《友 side》
殺「二学期も滑り出し順調!生徒達との信頼関係もますます強固になってますねぇ。今日も生徒は親しみの目で私を見つめ…………汚物を見る目!?!?」
…無理もない。
今朝の新聞にこんな記事が乗ってるんだから。
『多発する巨乳専門の下着泥棒。犯人は黄色い頭の大男。ヌルフフフと笑い、現場には謎の粘液を残す』
中村「……これ、完全に殺せんせーよね」
三村「正直ガッカリだよ」
岡野「こんなことしてたなんて……」
殺「ちょ、ちょっと待ってください!?先生、全く身に覚えがありません!!」
速水「……じゃ、アリバイは?」
殺「アリバイ……?」
速水「この事件があった昨日深夜。先生どこで何してた?」
殺「そうですね…その時間帯は高度1万m〜3万mの間を上がったり下がったりしながらシャカシャカポテトを振ってましたが」
友・前原・杉野「誰が証明出来んだよそれをよ!!」
吉田「そもそもアリバイなんて意味ねーよ」
狭間「どこにいようが大体一瞬で
まぁそれもそうだな……。
磯貝「待てよ皆!決めつけてかかるなんて酷いだろ!?」
……悠馬…!
磯貝「殺せんせーは確かに小さな煩悩いっぱいあるよ。けど今までやった事といったらせいぜい…エロ本拾い読みしたり、水着生写真で買収されたり、休み時間中狂ったようにグラビアに見入ってたり、『手ブラじゃ生ぬるい。私に触手ブラをしてください』と要望ハガキ出してたり……
…先生、自首してください……!」
殺「磯貝君まで!?」
うん。思いの外ヤバいことしてたね。
殺「先生は潔白です!失礼な!いいでしょう、準備室の先生の机に来なさい!先生の理性の強さを証明するため…今から机の中のグラビア全部捨てます!」
机の中にグラビア入れてる時点でアウトじゃね?
ていうか何冊入ってんだよ。
殺「ほら見なさい…!机の中身全部出し……て………えっ……?」
机の中から…グラビアでは無いものが出てきた…。
女性の下着……!?
寺坂「マジか……」
岡野「ちょっと!皆見てクラスの出席簿!女子の横に描いてあるアルファベット……。全員のカップ数が調べてあるよ!」
茅野「私だけ永遠の0って何よコレ!?」
新「そこ!?」
……マジかよ。
…てか…やばい。どうしても目がいってしまう…いくら興味無いとはいえ…男の性だから……。
…優月の…は……
友「………B…」ボソッ
不破「…………友君?」ニコッ
……あれ…?声に出てた……?
不破「………ふん!」ゴスッ
友「ぐはぁっ……!?」
優月は俺の腹に膝蹴りを何度も入れてくる。
凄く怒ってらっしゃる。
友「やめて…死ぬ……これ以上は死ぬ……」
前原「お、おい…これ見ろよ!」
今…それどころじゃない……。
前原「最後のページ…街中のFカップ以上の女性のリストがあるぞ!?」
殺「ちょ、ま、そんなはずが…!そ、そうだ今からバーベキューをしましょう皆さん!放課後やろうと準備しておいたんです!ホラ見てこの串!美味しそうで……しょ……」
バーベキューの串に刺さっていたのは野菜や肉ではない……。
女性の下着が刺さっていた……。
…………どういう性癖…?
村松「……やべぇぞこいつ…」
片岡「信じらんない…」
速水「不潔…」
不破「……友君、どう思う?」
友「待って…今死にかけてる…」
不破「私の考え言ってもいいかな?」
友「君話聞かなくなったね……。でも、多分俺と考えてることは同じだと思うぞ?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キーンコーンカーンコーン
殺「…きょ、今日の授業は…ここまで……」ガラガラ パタン
カルマ「あっはは。今日1日針のムシロだったね〜。居づらくなって逃げ出すんじゃね?」
渚「でも、殺せんせー本当にやったのかな?こんなシャレにならない犯罪……」
カルマ「地球爆破に比べたら可愛いもんでしょ」
新「そりゃそうだな……」
カルマ「でもさ、仮に俺がマッハ20の下着ドロなら、急にこんなボロボロ証拠残さないけどね……。見てみ?渚君。体育倉庫にあったボール」
バスケットボールに……女性の下着がついている。
…は?ナニコレ。
カルマ「こんな事してたら…俺らの中で先生として死ぬこと位わかってんだろ。あの教師バカの怪物にしたら、
渚「うん。僕もそう思う…」
茅野「でも、そしたら一体誰が……」
友「偽だ」 不破「偽よ」
茅野「……不破さん?」
渚「……友君?」
不破「にせ殺せんせーよ!!」
友「ヒーロー物のお約束!!」
友・不破「偽物悪役の仕業だ!!」
不破「体色とか笑い方とか真似してるってことは……」
友「犯人は殺せんせーの情報を得てる何者か!」
不破「私と友君は律に助けてもらいながら手がかりを探してみる!」
律「お任せ下さい!」
カルマ「その線だろうね〜。何の目的でこんな事すんのかわかんないけど…」
カルマは立ち上がって、帰ろうとする寺坂の首元を引っ張り、連れ戻した。
カルマ「いずれにせよ、こういう噂が広まることで、賞金首がこの街に居れなくなっちゃったら元も子もない。俺らの手で真犯人ボコッてタコに貸し作ろーじゃん?」
友・不破「おー!」
茅野「……永遠の0…」
新「だからそこ!?」
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そして夜──
友・不破「体も頭脳もそこそこ大人の名探偵、参上!」
渚「やってる事はフリーランニング使った住居侵入だからね…」
俺、優月、渚、カルマ、茅野、寺坂は真犯人が次に選ぶであろう建物の敷地内へと侵入した。
新はもし住居侵入がバレたら事務所に処分されるかもしれないということでついてきていない。
寺坂「んで友、不破。なんでこの建物を次に選ぶって思ったんだよ」
不破「ここは某芸能プロの合宿施設。この2週間は巨乳を集めたアイドルグループが新曲のダンスを披露してるって…!」
友「その合宿は明日には終わる……。真犯人にとって極上の獲物であろうあの下着を逃すはずがない…!」
寺坂「なるほど…」
ふと反対側の草むらを見ると、殺せんせーがいた。
布巾を一昔前の泥棒がやるような巻き方で被っており、サングラスまでかけている。
不破「なんだ…。殺せんせーも同じこと考えてたか」
寺坂「いや…どう見ても盗む側の恰好なんだが」
友「見ろ…!真犯人への怒りのあまり下着を見ながら興奮してる…!!」
寺坂「あいつが真犯人にしか見えねーぞ!!」
カルマ「……!あっちの壁……」
カルマが指さす方の壁……。その上から…:
友「誰か来る……!」
壁から降りてきたのは……黄色い
不破(やっぱり…!)
友(真犯人は別にいた……!)
寺坂「あの身のこなし只者じゃねーぞ!?」
渚「やばい持ってかれる!」
真犯人が下着に手を出した瞬間…!
殺「捕まえたーー!!」
殺せんせーが取り押さえた。
殺「よくもナメたマネしてくれましたね!押し倒して隅から隅まで手入れしてやるヌルフフフフフフ」
茅野「……なんか下着ドロより危ない事してるみたい」
カルマ「笑い方も報道されてる通りだしね……」
殺「さあ顔を見せなさい!偽物め!!」
殺せんせーは男のヘルメットを取った。
その顔に、俺たちは見覚えがあった。
不破「あの人……!確か…」
友「烏間先生の部下の…鶴田さん…?」
殺「なんで貴方がこんな……」
その時、殺せんせーの周りを白いシーツが囲んだ。
一同「…!?」
シロ「国にかけあって烏間先生の部下をお借りしてね。この対先生シーツの檻の中まで誘ってもらった。君の生徒が南の島でやった方法だ。当てるよりまずは囲むべし」
殺「この声は……!」
シロ「……さぁ殺せんせー。最後のデスマッチを始めようか」
イトナ「…………」
寺坂「……イトナ…!!」
一連の事件は全てこいつらが仕組んだ事だったのか!
シロ「まずフィールドを劇的に変化させ、それから襲う。当てるよりまずは囲うが易し。君達の戦法を使わせてもらったよ」
シーツの中では乱闘が起きているのだろうか。凄まじい音が鳴り響き、時々シーツがへこむ。
友「シロ…!これ全部お前の計画か…!!」
シロ「そういう事。街で下着ドロを重ねたのも…殺せんせーの周囲に盗んだ下着やら色々と仕込んだのもね……。この彼を責めてはいけない。仕上げとなるこの場所だけは、下着ドロの代役が必要だったもんでね」
鶴田「…すまない。烏間さんの更に上司からの指示だ…。やりたくないが…断れなかった」
………!!
殺「生徒の信頼を失いかければあの怪物は慌てて動く。そこにきて巨乳アイドルの合宿という嘘情報。多少不自然でも飛び込んできてしまうあたりが間抜けだねぇ」
嘘情報……!?そこまで仕組んでいたのか…!!
寺坂「くそ…俺らの
不破「いっつもいやらしいとこから手ぇ回して…!!」
シロ「それが大人ってものさ。そうだ!中の様子が見えないと不安だろう。私の戦術を細かく解説してあげよう…。
シーツに見せて囲ったのは対先生繊維の強化布。とても丈夫で戦車の突進でも砕けない。独特の臭いは洗剤臭でごまかせた。
そして、イトナの触手に装着したのは、刃先が対先生物質で出来たグローブ。高速戦闘に耐えられるよう混ぜ物をしてあるので、君達が使うナイフと比べて効果は落ちるが……触手同士がぶつかる度じわじわ一方的にダメージを与える。
そしてイトナの位置取り。常に上から攻撃して標的を逃がさない。これで仕留められないようではね……」
布越しにイトナの声が聞こえてくる。
イトナ「俺の勝ちだ。兄さん。お前を殺してたった1つの問題を解く。即ち…最強の証明…!!」
次は殺せんせーの声が聞こえてきた。
緊迫した声ではなく、いつも通りの声で。
殺「ええ見事ですイトナ君。一学期までの先生ならば殺られていたかもしれません。でもね、君の攻撃パターンは単純です。いかに速くても、いかに強くても、いかに保護者が策を積み上げても、いかにテンパりやすい先生でも、3回目ともなればすぐに順応して見切ることが出来るのです」
イトナ「バカな…こんなはずが…!!」
殺「イトナ君。先生だって学習するんです。先生が日々成長せずして…どうして生徒に教える事が出来るでしょうか」
殺せんせー……!!
殺「さて、厄介な布の檻を始末しますか。夏休みの完全防御形態の経験を通して、先生もひとつ技を習得しました。全身ではなく……触手の一部だけを圧縮して、エネルギーを取り出す方法…」
布の向こうで何が起きてるんだ…!?
それに、このパワーは……!?
殺「覚えておきなさいイトナ君。先生にとって暗殺は教育。暗殺教室の先生は…教える度に強くなる」
その時、強い衝撃波が起きた。
シーツが吹っ飛び……窓ガラスが割れ、俺らも飛ばされそうになった。
不破「きゃあっ…!」
友「優月…!大丈夫か?」
不破「う、うん…!////」
衝撃波で体制を崩した優月をギリギリで支える。
イトナ(なぜ…勝てない…。俺は…強くなったはずなのに…)
殺「…そういう事ですシロさん。この手の奇襲はもう私には通じませんよ。彼をE組に預けて大人しく去りなさい。あと、私が下着ドロじゃないという正しい情報を広めてください」
茅野「私の胸も正しくは…び、Bだから!」
茅野…まだ諦めてなかったのか……。
Bねぇ…優月より無さそうに見えるけど…。
不破「……友君…?」
友「いや今声出してなかったよね!?心の中読まないでもらえる!?」
不破「あとで覚えといてね♡」
友「は…はい」
その時、イトナが突然うずくまった。
イトナ「い……痛い…!!脳みそが裂ける…!!」
友・不破「…!?」
シロ「…度重なる敗北のショックで精神を蝕み始めたか。ここいらがこの子の限界かな。これだけの私の術策を活かせないようではね……」
な、何を言って……!?
シロ「イトナ。君の触手を1ヶ月健全に維持するのに火力発電所3基分のエネルギーがいる。これだけ結果が出せなくては組織も金を出さなくなるよ。君に情が無いわけじゃないが…次の素体を運用するためにもどこかで見切りをつけないとね。
さよならだイトナ。あとは1人でやりなさい」
こいつ……!!
殺「待ちなさい!あなた、それでも保護者ですか!?」
シロ「教育者ごっこしてんじゃないよモンスター。何でもかんでも壊すことしか出来ないくせに。私は許さない。お前の存在そのものを。どんな犠牲を払ってもいい。お前が死ぬ結果だけが私の望みさ。それよりいいのかい?大事な生徒をほっといて…」
シロはそのまま去っていった。
ふとイトナの方を見ると……。
イトナ「ハーッ……ハーッ………」
どうやら我を失っているようだ。
その視線の先には……。
不破「え…っ…?な、何……?」
優月……!
イトナは優月に向かい飛びかかる。
友「危ないっ…!!」
不破「ゆ、友君……!」
俺は優月を突き飛ばし、代わりに攻撃を受ける……。
と思ったら…
殺「ぐっ……!!」
殺せんせーが俺の代わりに攻撃を受けてくれた…。
友「殺せんせー……!」
イトナはそのまま叫びながらどこかへと消えてしまった……。
一同「………!!」
イトナ……。
一体どこに行ったんだ……?
それにシロのやつ……許さねぇ…!