真弓兄弟の暗殺教室   作:Ncwe?

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第61話 紡ぐ時間

《新 side》

 

イトナが何やかんやあって正式にE組のクラスメイトになって一日。

 

放課後、俺と渚がイトナの席に向かうと、イトナは何かを作っていた。

 

渚「い、イトナ君……?」

 

新「それ、何作ってんの?」

 

 

イトナ「見ての通り、ラジコンの戦車だ。昨日一日あのタコに勉強漬けにされてストレスが溜まった。腹が立ったから…こいつで殺してやる。寺坂が馬鹿面で俺に言った」

 

寺坂「アァ!?」

 

イトナ「『100回失敗してもいい』と。だから失敗覚悟(ダメ元)で殺しに行く」

 

渚「殺しに行く…って」

 

杉野「でもこれ…なんかスゲーハイテクだぞ!?」

 

並の中学生が作るもんじゃない…。

電子工作のレベルが高すぎる…!

 

磯貝「すごいなイトナ…。自分で考えて改造してるのか」

 

イトナ「親父の工場で基本的な電子工作は大体覚えた。こんなのは寺坂以外誰でもできる」

 

イトナ…触手を持ってた頃と全然違う……!

毒舌は変わらないけど。

 

気付けばイトナの周りにはほとんどの男子が集まっていた。(兄貴とカルマ以外)

 

イトナ(……触手が俺に聞いてきた。『どうなりたいのか』を。『強くなりたい』と答えたら、それしか考えられなくなった。ただ朦朧として、戦って勝つ事しか。

 

『最初は細い糸でいい。徐々に紡いで強く成れ。それが『糸成』…お前の名前に込めた願いだ』

 

なんで忘れてたのかな。自分のルーツを)

 

イトナはラジコン戦車を走らせた。

そして、置いてあった缶ジュースに向かってBB弾を発砲した。見事に全弾命中し、缶は倒れた。

 

菅谷「すげぇ…。走ってる時も撃つ時もほとんど音がしねぇ」

 

千葉「こいつは使えるな…」

 

イトナ「電子制御を多用する事で、ギアの駆動音を抑えている。ガン・カメラはスマホの物を流用した。銃の照準と連動しつつ、コントローラーに映像を送る」

 

前原「お〜!スパイっぽい!」

 

イトナ「それと…。もう1つお前らに教えてやる。狙うべき理想の一点。シロから聞いた標的(ターゲット)の急所だ」

 

殺せんせーの急所…!?

 

イトナ「やつには“心臓”がある。位置はネクタイの真下。そこに当たれば一発で絶命出来るそうだ」

 

一発で……!?

 

 

 

前原「お、そろそろ職員室だな」

 

三村「でも…殺せんせーいないな」

 

村松「チッ。出かけた後か」

 

岡島「しゃーねぇ。試運転兼ねてそこら辺偵察しようぜ」

 

 

その時、女子の声が聞こえてきた。

 

『校庭まで競走ね〜!』

 

『あ、ずる〜い!』

 

そして、戦車の上を通り過ぎて言った。

 

男子のほとんどは…カメラに釘付けになっていた。

 

 

 

岡島「……見えたか?」

 

前原「いや、カメラが追いつかなかった……!」

 

三村「視野が狭すぎるんだ…!」

 

あれ?なんか皆さっきまでと様子が……。

 

 

村松「カメラ、もっとデカくて高性能なやつにしたらどーよ?」

 

イトナ「重量がかさむ。機動力が落ち、標的の補足が難しくなる」

 

竹林「……ならば。カメラのレンズを魚眼にしたらどうだろうか」

 

一同「竹林…!!」

 

─参謀─ 竹林孝太郎

 

竹林「送られた画像をCPUを通して歪み補正すれば、小さいレンズでも広い視野を確保できる」

 

岡島「……わかった。視野角の大きい小型魚眼レンズは俺が調達する」

 

─カメラ整備─ 岡島大河

 

竹林「律!歪み補正のプログラムは組めるか?」

 

律「はい!用途はよくわかりませんがお任せください!」

 

前原「録画機能も必要だな」

 

岡島「ああ。効率的な改良の分析には不可欠だ」

 

下着ドロにはドン引きしてたくせに……。

 

前原「これも全て暗殺のためだ!女子(ターゲット)を追え!えーっと…試作品一号!!」

 

戦車は勢いよく飛び出し……

 

 

段差で転がってしまった。

 

 

木村「……復帰させてくる!」

 

─高起動復元士─ 木村正義

 

竹林「段差に強い足回りも必要じゃないか?」

 

吉田「俺が開発する。駆動系や金属加工には覚えがある」

 

─駆動系設計補助─ 吉田大成

 

村松「車体の色が薄いカーキなのも目立ちすぎるな」

 

岡島「戦場に紛れる色だからな。学校の景色に紛れないと標的に気付かれる」

 

菅谷「引き受けた。学校迷彩、俺が塗ろう」

 

─偽装効果担当─ 菅谷創介

 

前原「ラジコンは人間とはサイズが違う…。快適に走り回れるよう俺が歩いて地図を作ろう」

 

─ロードマップ制作─ 前原陽斗

 

岡島「よし、明日朝集まって試運転だ」

 

一同「おう!」

 

 

磯貝「……みんな、エロのことになると我を忘れるんだな」

 

渚「ほんとにゲスいね…」

 

新「これ…一応暗殺に使うんだよな…?」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

翌日──

 

女子のスカートの中を覗くために男子が集まった。

俺、渚、磯貝、千葉辺りは巻き込まれただけだが。

 

岡島、前原、吉田はそれぞれの役割を果たし、菅谷は完璧な学校迷彩を戦車に施してきた。

 

なんでこんなにも仕事が早いんだこいつら。

 

村松「お前ら、腹が減っちゃ開発()は出来ねーだろ。飯作ってきてやったぞ」

 

─糧食補給班─ 村松拓哉

 

 

岡島「よっしゃ!早速走らせるぞ!!」

 

磯貝「お前ら、一応言っとくが暗殺のための戦車だからな?」

 

岡島「わかってるって!」

 

渚「……なんでこういう時は誰も遅刻しないんだろ」

 

竹林「………律が起動する前に終わらせる必要がある。彼女を傷つけたくない」

 

渚「……う…うん…」

 

 

戦車は校庭の中を走っていく。

ロードマップのお陰でかなり走りやすそうだ。

 

その時、カメラの向こうから声が聞こえてきた。

 

『ん…?なんだこれ』

 

今の声……兄貴!?

 

三村「おい…今の」

 

岡島「ああ…!友の声だ。一体なぜだ…!?」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

《友 side》

 

今日、俺はいつもより早く学校に来て、時計型麻酔銃を優月に披露していた。殺せんせーに麻酔が効くかを試したいので、バレないように校舎裏でこっそりとね。

 

友「どーよこれ!『時計型麻酔銃』!!イトナと奥田に頼んで作ってもらったんだ!」

 

不破「凄い……!!ほんとに麻酔針出るの?」

 

友「おう!」

 

そう言って俺は時計を構え、スイッチを押す。

 

時計から麻酔針が打ち出され、近くの木に刺さった。

 

友「ほら!ちゃんと発射される!」

 

不破「凄い!探偵には必須の道具じゃん!」

 

友「そうだろ〜……ん?なんだこれ」

 

振り向くとそこには…小さな戦車があった。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

《新 side》

 

いつもより早く出ていったと思ったら……。

 

前原「お、おい…まずくねーか」

 

兄貴は戦車を持ち上げた。

 

友『戦車?イトナかな……こっち側に来ないでくれよ?麻酔銃の練習するんだから』

 

兄貴は戦車を少し遠いところへ移動させ、再び麻酔銃の練習をし始めた。

 

岡島「…な、何とか無事で済んだな」

 

菅谷「ああ…」

 

前原「じゃあ…校舎裏方面じゃなくて森の方面に行ってみるか」

 

三村「なぁイトナ。こんだけ皆で改良に参加するんだ。機体に開発ネームでも付けたらどうよ?」

 

イトナ「……考えておく」

 

 

寺坂「おい!慎重に近付かねーとまた転ぶぞ!どけ、俺が替わる!」

 

イトナ(……最初から、ここから始めれば良かったのかな……)

 

 

前原「おいまたぶつかったじゃん!寺坂下手すぎ!」

 

寺坂「んだとォ!」

 

岡島「………ん?何だこの影」

 

戦車の目の前には……ニホンカワウソがいた。

 

 

前原「バケモンだぁぁぁ!!!!」

 

菅谷「に、逃げろ!!」

 

寺坂「いや撃て…!!」

 

戦車はカワウソに向かって発砲するが、全く効いていない。

 

木村「ダメだ!銃の威力が全然足りねぇ!」

 

岡島「ここも要改造だ!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

なんとか木村が回収しに行ったものの…戦車はボロボロになっていた。

 

岡島「次からはドライバーとガンナーを分担しないとな…射撃は頼むぞ。千葉」

 

千葉「お……おう」

 

─搭載砲手─ 千葉龍之介

 

イトナ「開発には失敗(ミス)がつきもの」

 

イトナは機体に、マジックペンで『糸成Ⅰ』と書いた。

 

イトナ「糸成一号は失敗作だ。だが、ここから紡いで強くする。100回失敗してもいい。最後には必ず殺す。よろしくな。おまえら」

 

前原「おうよ!」

 

殺意が結ぶみんなの絆。また楽しくなりそうだ。

 

岡島「よっしゃ!三月までにはこいつで女子全員のスカートの中を偵察するぜ!」

 

渚「趣旨が変わってるよ岡島君……」

 

片岡「スカートの中がなんですって…?」

 

岡島の後ろには、既に女子が複数名登校していた。

勿論、今の岡島の発言は聞かれている。

 

岡島「か、片岡ァ!?」

 

岡野「聞いてたわよ」

 

矢田「男子サイテー」

 

 

片岡「ちょっと…これ誰が言い出しっぺ?」

 

イトナ「岡島」

 

岡島「おい!!」

 

 

律「おはようございます!あ、岡島さん!歪み補正のプログラム出来てますよ!」

 

岡島「ちょ……!待ってくれ!俺だけじゃない!なぁ前原!」

 

前原「いや知らん。俺を巻き込むな(棒)」

 

岡島「汚ぇぞ!!」

 

 

磯貝「いいや。皆観念するんだな」

 

 

片岡「どっちみち…あんたら全員共犯ね?」

 

矢田・岡野「男子サイテー……」

 

 

岡島「い、いやこれは……!!」

 

友「岡島……」

 

岡島「ゆ、友……!?」

 

兄貴までやってきた。しかもちょっとキレてる。

 

友「女子全員ってさぁ…優月も含まれてんのかなぁ……?」ギロリ

 

姉貴のスカートが狙われてると知って粛清しようとしてんのか…。

さすが…恋人思いですこと。

 

 

不破「友君……同情の余地は無いよ」

 

友「おう。この時計型麻酔銃の出番だな」

 

岡島「ま、麻酔ィ!?」

 

友「えい」プシュッ

 

岡島「うぉっ……ふにゃぁ……」zzz

 

その後、岡島はしばらく熟睡した。

 

 

その後、兄貴は教室にやってきた殺せんせーに麻酔銃を撃ち、殺せんせーは避けることなく麻酔針を受けたが一切効かなかった。

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