《友 side》
友「優月。一緒に帰ろ」
不破「うん!」
今日も一日が終わり放課後。
いつも通り、優月と2人で帰っていた。
不破「凄かったね〜時計型麻酔銃!」
友「ああ。優月の分も頼んでみるか?」
不破「いいの?欲しい!」
友「じゃあ明日イトナと奥田に聞いてみるか」
不破「やったー!」
友「……なぁ優月。明日…うち来ないか?」
不破「えっ…!」
友「…その…俺ら、付き合ったじゃん?だから…お家デートって言うの?したいなって……///」
やばい…めっちゃ顔赤くなってる…。
不破「い、いいよ!じゃ…じゃあ私、直接友君の家行くから…待ってて!」
友「う、うん!わかった!」
不破「じゃ、じゃあ!私もう家着くし、帰るね…!////」
友「…おう!」
やばい…!
デート決まった……!!
なんだろ…今まで2人で出かけるとかあったけど、今までの数倍緊張する…!
不破(………学校ではなんとか意識しないように頑張ってたけど…お家デートって…あぁ…緊張する…!////)
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《不破 side》
……うん…。割とお洒落した方じゃないかな…。
緊張しすぎて何着ればいいのかわかんなくて…可愛いの選んでみたけど…。似合ってるかなぁ…これ。
うう…インターホン押すの緊張しちゃうなぁ…。
ピンポーン
鳴らしちゃった…。この待ってる時間が1番緊張するんだよなぁ…。
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《友 side》
ふぅ…。新に頼んで結構お洒落してみたけど…。
似合ってんのかな…。
新は似合ってるって言ってくれたけど、優月はどう思うかなぁ…。
ホントなら優月に買ってもらったやつ着たいけど、夏用だし…。
今日寒いし…。
ピンポーン
そうこうしてるうちにインターホンが鳴った。
優月かな…?早く出ないと……!
俺は急いで玄関に向かい、ドアを開けた。
不破「……友君。お…おはよう///」
ドアを開けると、優月がいた。
いつもの数倍可愛い……。
不破(友君……いつもの数倍カッコいい…///)
友「おはよう…。上がっていいよ」
不破「お、お邪魔します!」
ど…どうしよう。とりあえず服を褒めよう…!
友「…に、似合ってるよ!その服!」
不破「ほんと?似合うか心配だったんだよね…。私には可愛すぎる服かなって…」
友「似合ってる!凄く可愛い!」
不破「!!////」
や、やばい…。つい思い切り可愛いって言ってしまった!
は、はずい…。
不破「……友君も。その服…凄く…カッコいいよ//」
……!!!
友「ほんと?嬉しい!」
やばいやばい!緊張する…。
……緊張ほぐさないと…上手く話せない。
友「………とりあえずジャンプでも読むか」
不破「そ、そうだね!」
……緊張してお互い話せないとか…らしくないな。
いつも通りでいいんだ。いつもの様にジャンプを読んで、他愛も無い話して……。
それでいいんだ…。
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《不破 side》
友君はいつもの様に2階へ向かおうとする。
ふと辺りを見渡すと、1階には大きいロビーやキッチンの他に2、3個部屋がある。
1階を自分の部屋にした方が楽な気がするんだけど…。
不破「ねぇ友君…。気になってたんだけど、1階にも沢山部屋あるよね?2階も、友君と新君の部屋以外にも色々…。他の部屋って何があるの?」
友「………」
友君の表情が曇った。
まずい……私、余計な事言っちゃったかも…。
友「…まだ話してなかったね。じゃ、折角だから部屋紹介するよ。1階から」
友君は2階に登る足を止め、1階の部屋へと向かった。
友「このロビーとキッチンは知ってるだろ?まずはこの部屋。書斎だよ」
扉を開けた先には、かなり多くの本が並んでいた。
小説や図鑑、絵本、漫画、歴史的な書物もある。
不破「凄い……」
友「元々叔父はこういうの集めるの好きだったからね。その後、残った親の遺品の書物もこの辺に入れてあるし…。俺も新も読まないからホコリまみれだけど」
不破「なんか…勿体ない感じするね」
友「そうなんだけど…。何せこんな沢山の本、少しずつ売っていっても5年くらいかかるし、一気には持ち出せないし…………まぁ最大の理由は虫が居そうで怖いからだけど」
友君らしいって言えば友君らしい……。
友「倉橋とか狭間辺りを呼ぼうか迷ったけど面倒くさくてやめた。ていうかあの二人一緒に呼ぶと温度差凄そうだなって」
不破「そ…そうなんだ。そういえば、私のお父さん古本屋経営してるんだけど…」
友「マジで?金はいいからこれ引き取ってくれないかな?」
不破「でも、大切な遺品でしょ?」
友「そうなんだけど、叔父が亡くなる前言ってたんだよね。凄く邪魔だって。実際俺らにとっても邪魔だし、誰かに読んでもらう方が幸せでしょ」
不破「じゃあ、今度紹介するよ!」
友「よろしく!じゃあ次の部屋行こう!」
次の部屋の中もかなりホコリが溜まっていた。
友「俺と新の部屋は、小さい頃叔父の家に遊びに言ってた時に俺が使ってたからあそこに決まったんだ。んで、ここは父が使ってたところ」
書斎に比べると少ないけど、それでも多くの本が並んでいる。
近くの段ボールには、友君のお父さんの遺品と思われるものが入っていた。
友「……前も言ったけど、両親かなり金持ちで、色んな所連れてってくれた。でも、その分色んな人に恨まれてたのかもな。俺の前では優しい父親だったけど…」
不破「友君…」
友君の表情はどこか悲しげだった。
まるで…幼い頃のお父さんとの記憶を思い出しているような……。
友「…次の部屋行こう。母の部屋だ」
友君のお母さんの部屋にはホコリは無かった。
パッと見不思議だったけど、中を見て納得した。
友君の家族のお仏壇があった。
友君のお父さん、お母さん、叔父さん、お爺さん、お婆さんの写真が飾られてあった。
こうして見ると…友君は多くの家族を失ってしまったんだな…。
友「………。俺…E組で皆と会えて良かったよ。もし会えてなかったら…俺は……」
友君の表情が段々弱々しくなっていく。
私は咄嗟に友君の手を取った。
不破「友君は1人じゃないよ…!私や、新君や、皆がいるから……!」
友「……優月……ありがとう。……父さん、母さん、爺ちゃん、婆ちゃん、叔父さん。俺さ…いい仲間に巡り会えたよ…。可愛い恋人も出来たし…。だからさ。天国で見ててね…」
友君は写真に向かって話し続ける。
私は…『可愛い恋人』と言われて赤面してしまった。
友「さ、1階はこれで終わり。2階に行こっか」
2階の階段を登り、辺りを見回すと、友君、新君の部屋以外に2つ部屋があった。
友「1つは…ご覧の通りなーんも置いてないよ。元々置いてあった叔父のものを移動させたからね。他と比べて掃除しやすいからここは結構綺麗だね」
本当に何も置いてないみたい……。
友「……もう1個は…叔父の部屋だよ。ここには、叔父だけじゃなくて、父や母、祖父母の遺品もいくつか置いてある……。よくここで遊んでたよ」
棚には何冊か本が並んでいて、レコードも置いてある。机にもメモ帳のようなものが乱雑に置かれていて、近くには蓄音機がある。
不破「このメモ帳って…」
友「父や叔父が書いてた日記だったっけな。俺は読んだことないから……ホコリまみれだな」
友君は1冊メモ帳を取り出して中を見始める。
友「かなり前のだけど、多分父の字だね。……ん?」
友君はペラペラとページを捲っていくが、途中で日記は終わっていた。
そして、少し気になったのか、白紙の数ページ前から読み始めた。
『×月×日 最近何者かに命を狙われている気がする。以前も似たような事があったな…。あの時の殺し屋は追い返したが、また私の命を狙いに来たのか…?私が死んだら家族が困るだろう……。ボディーガードをもう少しつけておこう。』
『×月×日 やはり誰かに見られているような気がする。ここのところ海外に行かず、この椚ヶ丘に定住していたせいで居場所がばれ、誰かが殺し屋でも雇ったかもしれない。人に恨まれる事が多い職業だから仕方がないか。』
『×月×日 妻にこの事を相談すると、自分も感じていたと言うではないか。もしかしたら、何者かは私だけではなく、妻まで狙っているのかもしれない。』
『×月×日 今度船で海外へ行くことになった。仕事で行く上、殺し屋が狙っているとなると迂闊に子供を連れては行けないが、友も新も行く気満々だ。無理もない。最近はどこも行かなかったからな。最後かもしれないし、連れて行ってやろう。』
『×月×日 新が高熱を出した。とりあえず、出かける間は父に見てもらおう。兄も友も残念そうにしている。船に乗るのは明日だと言うのに…。』
『×月×日 今日は船で海外へ向かう。もしかしたら今日が私と妻の命日になるかもしれないから、朝のうちに書き記しておく。もし私が死んだら、これを友と新は読んでくれるだろうか…。読んでくれると信じ、2人に何か書き残しておこう。
まずは友。私の自慢の息子よ。私が死んでも、健康で、楽しい人生を送ってほしい。沢山の友達と遊んだり、恋をしたり……普通の人生を送ってくれると嬉しいよ。
そして新。君と出会ったのは運命かもしれない。これからも、友と2人で仲良くしてくれると嬉しい。君にも普通の人生を送って欲しいし、君は人を笑顔にさせるのに長けている。そんな職業に就いてほしいなぁ。
2人とも私の愛する息子たちだ。
私たちよりも長生きしてくれよ。
いつでも見守っているからな。』
友君は、日記を読み続けた。
最後のページには、父親から友君、新君へのメッセージが綴られてあって…友君は瞬きもせずに見入っていた。
しばらくすると、友君は日記を閉じ、元の場所に戻した。
友君の目は…涙を浮かべていた。
友「……こんなことが書いてあるなら、もっと早く読んでおくべきだったな…。ごめんな父さん……思い出したら辛いからって…今まで手付けなくてさ…」
不破「…きっと、お父さんも天国で喜んでるよ」
友「……うん。ずっと…ずっと見守ってくれてるからね………うっ…うう…」
友君の目から涙が零れた。我慢していたんだ。私に…弱いところを見せたくないから。
不破「……友君、泣きたい時は泣いてもいいんだよ」
友「……うん……う…うあぁ……うわぁぁっ……!」
友君は…泣き崩れた。
いつもよりも弱々しく…。
私は…友君の手をそっと握った。
私に出来ることは、寄り添ってあげることしか無いから……。
しばらくすると、友君は泣き止んで…立ち上がった。
友「……ごめんな。折角のお家デートなのに…しんみりした雰囲気にしちゃって」
不破「そんな…私は全然気にしてないよ」
友「そっか……。ありがとうな。優月のお陰で、あの日記を読むことが出来たから」
不破「……私はね。今まで何回も友君に守ってもらったから。少しでも友君の力になりたいんだ。だから、何でも相談してね」
友「…ああ。ありがとう。……優月が俺の恋人で良かったよ…。これからもよろしくね」
不破「……!/// う、うん!///」
それから、2人でジャンプを読んだり、アニメを見たり、ゲームをしたりして……
時間が過ぎていった。
不破「あ…そろそろ帰らないと……」
友「じゃあ送るよ。夜道は危険だからね」
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不破家の近辺──
不破「今日は楽しかった!誘ってくれてありがとう!」
友「こっちこそ。優月のお陰で、日記読めたんだから。凄く感謝してるよ」
不破「じゃあまた学校でね!」
友「ああ。お互い頑張ろうな!」
私は家の中へ、友君は自分の家へと帰っていく。
私たちは、気付くべきだったのかもしれない。
私の家へと向かっている途中──
背後に『あの男』がいた事に。
???「………………。今回で決着をつけたいところだね……。
『真弓友』君……」
なんか不穏な雰囲気ですねぇ
でも『彼』が再登場するのはもう少し先かな?