしれないが…A組じゃ特に関係なさそうか。
古見『……どうも。今日から3年A組に入ることになりました。古見です。これから、椚ヶ丘中学校の一員として一所懸命やっていきますので、よろしくお願いします。以上です……………』
浅野「これからよろしくね…古見さん」
古見「ええ……。…………フフ」ニヤッ…
………え?
なんか今あいつ……俺に向けて殺気を…?
荒木『それでは、もう1人もご紹介しましょう!もう1人の彼は……昨日までE組にいました』
E組「!!?」
な、何だと……!?
荒木『しかし、たゆまぬ努力の末に好成績を取り、本校舎に戻ることを許可されました。では彼に喜びの言葉を聞いてみましょう!
竹林孝太郎君です!!』
……!?
嘘だろ……!?何で…竹林が…!?
竹林『─僕は、4ヶ月余りをE組で過ごしました。その環境を一言で言うなら……地獄でした。やる気のない生徒達。先生方にもサジを投げられ、怠けた自分の代償を思い知りました。もう一度本校舎に戻りたい……その一心で、死ぬ気で勉強しました。生活態度も改めました。こうして戻ってこられた事を心底嬉しく思うとともに、二度とE組に堕ちることのないよう頑張ります。以上です』
浅野「……おかえり。竹林君」
浅野は大きく拍手をした。
本校舎の生徒たちも、浅野につられ拍手をし、体育館内は大喝采…。
でも……
俺達E組にだけは、不穏な空気が漂っていた。
竹林が……昨日までとは別人に見えた。
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前原「なんなんだよあいつ…!百億のチャンス捨ててまで脱けるとか信じらんねー!」
木村「しかもここの事地獄とか言いやがった…!」
岡野「言わされたにしたって、あれは無いよね」
片岡「竹林君の成績が急上昇したのは確かだけど、それは
前原「とにかく!ああまで言われちゃ黙ってらんねー!放課後一言言いに行くぞ!」
不破「竹林君……何があったんだろう…」
友「……………」
不破「……?友君?」
友「…え?あ、ああ。あいつにはあいつなりの事情があるとは思うけどな…」
……あの時の殺気は何だったんだ…?
明らかにあの『古見』ってやつは、俺の事を見てたし、殺気を放ってた……。でも何故…?
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本校舎前───
竹林「…………」
来たな…。竹林。
前原「……おい竹林」
磯貝「…説明してもらおうか。なんで一言の相談も無いんだ?」
奥田「なにか事情があるんですよね?!夏休み旅行でも竹林君いてくれて凄く助かったし、普段も一緒に楽しく過ごしていたじゃないですか!」
奥田の言う通りだ。
夏休み旅行では率先して皆の看病をしてくれて、
放課後にメイドの描き方教室を開いて、
律にメイドの服を着させて、
クラスの男子をメイド喫茶に勧誘して、
………ほとんどメイドじゃねーか。
カルマ「賞金百億。殺りようによっちゃもっと上乗せされるらしいよ?分け前いらないんだ竹林。無欲だね〜」
竹林「………せいぜい10億円」
……10億?
竹林「僕単独で百億ゲットは絶対無理だ。上手いこと集団で殺す手伝いが出来たとして、僕の力で担える役割じゃ、分け前は10億がいい所だね。
…僕の家はね。代々病院を経営してる。兄2人も揃って東大医学部。10億って金は、うちの家族には働いて稼げる額なんだ。『出来て当たり前』の家なんだ。出来ない僕は家族して扱われない。
僕が10億手にしたとして、家族が僕を認めるなんてありえないね。『よかったな。家一番の出来損ないがラッキーで人生救われて(笑)』……それで終わりさ」
一同「…………」
……竹林…。
竹林「昨日初めて親に成績の報告が出来たよ。トップクラスの成績を取って…E組から脱けれること。『頑張ったじゃないか。首の皮一枚繋がったな』……。その一言をもらうために、どれだけ血を吐く思いで勉強したか……!!
僕にとっては、地球の終わりよりも、100億よりも、家族に認められる方が大事なんだ。
裏切りも恩知らずも分かってる。君たちの暗殺が上手くいくことを祈ってるよ」
竹林は後ろを振り向き、この場から去っていく。
渚「ま、待ってよ竹ば……」
神崎「…やめてあげて渚君」
渚「…神崎さん」
竹林を追おうとする渚を神崎が引き止めた。
神崎「親の鎖って、凄く痛い場所に巻きついてきて離れないの。だから、無理に引っ張るのはやめてあげて」
友「……親の鎖…か。今回ばかりは…俺は口出し出来ないな…」
渚「…………」
渚(僕らのうちの何人かには、呪いがかけられてる。竹林君が、その呪いに殺されていくように感じた。呪いの解き方を…学校の授業は教えてくれない)
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翌日──
殺「おはようございます」
………殺せんせー…なんでそんな黒いんだ。
前原「どうしたんだよ殺せんせー……いきなり黒くなって」
殺「急遽アフリカに行って日焼けしました。ついでにマサイ族とドライブしてメアド交換も」
ローテクかハイテクかわからん旅行だ……。
殺「これで先生は完全に忍者!人混みで行動しても目立ちません!」
前原・友・新「恐ろしく目立つわ!!」
岡野「そもそもなんのために……?」
殺「もちろん。竹林君のアフターケアです」
アフターケア……?
殺「自分の意思で出ていった彼を引き止めることは出来ません。ですが、新しい環境に彼が馴染めているかどうか、先生にはしばし見守る義務がある…」
見守る義務……ね。
片岡「……私達も、様子見に行こっか」
前原「暗殺も含め、危なっかしいんだよ。あのオタクは」
杉野「なんだかんだ同じ相手を殺しにいってた仲間だしな!」
友「口出しは出来ないけど、見守るくらいならな」
倉橋「脱けんのはしょーがないけど、竹ちゃんが理事長の洗脳でヤな奴になったらやだな〜」
殺「……殺意が結ぶ絆…ですねぇ」
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ということで、本校舎まで竹林の様子を見に来た。
烏間先生に教わったカモフラージュを実戦してはいるけど、本校舎とE組じゃ植物が全然違うから見る人が見りゃ余計怪しいんじゃ……。
特に横にいるツヤツヤの黒い物体!!
片岡「結構上手くいってるみたいじゃない」
前原「むしろ普段より愛想よくね?」
寺坂「ケッ。だからほっとけって言ったんだ。あんなメガネ」
磯貝「メガネの色艶も良さそうだな」
倉橋「うん!」
友「てかこれ大丈夫…?本当にバレない?」
不破「大丈夫だよ!殺せんせーがいるから!」
友「国家機密(そいつ)が一番心配なんだけど!」
新「……!おい見ろよ…浅野と話してる」
前原「教室出ていくぞ…!?」
殺「……理事長室に入ったようですねぇ…」
杉野「くそっ…カーテンで中が見えねぇ…」
友「これは打つ手なしか…」
殺「むむ…長居は禁物です。そろそろ皆さんは帰りましょう。あとは先生に任せてください!」
……大丈夫だろうか。
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翌日──
この日は椚ヶ丘中学校の創立記念日で、全校集会を行うことになっている。
すると、壇上に竹林が上がった。
狭間「はぁ…?」
中村「また竹林がスピーチ…?」
なんだろう……。
竹林が…この前の集会の時とは、また違うオーラを放っている気がする。
前原「なんなんだ…あいつ」
友「……胸騒ぎがする」
前原「えっ…?」
友「竹林から…殺気を感じるんだ。なにか、大事なものをめちゃくちゃに壊してしまいそうな…」
前原「むちゃくちゃに……?」
竹林『僕の……やりたい事を聞いてください』
竹林が話し出した。
何する気なんだ……?
竹林『僕のいたE組は…弱い人達の集まりです。学力という強さが無かったために、本校舎の皆さんから差別待遇を受けています。
でも。僕はそんなE組が、メイド喫茶の次くらいに居心地良いです』
なっ……!?
竹林『僕は嘘をついていました。強くなりたくて…認められたくて…。でも、E組の中で役立たずの上裏切ったの僕のことを、クラスメイト達は気にかけ、様子を見に来てくれた。先生は、僕のような要領の悪い生徒でもわかるよう、手を替え品を替え工夫し、教えてくれた。
家族や皆さんが認めなかった僕のことをE組の皆は同じ目線で接してくれた。
世間が認める明確な強者を目指す皆さんを、正しいと思うし、尊敬します。でも、僕はもうしばらく弱者でいい。弱い事に耐え、弱い事を楽しみながら、強い者の首を狙う生活に戻ります』
竹林はスピーチの原稿と思われる紙の下から、表彰の盾を取り出した。
竹林『……理事長室からくすねてきました。私立学校のベスト経営者を表彰する盾みたいです。……理事長は本当に強い人です。全ての行動が合理的だ』
竹林は懐から木製のナイフを取り出し、盾に向かって振り下ろした。
盾は凄まじい音を立ててバラバラに砕け散った。
竹林『……浅野君の言うには、過去これと同じ事をした生徒がいたとか。前例から合理的に考えれば…
E組行きですね。僕も』
竹林はそう言って、スタスタと戻っていった。
浅野「待てよ…。救えないな君は……強者になる折角のチャンスを与えてやったのに」
竹林「…強者?怖がってるだけの人に見えたけどね。君も……皆も……」
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烏間「二学期からは、新しい要素を暗殺に組み込む。そのひとつが火薬だ」
前原「か、火薬!?」
結構危ないもの追加してくるな……!
烏間「空気では出せないそのパワーは暗殺の上で大きな魅力だが、寺坂君達がやったような危険な使用は絶対厳禁だ」
寺坂「う……」
烏間「…そのためには、火薬の安全な取り扱いを1名に完璧に覚えてもらう」
そう言うと烏間先生は、参考書くらいのページ数がある本3冊と、広辞苑並の分厚さの本1冊を取り出した。
烏間「俺の許可と、その1名の監督が火薬を使う時の条件だ。さぁ誰か覚えてくれる者は?」
不破「あの本分厚っ……!」コソコソ
友「やだよ…あんな国家資格の勉強まで…!」コソコソ
竹林「……勉強の役に立たない知識ですが、まぁこれもどこかで役に立つかもね」
……!
烏間「暗記できるか?……竹林君」
竹林「ええ。二期OPの替え歌にすればすぐですよ」
さぁ…二学期の開始と共になにやら不穏な新キャラが……
友たちとどう関わっていくのか………とは言ってもA組の出番がここから体育祭まで無いので…
この回で覚えといてくださいね←