《新 side》
今日は渚、茅野、カルマ、杉野と5人で学校帰りにご飯を食べています!
友達と飲食店入るとか中々無かったから幸せ〜……。
ふとテレビの方を見ると、『全国で鶏卵が供給過剰に』というニュースをやっていた。
杉野「えっ…?あの卵食べれるのに捨てちゃうのか?」
新「勿体ない……」
ニュースでは養鶏業者の方にインタビューもしていた。『国が生産調整に失敗しちゃって、国内の鶏が増えすぎてな。卵の値段も急落でさ。運送費の方が卵より高くて、出荷するだけマイナスなんだ』とのこと。
カルマ「ま、生鮮食品はたまにあるよね。こーいう事」
杉野「とはいうけどなぁ……」
渚「……ん?茅野?」
茅野(……来た!チャンスが…!!)
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一週間後──
《友 side》
ある日のこと。茅野が暗殺計画を立てたと言って、E組皆を集めた。
茅野は今まで目立った暗殺はしてこなかったから、新鮮味があるな。
茅野「─というわけで!廃棄される卵を救済し、尚且つ暗殺もできるプランを考えました!」
三村「卵を暗殺に?」
寺坂「どーせ飯作ってBB弾混ぜるつもりだろ?そんなモン、とっくにやって見破られてるっつーの」
茅野「ふふふ……もう少し考えてるのだ。烏間先生にお願いして下準備もOK!どうぞ皆さん校庭へ!」
校庭には、これから作るであろう物の形をした巨大な容器等の器具が並べられていた。
友「……こ、これって…」
不破「あの形で卵って…まさか…!」
茅野「そう!今から皆で巨大プリンを作りたいと思います。名付けて、プリン爆殺計画!!
既に殺せんせーから証言も得ています!『いつか自分よりもでっかいプリンに飛び込んでみたい』……ええ!叶えましょう!そのロマン…!!ぶっちゃけ私も食べたい!!」
新「俺も飛び込みたい!!!」
茅野だけじゃなく新の目の色まで変わった…。
あいつ、かなりのスイーツ好きだからな。
特にプリン。
茅野「プリンの底に対先生弾と爆薬を密閉しておき、殺せんせーが底の方まで食べ進んだら、竹林君の発破でドカン!」
磯貝「やってみる価値あるかもな!」
岡島「殺せんせー、エロとスイーツには我を失うとこあるもんな」
竹林「後方支援に徹してた茅野が…前に出て計画してるのも意外性がある」
新「よっしゃあ!先生のいないこの三連休で勝負に出るか!!」
一同「おーう!」
そして、俺たちは巨大プリン造りに取り掛かった。
茅野「大量の卵はマヨネーズ工場の休止ラインを借りて、機械で割って混ぜてもらった。それに砂糖と牛乳、バニラオイルが基本の材料!」
倉橋「でもカエデちゃん。前にテレビで巨大プリン失敗してたよ?」
新「あー…大きすぎて自分の重みで潰れちゃったんだっけ?」
茅野「うん。その対策として、凝固剤にはゼラチンの他に寒天も混ぜてる。寒天の繊維が強度を増すの」
新「なるほどね…。あと、寒天はゼラチンより融点が高いから、熱に溶けにくく9月の野外でも崩れにくいと」
茅野「そーゆーこと!」
凄いな…。意外ときちんと計画されている…!
悠馬達1班がゼラチンが多く含まれたプリンの素を流し込む。
茅野「その調子!下の層はゼラチン、上の層は生クリームを多目にしてるの。自重をしっかり支えつつ上はふんわり!あと…はい。ときどきこれを投げ入れて」
箱の中には真四角のゼリーのような物が…。
片岡「何これ…?」
茅野「オブラートで包んだ味変わり!ずっと同じ味ばっかじゃ飽きちゃうでしょ?フルーツソースやムースクリームが溶けだして、あちこち味に変化がつく部分が生まれるの!
カップの中にはパイプを通して冷却水を流す。これだけの容積のプリンになると、外気だけじゃ冷えないからね!」
す…すげえ……!
友「どこまでプリンの特性を熟知してんだ茅野……」
不破「科学的に根拠がありつつ、味もしっかり研究してある……!」
カルマ「やるねー茅野ちゃん。卵のニュースから一週間の間にこれ全部手配したの?」
茅野「うん!……っていうか、前から作ってみたかったんだ。諸経費も防衛省が出してくれる。最高の機会だと思ってさ。そうと決めたら、一直線になっちゃうんだ。私」
新「わかるぞ茅野!巨大プリンはスイーツ好きのロマンだよな!!」
茅野「でしょでしょ!!」
茅野は普段の暗殺でも後ろでそっと手助けをしてくれる。
サポート向きのタイプだと思ってたけど……
好きなものをテーマにした暗殺となると、こんなに行動力があるとは思わなかったな。
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茅野「一晩冷やしたらパイプを抜き、その穴から空気を吹き込んで、型枠を浮かせて外し、緩めのゼラチン寒天でプリン肌を滑らかに整え、カラメルソースをかけ、表面をバーナーで炙れば……!!」
一同「出来たぁーーーっ!!!」
巨大プリンが…完成したぞーー!
杉野「やべー!超美味そー!」
中村「あの下に爆弾あるの忘れちゃうね〜!」
しばらく鑑賞して、殺せんせーを呼んできた。
殺「……!!こ、これ…全部先生が食べていいんですか!?」
中村「どうぞ〜。廃棄卵を救いたかっただけだから!」
倉橋「勿体ないから全部食べてね〜」
殺「もちろん!ああ!夢が叶った!いただきま〜す!!」
磯貝「茅野。教室で起爆を見守るぞ」コソコソ
茅野「……う、うん」
殺せんせーはプリンを一心不乱に食べ続けてる。
不破「凄い勢いだね…」
友「ああ。あれなら底まで辿り着くのも時間の問題だな」
プリン底にはリモコン爆弾と観察カメラがセットしてある。
リモート起爆のタイミングは、周りのプリンが無くなってゆき、暗闇の画面にうっすら光が映った瞬間…!
茅野「………プリン…爆破」
この時、茅野は思い出した。
プリン計画を立ててから、何度も実験を重ね、わざわざ研究所に電話をしたり、計画を何度も何度も練り直したり……。
茅野「ダメだーーーーーっ!!!!!」
一同「ええっ!?」
茅野「愛情こめて作ったプリンを爆破なんてダメだー!!!」
杉野「ちょ、落ち着け茅野!!」
友「寺坂!茅野を抑えろ!」
寺坂「プリンに感情移入してんじゃねー茅野!!」
茅野「嫌だ!ずーっとこのまま!校庭でモニュメントとして飾るんだ!」
友「腐るわ!!」
新「俺も─」
……待って。嫌な予感する。やめろよ?茅野だけじゃなくお前も……。
新「俺も殺せんせーみたいに飛び込みたいーー!!!飛び込ませろーー!!」
一同「お前もか!!」
友「新落ち着け!!あんなか爆弾入ってるんだぞ!」
新「知らないよそんなの!プリンの中に飛び込みたいんだ!」
友「んなもの今後のバラエティ番組でやってろ!!」
殺「ふぅちょっと休憩」
………え?
一同「……!!」
竹林「爆弾……。起爆装置も外されてる…!?」
殺「異物混入を嗅ぎとったのでねぇ。土を食べて地中に潜って外してきました。プラスチック爆弾の材料には強めの匂いを放つものもある。先生の鼻にかからない成分も研究してみてください竹林君」
竹林「………!はい…」
殺「そして、プリンは皆で食べるものですよ。綺麗な部分をより分けておきました!」
全員分分けてある……!
新「殺せんせー……!!」キラキラ
凄い目輝かせてんな……。
まぁ、新が収まってくれてよかった…。
殺「ただし。廃棄される予定の卵を食べてしまうのは、厳密には経済のルールに反します。食べ物の大切さと合わせて、次の公民で考えましょう」
一同「はーい」
渚「…惜しかったね茅野。むしろ安心した?」
茅野「あはは……」
渚「でも、茅野がここまで徹底してやるとは思わなかったな」
新「凄く楽しかったし、プリンも食べれて大満足だけど、意外だったね」
茅野「ふふ…本当の刃は親しい友達にも見せないものよ!また殺るよ。プリンマニアも
不破「それにしても、新君があそこまで暴れるとはね……」
友「あいつも茅野や殺せんせーと同じ。スイーツに目が無いんだよ」
不破「そういえば、松井先生もプリンマニアらしいね」
友「ああ。この話はかなりガチで考えたみたいだな」
渚「不破さん…?友君…?」