真弓兄弟の暗殺教室   作:Ncwe?

66 / 87
第65話 リーダーの時間

 

磯貝「よっし皆!!いつも通り殺る気で行くぞ!!」

 

E組男子「おう!!」

 

 

ついに、A組 VS E組の…棒倒しが開幕する!!

 

実況『両者整列!椚ヶ丘中体育祭棒倒しのルール説明!相手側の支える棒を先に倒した方が勝ち!掴むのは良いが殴る蹴るは原則禁止!武器の使用も勿論禁止!例外として、棒を支える者が足を使って追い払うのや、腕や肩でのタックルはOKとする!なお、チームの区別をする為、A組は帽子と長袖を着用すること!』

 

 

帽子って………。

 

友「あれヘッドギアだろ……」

 

岡島「要するにあっちだけ防具ありか」

 

確実に潰しに来てんな…。

 

 

磯貝「……行くぞ!『完全防御形態』!!」

 

─E組初期陣形─ 完全防御形態

全員が防御に回り、攻められてもビクともしない無敵状態!

 

 

実況『おっと!?E組ガチガチの全員守備!戦力差に今更ビビったか?』

 

 

A組の方は……アメリカの留学生が小隊引き連れて来るな。つーか明らかに体格おかしいだろあれ。

 

…多分向こうは俺らが普通のカウンターを狙ってると思ってるな。だからアメリカでビビらせてボコボコにするって算段だろう。

 

アメリカがこっちに駆けてくる。

あんなの普通の人がまともに受けたらひとたまりもねぇな。

 

吉田「くっそ!」

 

村松「無抵抗でやられっかよ!!」

 

吉田、村松の2人がアメリカに向かって走っていく。

 

しかし、アメリカタックルにより2人は観客席までぶっ飛ばされてしまった。

 

実況『まずは2人ーー!』

 

 

新「……なんて威力だ」

 

木村「客席まで10mあんのに…」

 

 

茅野「や、やばいよ殺せんせー!」

 

不破「どんなに固まってても、1人ずつ吹っ飛ばされたら意味無いよ…!」

 

 

 

アメリカ[亀みたいに守ってないで攻めたらどうだ。フン。と言っても通じないか]

 

流石アメリカ人……。流暢な英語使うぜ。

 

カルマ[いーんだよこれで…]

 

新[今の2人はE組の中でも最弱って感じだよ]

 

カルマ[ごたくはいいから攻めてくればぁ?]

 

お前らも流石だよ…。よくそんな会話できるな…。

 

 

アメリカ達はその言葉を聞いて、俺たちに掴みかかろうとする。

 

磯貝「今だ皆『触手』!!」

 

棒を守っていた数名が飛び上がり、アメリカ共を上から押さえ込む。

 

E組陣形……『触手絡み』…!!

 

実況『E組、上からかわして押さえこんだ!さ、さらに…自軍の棒をなんと自ら半分倒して、棒の重みでガッチリ固めた!!』

 

掟破りの自軍の棒倒し……!!

流石の浅野でも想定外だろ!

 

寺坂「棒を凶器に使うななんてルールは無いからよ!」

 

 

実況『しかし、すかさずA組温存部隊が救援に行く!いよいよ激戦も本格化か!?』

 

 

A組が両サイドから攻めてきた……!

 

磯貝(……真ん中に隙がある。攻めるなら敵戦力が分散してきた今しかない…!)

 

 

磯貝「よし出るぞ!攻撃部隊!!作戦は『粘液』!」

 

前原・友・岡島・木村・新・杉野・カルマ「おう!」

 

 

実況『おおっとE組ここで攻める!たった8人で中央突破だ!これを見たA組、E組を追って防御に戻る!』

 

 

杉野「な、何!?」

 

岡島「攻撃はフェイクかよ…!」

 

磯貝「……行くぞ皆!作戦決行だ!!」

 

 

烏間「まるで詰将棋だ。守備陣があれほど完璧に抑えたのに、戦況はどんどん不利になる一方だ……。こちらはどうする。彼らが負傷するのは防衛省としても避けたいぞ」

 

殺「ヌルフフフ。大丈夫ですよ。社会科の勉強がてら助言しました。『作戦の全てに常識外れを混ぜなさい』とね」

 

 

メガネのモブ(高田)「お、囲まれた囲まれた〜」

 

ニキビのモブ(田中)「さぁリンチタイムだ……ってん?………なんで全員こっち来んの!?」

 

E組陣形 『粘液地獄』!!

 

客席に逃げ込み、混乱を招く!!

 

カルマ[来なよ。この学校全てが戦場だよ]

 

 

実況『なんとE組、客席まで逃げ始めた!!それを追うA組で会場は大パニック!かわす!かわす!かわし続ける!椅子と客を器用に使って逃げ回るE組!客席はカオス状態だ!』

 

浅野(……体育祭の動きを見ている限り、E組の運動能力はやたら高い。その中でもあの8人は上位に入る。逆に言えば、あいつらさえ押さえ込めばもうE組は何も出来ない!)

 

 

 

渚(…野球の時と同じだ。棒倒しとはとても言えない異形の棒倒し…)

 

寺坂「…見ろよ。渚」

 

渚(ただ、全校生徒の目が変わり始めているのを感じた。『今度のE組らどんな手で勝つ気なのか』という、興味の視線に)

 

 

浅野「…橋爪!田中!横川!深追いせず守備に戻れ!混戦の中から飛び出す奴を警戒するんだ!」

 

 

浅野(棒倒しで最も危険な敵の攻撃は、先端に取りつかれる事だ。揺さぶられると少人数でも棒が不安定されてしまう。あの8人でその攻撃が可能なのは……前原、杉野はスピードはあるが加速が遅い。岡島も良い動きではあるが、この8人の中では劣る。真弓友は反射神経はあるがスピードにやや欠ける…)

 

 

浅野「磯貝、木村、赤羽、真弓新の4人は特に注意だ!その位置で見張っていろ!」

 

 

 

殺「親譲りですねぇ。浅野君は。敵味方の能力、そして戦況をよく把握している」

 

 

 

浅野(…この棒倒しが異形になるのも想定済み…。E組の目的はA組の棒を倒す事。A組の目的はE組を潰す事。ゴールが違う……。A組はいざとなれば、E組の棒も数に任せて容易く倒せる。棒を倒されて敗北しても、磯貝は校則違反を告発され路頭に迷う。それが嫌なら攻める指令をみんなに出せ…。鉄壁の防御で全員まとめて潰してあげよう。選ぶのは君さ…E組リーダー!!)

 

 

磯貝「…!」

 

友「悠馬!そろそろじゃないか!?」

 

磯貝「ああ!」

 

 

E組の作戦の土台になったのは、椚ヶ丘中の名物『観客席の近さ』だ。どの競技も一番迫力がある距離で観戦できる。この学校の粋な所だ。

 

それを利用した客席に逃げ込む戦術と、そして…次の手だ。

 

 

A組「おいどうなってるあっち」

 

A組「うーん…素早いなあいつら」

 

A組の防御が俺らに釘付けになっている隙に……観客席から、吉田と村松の2人がA組の棒へ!!

 

浅野「何……!?」

 

実況『なっ!?ど、どこから湧いた!?いつの間にかA組の棒にE組2人が…!?』

 

 

浅野(こいつら、序盤でぶっ飛ばされた…!?)

 

吉田「ヘッ…受け身は嫌ってほど習ってっかんな!」

 

村松「客席まで飛ぶ演技だけが苦労したぜ!」

 

2人には負傷退場のフリをして別動隊になってもらい、客席の外側から忍び寄ったのだ!A組全員の注意が逆サイドの乱闘に向いた隙にな!

 

磯貝「今だ…!逃げるのは終わりだ!!全員『音速』!」

 

前原「よっしゃあ!!」

 

俺たち攻撃部隊8人はA組の棒へと向かう。

 

そして、飛びかかる!!

 

実況『E組、A組の懐に入ったーー!』

 

 

前原「どーよ浅野!どんだけ人数差あろうがここに登っちまえば関係ねー!」

 

そう…!無理に引きはがそうとすれば棒まで倒れる…!

 

 

その時、浅野は自らのヘッドギアを投げ捨てた。

 

そして、浅野は吉田の腕を掴み、そのまま棒の下へと落とす。

 

更に岡島に向かって蹴りを入れ、棒の下まで吹き飛ばした。

 

友「吉田……!岡島……!」

 

実況『な、なんと浅野君!一瞬で2人落とした!!』

 

浅野「君達如きが僕と同じステージに立つ……。蹴り落とされる覚悟は出来ているんだろうね……」

 

浅野はバランスを崩すことなく俺らに攻撃を続ける。

俺らは防御で一杯で棒を倒す所ではない……!

 

 

 

速水「……やばい。詰みかけてる。客席に散ってたA組も戻りつつある。このままじゃ囲まれてリンチだよ」

 

矢田「そんな…!」

 

不破(友君………!!)

 

 

殺(1人で戦況を決定づける強いリーダー。彼が指揮をとる限りA組は負けない。磯貝君はそういうリーダーにはなれないでしょう。なぜなら、君は1人で決めなくてもいいのだから)

 

悠馬は浅野によって棒の下へと落とされてしまう。

 

しかし、その悠馬の背中を踏み台として使い、新たに4人…守備部隊の渚、航輝、千葉ちゃん、創ちゃんが棒にしがみついた。

 

 

浅野「何……ッ!?」

 

 

A組「ちょっと待て!?あいつら守備部隊だぞ!?」

 

A組「ってことは、E組の守備は2人だけ!?どーやって押さえてんだあれ!」

 

そう。現在アメリカ達を押さえているのは竹林と寺坂だけだ。

 

竹林「……梃子の原理さ」

 

生徒「……梃子なのか?」

 

生徒「梃子なら…そうなのか?」

 

 

寺坂「梃子って言っときゃ案外どいつも納得すんな」

 

竹林「もちろん方便さ。さすがに2人で5人も押さえるのはちょっと無理だ」

 

寺坂「だろうな」

 

竹林[でも君たちは抜けれるけど動けないよね。5対2なら棒が簡単に倒せてしまう。けど、君たちの第一目標はE組全員を潰す事だろ?棒を倒す指示はまだ出てないはずだ……。指示を出せる君らの司令塔(リーダー)は、今ちょっと忙しそうだ。浅野君だからまだ何かすごい作戦があるのかもね…。迂闊に動かず大人しく指示を待ってた方が懸命だろうね]

 

アメリカ[このメガネ腹立つ!!]

 

 

 

浅野(指示が……出せない…ま、負ける……!?)

 

友「もう落とさせねぇし…指示も出させねぇよ…!」

 

小山「慌てるな!支えながら1人ずつ引き剥がせ!」

 

実況『A組も防御の姿勢が整ってきた!!ここさえ耐え切ればE組に打つ手は無いはず!』

 

磯貝「今だ…!来いイトナ!!」

 

 

友「秘密兵器は…最後まで取っておくものだ!!」

 

 

イトナは磯貝を踏み台にして高く飛び上がった。

 

そして、A組の棒の先端にくっつき……

 

 

そのまま……

 

勝利(ゲームセット)

 

 

E組男子「よっしゃぁぁ!!!」

 

 

友「やったな悠馬…!」

 

磯貝「ああ!皆のお陰だ!!」

 

 

茅野「す、すごい!!」

 

中村「本当に勝った……!」

 

殺「ヌルフフフ……E組の大勝利ですねぇ…」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

後輩「磯貝先輩〜!カッコよかったです〜!」

 

磯貝「おーありがと!危ないからマネすんなよ」

 

木村・菅谷「クソ…イケメンめ……」

 

悠馬大人気だなー……。今回のでもっと好感度上がったんじゃね?

 

前原「でもよ、本当空気変わったよな。特に下級生中心にE組見る目が」

 

村松「当然だべ。こんだけの劣勢引っ繰り返して勝ったんだからよ」

 

 

岡島「へへ、なんか俺ら…マジですげーのかもしんねーな!」

 

初めの頃、俺を含めて皆…自分たちが『エンドのE組』で、色々と諦めてた。

でも、暗殺を通して…ここまで強くなれた。

自信を持った眼になった。

 

これなら、殺せんせー暗殺も夢じゃないかもしれない。

 

 

 

 

原「……あっ。浅野君だ…」

 

前原「……おい浅野!二言は無いだろうな?磯貝のバイトの事は黙ってるって」

 

 

浅野「……僕は嘘をつかない。君達と違って姑息な手段は使わないからだ」

 

前原(よく言うよ……山ほど姑息を使っといて…!!)

 

 

磯貝「でも、流石だったよお前の采配。最後までどっちが勝つか分からなかった。またこういう勝負しような!」

 

浅野「……消えてくれないかな。次はこうはいかない。全員破滅に追い込んでやる」

 

 

 

寺坂「ケッ負け惜しみが」

 

中村「いーのいーの。負け犬の遠吠えなんて聞こえないもーん」

 

竹林「彼も君と同じく苦労人さ磯貝。境遇の中でもがいてる」

 

磯貝「…俺なんて、あいつに比べりゃ苦労人でも何でもないよ。皆の力に助けてもらった今日なんかさ、『貧乏で良かった』って思っちゃったよ」

 

渚(浅野君のような派手さはない。けど、さらっと目立たずチームを勝利に導いていた。前でも上でもなく、磯貝君は気がつけば横にいる。リーダーでイケメンな暗殺者だ)

 

 

 

 

不破「凄かったね友君!」

 

友「……ああ」

 

不破「……?友君…大丈夫?なんか……フラフラしてるけど…」

 

優月に言われて気がついた。何故かフラフラしてしまう。眠気も凄い。

 

不破「ちょっといい…?」

 

優月は俺の額に手を当てた。

 

不破「ちょ……凄い熱だよ!?早く休まないと……」

 

友「あ、ああ……」

 

頑張りすぎだろうか…自分で額を触ってみても確かに熱い。どうやら本格的に風邪をひいたようだ……。

 

 

 

そしてこの後、数日間欠席する事になってしまった。

 

勿論、ゲームも出来ない。

 

こんなのあんまりだぁ!!

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。