磯貝「よっし皆!!いつも通り殺る気で行くぞ!!」
E組男子「おう!!」
ついに、A組 VS E組の…棒倒しが開幕する!!
実況『両者整列!椚ヶ丘中体育祭棒倒しのルール説明!相手側の支える棒を先に倒した方が勝ち!掴むのは良いが殴る蹴るは原則禁止!武器の使用も勿論禁止!例外として、棒を支える者が足を使って追い払うのや、腕や肩でのタックルはOKとする!なお、チームの区別をする為、A組は帽子と長袖を着用すること!』
帽子って………。
友「あれヘッドギアだろ……」
岡島「要するにあっちだけ防具ありか」
確実に潰しに来てんな…。
磯貝「……行くぞ!『完全防御形態』!!」
─E組初期陣形─ 完全防御形態
全員が防御に回り、攻められてもビクともしない無敵状態!
実況『おっと!?E組ガチガチの全員守備!戦力差に今更ビビったか?』
A組の方は……アメリカの留学生が小隊引き連れて来るな。つーか明らかに体格おかしいだろあれ。
…多分向こうは俺らが普通のカウンターを狙ってると思ってるな。だからアメリカでビビらせてボコボコにするって算段だろう。
アメリカがこっちに駆けてくる。
あんなの普通の人がまともに受けたらひとたまりもねぇな。
吉田「くっそ!」
村松「無抵抗でやられっかよ!!」
吉田、村松の2人がアメリカに向かって走っていく。
しかし、アメリカタックルにより2人は観客席までぶっ飛ばされてしまった。
実況『まずは2人ーー!』
新「……なんて威力だ」
木村「客席まで10mあんのに…」
茅野「や、やばいよ殺せんせー!」
不破「どんなに固まってても、1人ずつ吹っ飛ばされたら意味無いよ…!」
アメリカ[亀みたいに守ってないで攻めたらどうだ。フン。と言っても通じないか]
流石アメリカ人……。流暢な英語使うぜ。
カルマ[いーんだよこれで…]
新[今の2人はE組の中でも最弱って感じだよ]
カルマ[ごたくはいいから攻めてくればぁ?]
お前らも流石だよ…。よくそんな会話できるな…。
アメリカ達はその言葉を聞いて、俺たちに掴みかかろうとする。
磯貝「今だ皆『触手』!!」
棒を守っていた数名が飛び上がり、アメリカ共を上から押さえ込む。
E組陣形……『触手絡み』…!!
実況『E組、上からかわして押さえこんだ!さ、さらに…自軍の棒をなんと自ら半分倒して、棒の重みでガッチリ固めた!!』
掟破りの自軍の棒倒し……!!
流石の浅野でも想定外だろ!
寺坂「棒を凶器に使うななんてルールは無いからよ!」
実況『しかし、すかさずA組温存部隊が救援に行く!いよいよ激戦も本格化か!?』
A組が両サイドから攻めてきた……!
磯貝(……真ん中に隙がある。攻めるなら敵戦力が分散してきた今しかない…!)
磯貝「よし出るぞ!攻撃部隊!!作戦は『粘液』!」
前原・友・岡島・木村・新・杉野・カルマ「おう!」
実況『おおっとE組ここで攻める!たった8人で中央突破だ!これを見たA組、E組を追って防御に戻る!』
杉野「な、何!?」
岡島「攻撃はフェイクかよ…!」
磯貝「……行くぞ皆!作戦決行だ!!」
烏間「まるで詰将棋だ。守備陣があれほど完璧に抑えたのに、戦況はどんどん不利になる一方だ……。こちらはどうする。彼らが負傷するのは防衛省としても避けたいぞ」
殺「ヌルフフフ。大丈夫ですよ。社会科の勉強がてら助言しました。『作戦の全てに常識外れを混ぜなさい』とね」
E組陣形 『粘液地獄』!!
客席に逃げ込み、混乱を招く!!
カルマ[来なよ。この学校全てが戦場だよ]
実況『なんとE組、客席まで逃げ始めた!!それを追うA組で会場は大パニック!かわす!かわす!かわし続ける!椅子と客を器用に使って逃げ回るE組!客席はカオス状態だ!』
浅野(……体育祭の動きを見ている限り、E組の運動能力はやたら高い。その中でもあの8人は上位に入る。逆に言えば、あいつらさえ押さえ込めばもうE組は何も出来ない!)
渚(…野球の時と同じだ。棒倒しとはとても言えない異形の棒倒し…)
寺坂「…見ろよ。渚」
渚(ただ、全校生徒の目が変わり始めているのを感じた。『今度のE組らどんな手で勝つ気なのか』という、興味の視線に)
浅野「…橋爪!田中!横川!深追いせず守備に戻れ!混戦の中から飛び出す奴を警戒するんだ!」
浅野(棒倒しで最も危険な敵の攻撃は、先端に取りつかれる事だ。揺さぶられると少人数でも棒が不安定されてしまう。あの8人でその攻撃が可能なのは……前原、杉野はスピードはあるが加速が遅い。岡島も良い動きではあるが、この8人の中では劣る。真弓友は反射神経はあるがスピードにやや欠ける…)
浅野「磯貝、木村、赤羽、真弓新の4人は特に注意だ!その位置で見張っていろ!」
殺「親譲りですねぇ。浅野君は。敵味方の能力、そして戦況をよく把握している」
浅野(…この棒倒しが異形になるのも想定済み…。E組の目的はA組の棒を倒す事。A組の目的はE組を潰す事。ゴールが違う……。A組はいざとなれば、E組の棒も数に任せて容易く倒せる。棒を倒されて敗北しても、磯貝は校則違反を告発され路頭に迷う。それが嫌なら攻める指令をみんなに出せ…。鉄壁の防御で全員まとめて潰してあげよう。選ぶのは君さ…E組リーダー!!)
磯貝「…!」
友「悠馬!そろそろじゃないか!?」
磯貝「ああ!」
E組の作戦の土台になったのは、椚ヶ丘中の名物『観客席の近さ』だ。どの競技も一番迫力がある距離で観戦できる。この学校の粋な所だ。
それを利用した客席に逃げ込む戦術と、そして…次の手だ。
A組「おいどうなってるあっち」
A組「うーん…素早いなあいつら」
A組の防御が俺らに釘付けになっている隙に……観客席から、吉田と村松の2人がA組の棒へ!!
浅野「何……!?」
実況『なっ!?ど、どこから湧いた!?いつの間にかA組の棒にE組2人が…!?』
浅野(こいつら、序盤でぶっ飛ばされた…!?)
吉田「ヘッ…受け身は嫌ってほど習ってっかんな!」
村松「客席まで飛ぶ演技だけが苦労したぜ!」
2人には負傷退場のフリをして別動隊になってもらい、客席の外側から忍び寄ったのだ!A組全員の注意が逆サイドの乱闘に向いた隙にな!
磯貝「今だ…!逃げるのは終わりだ!!全員『音速』!」
前原「よっしゃあ!!」
俺たち攻撃部隊8人はA組の棒へと向かう。
そして、飛びかかる!!
実況『E組、A組の懐に入ったーー!』
前原「どーよ浅野!どんだけ人数差あろうがここに登っちまえば関係ねー!」
そう…!無理に引きはがそうとすれば棒まで倒れる…!
その時、浅野は自らのヘッドギアを投げ捨てた。
そして、浅野は吉田の腕を掴み、そのまま棒の下へと落とす。
更に岡島に向かって蹴りを入れ、棒の下まで吹き飛ばした。
友「吉田……!岡島……!」
実況『な、なんと浅野君!一瞬で2人落とした!!』
浅野「君達如きが僕と同じステージに立つ……。蹴り落とされる覚悟は出来ているんだろうね……」
浅野はバランスを崩すことなく俺らに攻撃を続ける。
俺らは防御で一杯で棒を倒す所ではない……!
速水「……やばい。詰みかけてる。客席に散ってたA組も戻りつつある。このままじゃ囲まれてリンチだよ」
矢田「そんな…!」
不破(友君………!!)
殺(1人で戦況を決定づける強いリーダー。彼が指揮をとる限りA組は負けない。磯貝君はそういうリーダーにはなれないでしょう。なぜなら、君は1人で決めなくてもいいのだから)
悠馬は浅野によって棒の下へと落とされてしまう。
しかし、その悠馬の背中を踏み台として使い、新たに4人…守備部隊の渚、航輝、千葉ちゃん、創ちゃんが棒にしがみついた。
浅野「何……ッ!?」
A組「ちょっと待て!?あいつら守備部隊だぞ!?」
A組「ってことは、E組の守備は2人だけ!?どーやって押さえてんだあれ!」
そう。現在アメリカ達を押さえているのは竹林と寺坂だけだ。
竹林「……梃子の原理さ」
生徒「……梃子なのか?」
生徒「梃子なら…そうなのか?」
寺坂「梃子って言っときゃ案外どいつも納得すんな」
竹林「もちろん方便さ。さすがに2人で5人も押さえるのはちょっと無理だ」
寺坂「だろうな」
竹林[でも君たちは抜けれるけど動けないよね。5対2なら棒が簡単に倒せてしまう。けど、君たちの第一目標はE組全員を潰す事だろ?棒を倒す指示はまだ出てないはずだ……。指示を出せる君らの
アメリカ[このメガネ腹立つ!!]
浅野(指示が……出せない…ま、負ける……!?)
友「もう落とさせねぇし…指示も出させねぇよ…!」
小山「慌てるな!支えながら1人ずつ引き剥がせ!」
実況『A組も防御の姿勢が整ってきた!!ここさえ耐え切ればE組に打つ手は無いはず!』
磯貝「今だ…!来いイトナ!!」
友「秘密兵器は…最後まで取っておくものだ!!」
イトナは磯貝を踏み台にして高く飛び上がった。
そして、A組の棒の先端にくっつき……
そのまま……
E組男子「よっしゃぁぁ!!!」
友「やったな悠馬…!」
磯貝「ああ!皆のお陰だ!!」
茅野「す、すごい!!」
中村「本当に勝った……!」
殺「ヌルフフフ……E組の大勝利ですねぇ…」
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後輩「磯貝先輩〜!カッコよかったです〜!」
磯貝「おーありがと!危ないからマネすんなよ」
木村・菅谷「クソ…イケメンめ……」
悠馬大人気だなー……。今回のでもっと好感度上がったんじゃね?
前原「でもよ、本当空気変わったよな。特に下級生中心にE組見る目が」
村松「当然だべ。こんだけの劣勢引っ繰り返して勝ったんだからよ」
岡島「へへ、なんか俺ら…マジですげーのかもしんねーな!」
初めの頃、俺を含めて皆…自分たちが『エンドのE組』で、色々と諦めてた。
でも、暗殺を通して…ここまで強くなれた。
自信を持った眼になった。
これなら、殺せんせー暗殺も夢じゃないかもしれない。
原「……あっ。浅野君だ…」
前原「……おい浅野!二言は無いだろうな?磯貝のバイトの事は黙ってるって」
浅野「……僕は嘘をつかない。君達と違って姑息な手段は使わないからだ」
前原(よく言うよ……山ほど姑息を使っといて…!!)
磯貝「でも、流石だったよお前の采配。最後までどっちが勝つか分からなかった。またこういう勝負しような!」
浅野「……消えてくれないかな。次はこうはいかない。全員破滅に追い込んでやる」
寺坂「ケッ負け惜しみが」
中村「いーのいーの。負け犬の遠吠えなんて聞こえないもーん」
竹林「彼も君と同じく苦労人さ磯貝。境遇の中でもがいてる」
磯貝「…俺なんて、あいつに比べりゃ苦労人でも何でもないよ。皆の力に助けてもらった今日なんかさ、『貧乏で良かった』って思っちゃったよ」
渚(浅野君のような派手さはない。けど、さらっと目立たずチームを勝利に導いていた。前でも上でもなく、磯貝君は気がつけば横にいる。リーダーでイケメンな暗殺者だ)
不破「凄かったね友君!」
友「……ああ」
不破「……?友君…大丈夫?なんか……フラフラしてるけど…」
優月に言われて気がついた。何故かフラフラしてしまう。眠気も凄い。
不破「ちょっといい…?」
優月は俺の額に手を当てた。
不破「ちょ……凄い熱だよ!?早く休まないと……」
友「あ、ああ……」
頑張りすぎだろうか…自分で額を触ってみても確かに熱い。どうやら本格的に風邪をひいたようだ……。
そしてこの後、数日間欠席する事になってしまった。
勿論、ゲームも出来ない。
こんなのあんまりだぁ!!