真弓兄弟の暗殺教室   作:Ncwe?

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第69話 『死神』の時間

《友 side》

 

 

新「ビッチ先生が来なくなって…もう3日か」

 

倉橋「余計な事しちゃったかな…」

 

 

殺「…烏間先生。任務優先もわかりますが、少しは彼女の気持ちになってあげては?」

 

烏間「……この後次の殺し屋との面接がある。先に帰るぞ」

 

磯貝「か、烏間先生…!」

 

烏間「…地球を救う任務だぞ。君達の場合は中学生らしく過ごしていいが、俺や彼女は経験を積んだプロフェッショナル。情けは無用だ」

 

そう言って、教室を出ていってしまった。

 

烏間先生は厳しい人だ。

 

特に、一人前の大人には……。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

殺「イリーナ先生に動きがあったら呼んでください。先生これからブラジルまでサッカー観戦に行かなければ!」ビュン!

 

不破「……あれ?殺せんせーってそんなサッカー好きだったっけ?今日の試合は絶対行くって前々から言ってたけど……」

 

友「典型的な4年に1度のにわかファンだよ。普段は野球派」

 

 

 

片岡「ビッチ先生は大丈夫かな…」

 

矢田「うーん…携帯も繋がんない…」

 

千葉「まさか…こんなんでバイバイとか無いよな?」

 

 

花屋「そんなことはないよ。彼女にはまだやってもらうことがある」

 

岡野「だよね」

 

前原「なんだかんだいたら楽しいもんな」

 

花屋「そう。君たちと彼女の間には充分な絆が出来ている。それは下調べで確認済みだ。僕はそれを利用させてもらうだけ…」

 

 

 

 

 

友「………えっ…!?」

 

不破「なっ…!?」

 

寺坂「………!?」

 

カルマ「……………!」

 

 

その人は、平然と教室に溶け込んで来た。

 

 

死神「僕は、『死神』と呼ばれる殺し屋です。今から君達に授業をしたいと思います」

 

 

なんだ……こいつ…。

 

 

死神「花はその美しさにより、人間の警戒心を打ち消し、人の心を開きます。渚君、君達に言ったようにね」

 

すると、律の元に一通のメールが届く。

 

死神「でも、花が美しく芳しく進化してきた本来の目的は……。律さん送った画像を表示して」

 

律に送られてきた画像には……。

 

 

死神「虫をおびき寄せるためのものです」

 

 

手足を縛られたビッチ先生の姿が…!

 

 

一同「び……ビッチ先生……!?」

 

死神「手短に言います。彼女の命を守りたければ、先生方には決して言わず、君達全員で僕が指定する場所に来なさい。来たくなければ来なくていいよ。その時は彼女の方を君達に届けます。全員に行き渡るよう小分けにして。そして多分次の『花』は、君達のうちの誰かにするでしょう」

 

何故だ…?

 

恐ろしい事を平気で口にしてるのに。

 

それがただの脅し文句では無いとわかるのに。

 

 

どうして…こんなに安心できるんだ?

 

 

寺坂「おうおう兄ちゃん…好き勝手くっちゃべってくれてっけどよ…。別に俺らは助ける義理ねーんだぜあんな高飛車ビッチ。俺らへの危害もチラつかせてるが、烏間の先公やあのタコはそんな真似許さねーぜ。第一、ここで俺らにボコられるとは考えなかったか誘拐犯?」

 

 

死神「不正解です寺坂君。それらは全部間違っている。君達は自分達で思ってる以上に彼女が好きだ。話し合っても見捨てるという結論は出ないだろうね」

 

 

……『優れた殺し屋ほど万に通じる』。

 

俺達の思考を読むなんてお手の物だ…。

 

 

死神「そして、人間が死神を刈り取る事など出来はしない。

 

 

畏れるなかれ。死神が人を刈り取るのみだ」

 

辺りに花びらが舞う。

 

そして……いつの間にか死神はそこにいなかった。

 

 

目に映るのは舞い上がった花びらと、ビッチ先生が監禁されたと思われる場所が記された地図だけだった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

友「……3日前の花束に盗聴器が仕込んであったのか」

 

前原「くそっ…!これで俺らの情勢を探り、ビッチ先生が単独行動になる隙を狙ったってことかよ!」

 

友「それだけじゃない。殺せんせーがブラジルに行くのも、烏間先生が仕事に行くのも知っていた。その上で大胆にも1人でここへ乗り込んできたんだ」

 

倉橋「でも…あの人そこまで悪い人には見えなかったよ?実は良い人だったっていうオチはない…?」

 

カルマ「……凄いよね。そう思わせちゃうんだから」

 

新「あいつの前じゃ多分皆がそう思うよ。自分が殺される寸前まで……ね」

 

倉橋「……うん。実際のとこ攫ってるしね。ビッチ先生…」

 

 

 

不破「……地図の裏にメモが書いてあるよ。『今夜18時までに、クラス全員で地図の場所に来てください。先生方や親御さんにはもちろん、外部の誰かに知られた時点で君達のビッチ先生の命はありません』……だって」

 

 

千葉「鷹岡やシロの時と同じだな。俺らを人質にして殺せんせーをおびき出すのが目的だろう」

 

杉野「くそっ…!厄介な奴に限って俺らを先に標的にする……!」

 

狭間「しょうがないんじゃない?私ら大金稼ぎの一等地にいるんだから。狙われて当然…。そりゃあ世界一の殺し屋とやらもそうするでしょうよ」

 

 

寺坂「……使うか?これ」

 

寺坂が指を指したものは…。

 

友「超体育着……か」

 

中村「守るために使うって決めたもんね。今着ないでいつ着るのさ」

 

岡島「ま、色々世話になってるしな」

 

前原「最高の殺し屋だが知らねーけど……」

 

寺坂「そう簡単に計画通りにさせるかよ」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

俺たちは、時間通りに指定場所に着いた。

 

磯貝「……あの建物でいいんだよな」

 

新「ああ。地図からして間違いないよ」

 

イトナ「糸成3号で空中から偵察したが、周囲や屋上に人影は無い」

 

速水「あのサイズじゃ、中に手下がいたとしても少人数だね」

 

不破「それと、花束に盗聴器を仕込む必要があったって事は、逆に考えるとその直前のE組(こっち)の情報には詳しくない確率が高いってこと」

 

友「恐らく、花束がE組(こっち)に来た直前に支給されたこの超体育着……。皆がそれぞれ殺せんせーを殺すために開発した武器は知られてないはず」

 

磯貝「敵がどれだけ情報通でも、俺達の全てを知る事はまず不可能。それがこっちの強みだ。大人しく捕まりに来たフリをして、隙を見てビッチ先生を見つけて救出。全員揃って脱出する!」

 

友「……律。12時を過ぎて戻らなかったら殺せんせーに連絡を頼む」

 

律「はい。皆さんどうかご無事で……」

 

磯貝「よし……行くぞ!」

 

『ビッチ先生救出作戦』が開始した。

 

入口から建物内に入る。

やけにだだっ広い。あちこちに散れば皆が一気に捕まる事態は避けられそうだ。

 

死神『全員来たね。それじゃ閉めるよ』

 

…上に監視カメラが設置されてある。

 

カルマ「やっぱこっちの動きは分かってるんだ。死神って言うより覗き魔だね」

 

死神『皆揃ってカッコイイ服を着てるね。隙あらば一戦交えるつもりかい?』

 

やっぱり…超体育着の事は知らないようだ。

 

片岡「クラス全員で来る約束は守ったでしょ!ビッチ先生さえ返してくれればそれで終わりよ!」

 

死神『ふむふむ。部屋の端々に散っている油断の無さ。よく出来ている。』

 

突如、ガゴッと轟音がした。

すると…この部屋全体が下へと下がり始めた。

 

不破「きゃあっ…!」

 

友「優月…!大丈夫か?」

 

不破「う…うん…!何とか…」

 

 

下に着くと、左右と後ろをコンクリートで、前を檻で囲まれた…牢屋のような所についた。

 

そして、檻の前には死神がいる。

 

死神「捕獲完了。予想外だろ?部屋全てが昇降式(エレベーター)の監獄。ちゃんと君達のために作ったものだ。一人一人捕らえるのは予想外のリスクがある。こうやって一斉に捕獲するのが一番早い」

 

矢田「死神…!それに、ビッチ先生…!!」

 

死神の後ろには、縛られているビッチ先生がいた。意識も失っているようだ。

 

死神「お察しと思うが、君達全員あのタコをおびき寄せる人質になってもらうよ。大丈夫。奴が大人しく来れば誰も殺らない」

 

皆が一斉にコンクリートの壁を叩き始める。

 

寺坂「畜生…!出しやがれ!」

 

片岡「本当…?ビッチ先生も今は殺すつもりは無いの?」

 

死神「人質は多い方が良い。奴を確実に狩場に引き込むために、場合によっては大量の見せしめがいる。交渉次第では…30人近く殺せる命が欲しいところだね」

 

新「………でも今は殺さない…。本当だな?」

 

死神「ああ」

 

岡島「俺たちがアンタに反抗的な態度を取ったら…頭にきて殺したりは…?」

 

死神「しないよ。子供だからってビビりすぎだろ」

 

岡島「……いや」

 

新「ちょっと安心したよ」

 

 

コンクリートを叩いていくと、1ヶ所だけ他の壁とは違う音が鳴る場所があった。

 

友「…!ここだ竹林!空間のある音がした!」

 

竹林(指向性爆薬…!)

 

奥田(カプセル煙幕…!)

 

 

竹林と奥田が開発した、殺せんせーに試す用の武器だったが、思わぬ所で効果を発揮した。

 

空間があった壁を竹林の爆弾で破壊し、奥田の煙幕で死神の視界を悪くし、全員で破壊した穴から脱出した。

 

 

 

 

しばらくすると、死神の声が聞こえてきた。

 

死神『聞こえるかなE組の皆。君達がいるのは閉ざされた地下空間だ。外に通じる出口には全て電子ロックがかかっている。ロックを解く(キー)は僕の眼球の虹彩認証のみ。つまり、君達がここを出るには…僕を倒して電子ロックを開かれる他ないって事だ』

 

寺坂「…くっそ」

 

死神『実はね。竹林君の爆薬で君達が逃げて嬉しかったよ。これだけの訓練を積んだ殺し屋達を、一度に相手にできる機会は滅多に無い。人質にするだけじゃ勿体ない。未知に大物の前の肩慣らしだ。君達全員に僕の技術(スキル)を高める相手をしてもらう……。期待してるよ。どこからでも殺しにおいで。……じゃ』

 

狂ってやがる……!

 

速水「…まるでゲーム感覚……」

 

鷹岡のような単純な執念じゃない。さっきまであんなに話していたのに……。

 

 

『死神』の顔が見えない……!

 

 

磯貝「……とりあえず、役割を決めて3手に分かれよう。狭い屋内じゃ全員でいても身動き取れない」

 

友「賛成だ。固まってるより散らばった方が色々と都合がいいと思う」

 

A team

カルマ・磯貝・岡野・茅野・木村・渚・千葉・前原・村松・吉田

 

磯貝「まず、A班は戦闘。連絡役の茅野以外はバトル要員だ。死神や、部下もいるかもしれない。積極的に探して、見つけ次第一気に叩く。BC班が敵と会ったらすぐA班に連絡だ。助けに行きつつ挟み撃ちを狙う」

 

 

B team

岡島・片岡・神崎・倉橋・杉野・中村・速水・三村・矢田・新

 

磯貝「B班は救出。気絶してたビッチ先生が心配だし、人質として敵の手駒にさせたくない。片岡、杉野、新が守りながら助けに行ってくれ」

 

 

C team

奥田・菅谷・竹林・寺坂・狭間・原・不破・友・イトナ

 

磯貝「C班は情報収集。友と寺坂は万が一のバトル要員だ。各自の力で偵察と脱出経路を探してくれ。」

 

友「監視カメラは厄介だから…見つけたら即破壊した方がいいな」

 

磯貝「ああ。そして律、各班の円滑な連絡頼んだぞ」

 

 

ハックド律「やる気しねぇ〜…。死神さんに逆らうとかありえねーし」

 

……あれ?

 

ハックド律「働くぐらいなら電源落とす」

 

無力化(ハッキング)されてる!!

 

 

竹林「この建物電波が通じてない。モバイル律は律本体よりハッキングが容易だろうけど…この短時間で乗っ取るとは…!」

 

まさに…優れた殺し屋ほど万に通じる……!

 

不破「ま、まぁ…トランシーバーアプリでも連絡は取れるから…臨機応変に対応していこう」

 

磯貝「……よし。警戒を忘れるな!散るぞ!」

 

一同「おう!」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

《C班》

 

イトナ「よし。とりあえず糸成4号で壁を探ってみる」

 

友「おう。周り警戒しとかないとな…。いつ不意打ちしてくるかわからない」

 

原「……やばいよ。吉田君に持たせたマイク聞いてたけど、A班全滅みたい」

 

寺坂「何!?1分前に散ったばっかだぞ!」

 

予想以上だな……。

まさかこんなに早くA班がやられるとは…!!

 

狭間「冗談じゃない強さみたいね。戦えるA班を中心に据えた作戦だったのに、C班(うちら)だけじゃ勝ち目無いわよ」

 

寺坂「バカ言ってんじゃねぇ!俺と友とイトナでA班以上の戦力だっつの!てめーらは安心して構えとけや!」

 

竹林「…安心できるかはともかく、なんか変だよこの建物。脱出の手がかりにと内部構造を探ってるけどドアのない壁の向こうにやたら大きな空洞がある」

 

不破「私たちのためにそんな大袈裟な仕掛けを作るとは考えにくいね…」

 

友「ああ。もしかしたら、これが殺せんせーを殺す罠……かもな」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

《B班》

 

片岡「…多分このドアの先がビッチ先生が捕まってる部屋」

 

新「この鍵くらいなら竹林爆薬で壊せそうだな。三村、頼んだ」

 

三村「ああ」

 

 

岡島「……どうする?A班やばいみたいだから俺達男子が救出に…」

 

新「いや、慌てたら死神の思うつぼだ」

 

片岡「死神を倒せばこっちが勝ちなのは変わらない。いずれどこかで襲ってくるから、返り討ちにするだけよ」

 

岡島「ったって…A班抜きでどうやって…」

 

新「この爆薬を使えばいい。人に向けちゃダメだけど…トラップや脅しになら充分使えると思うよ」

 

片岡「更に、奥田さん製催涙液入りペイント弾。顔の近くに当てるだけでパニックに出来るそうよ」

 

杉野「おう。バトる手段は存分にある。生簀の中に小魚放して遊んでるつもりだろうけど…その小魚はピラニアだと教えてやろうぜ」

 

竹林爆薬で鍵部分を破壊し、中に突入した。

 

中には予想通り…

手足を縛られ、気を失っているビッチ先生がいた。

 

片岡「ビッチ先生…!」

 

岡島「とりあえず…天井と繋がってる縄を切ろう」

 

三村「第一目標クリアだな…!」

 

新「…目は覚まさないけど息はあるね」

 

片岡「じゃあまずC班と合流しよう。協力してA班を救出しつつ、死神が来たらぶっ飛ばす!ビッチ先生とビッチ先生を背負った杉野を守りながら、新君、岡島君、三村君が先導、私が後衛!敵が1人なら充分渡り合える!」

 

新「よし、じゃあ行くぞ」

 

俺は先導してドアの外を見る。

左右を見渡したが敵はいないようだ。

 

倉橋「良かったよ〜。ビッチ先生無事でさ〜」

 

矢田「だね。まだまだ教えて欲しいことあるもん」

 

中村「まー先生ってかダベリ友達だけどね〜」

 

その時、後ろからドサッと音がした。

 

振り向くと……片岡と杉野が倒れていた。

そして2人の傍には…ビッチ先生が立っていた。

 

 

イリーナ「………6ヶ月くらい眠ってたわ。自分の本来の姿も忘れて。目が覚めたの。死神(カレ)のお陰よ。…さて逝かせてあげるわボーヤ達」

 

矢田「……ビ、ビッチ先生…!?」

 

倉橋「……本気なの?」

 

イリーナ「あんた達と可能性の見えない暗殺を続けるより、確率の高い奴を組む。悪いわね。商売敵は黙らせろってカレが言うのよ」

 

マジかよ…!裏切られるなんて…!

 

中村「ビッチ先生…そんな人だと思わなかったよ」

 

イリーナ「フフ…どんな人だと思ってたわけ?」

 

中村「…身勝手で、欲望に弱くて、男がいないと性欲で全身が爆裂して死ぬ…………。あ、わりとこんな人か」

 

イリーナ「怖い設定付け足すな!!」

 

確かにこんな人だわ。

 

岡島「……な、なぁビッチ先生。死神の手先になってたのはショックだけどよ」

 

三村「…その、今から1人で俺らを相手するつもり?一応…俺らも毎日訓練積んでるしさ」

 

岡島「先生1人じゃ…もう勝負にならないと思うよ」

 

…普段のビッチ先生ならそうだろう。

でも今の…『暗殺者(本来の姿)』を思い出したビッチ先生なら…もしかしたら…。

 

イリーナ「…そうかしら?なら…最後の授業をしてあげるわガキ共」

 

ビッチ先生はこちらに歩み寄る………。

何をする気だ…!?

 

イリーナ「あっ痛うっ……!ぐ…裸足で石踏んだ………」

 

…え?

 

矢田「大丈夫……!?」

 

三村「なっ…!?」

 

ビッチ先生は一瞬で矢田と三村に麻酔針を刺した。

 

そのまま岡島と中村に寄りかかって同じく麻酔針を刺した、足で神崎と速水にシーツを被せて麻酔針をシーツ越しに刺す。

 

今まで見たことが無いような素早い動き…!

 

岡島「ず…ずりぃ…!」

 

矢田「弱ったフリするなんて…一瞬心配しちゃったじゃん……」

 

イリーナ「訓練には無かったでしょ?こんな動き。いいことひよっ子共。訓練が良くても結果が出せなきゃいみないの。手段はどうあれ、私はこの場で結果を出し…あんた達は出せなかった。経験の差よ。修羅場を踏んだ数が違うと心得なさい」

 

残ったのは…俺と倉橋だけだ。

 

倉橋「…う、嘘……」

 

イリーナ「さ…残るは2人……どうするの?」

 

倉橋「……新君」

 

………こりゃ無理だ。

 

新「…降伏しよう」

 

倉橋「えっ……」

 

新「今のビッチ先生相手に…俺ら2人じゃ無理だよ。無駄に戦う必要は無い…。俺が無理して戦って…倉橋を傷つける訳にはいかないからな」

 

倉橋「…新君…」

 

イリーナ「あら…思ったより利口じゃない」

 

死神「…なんだ君一人に負けちゃったか」

 

死神……!いつの間に…!

 

イリーナ「あんたの言った通りだわ。やっぱりこの子達とは組む価値は無い」

 

死神「そういうこと。世界が違う。この子達が透明な空気を吸ってる間…僕らは血煙を吸って生きてきたんだ」

 

イリーナ(……そう。世界が違う。あんたともよ…カラスマ……)

 

 

死神「だがそれにしても呆気ない。もう少し戦術や用意があるものとわくわくして居たんだが…」

 

死神が消えた…!?

まさか…C班の方に…!?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

《C班》

 

死神「………期待外れだ」

 

寺坂「なっ…!?」

 

死神が現れた……!?

いつの間に……!

 

死神「他の班は全員捕らえた。もう充分だ。君達では僕の練習相手は務まらない。どうする?大人しく捕まるか…。戦闘に不向きなメンバーで絶望的な戦いを挑むか……」

 

寺坂「…上等だよ。行くぜ友!イトナ!俺らで叩きのめすぞ…!!」

 

イトナ「…………」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

《イトナ side》

 

殺『イトナ君、シロさんが君に施した肉体改造は徐々に薄れ…君の体は自然な中学生に戻りつつあります。だから、しばらくは無理な動きをしては駄目です。昨日は越せた障害(カベ)も今日は超せない危険がある。そのような超せない障害(カベ)と出会った時は……』

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

《友 side》

 

不味いな…このメンバーじゃ、死神の言う通り絶望的だ。

 

イトナ「……降伏だ。多分格が違う。戦っても損害だけだ」

 

寺坂「……イトナ」

 

友「…同感だな。ここで戦って…無駄に体力を消耗したり、ダメージを負う必要はないよ。降伏が妥当だろうね……」

 

寺坂「……友」

 

イトナ「今日敗北してもいい…。いつか勝つまでチャンスを待つ」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

俺たちは全員…さっきのとは違う牢屋に入れられた。

今度は…手錠と首輪を付けられ、身動きは取れなさそうだ。

 

死神「…この牢屋は脱出不可能だ。練習台はもう結構。あとは人質でいればいいよ」

 

 

倉橋「……はーあ。ビッチ先生に裏切られて悲しい…」

 

イリーナ「…フン」

 

 

カルマ「…どんな方法で殺せんせーを殺そうとしてるか知らないけどさ。そう計算通り行くのかね?」

 

死神「ん?」

 

カルマ「だってあんた俺らの誰にも大したダメージ与えられなかったじゃん。超体育着の情報を知らなかったからさ。この計算違いが…俺らじゃなく殺せんせーに対してだったら、あんた速攻で返り討ちでやられるよ」

 

死神「…で、結果はどうだ?君らは牢屋(そこ)にいるじゃないか」

 

……その通りだ…。情報不足なのを技術(スキル)でカバーした…。

 

死神「情報なんて不足して当然さ。ましてやあの怪物は…どんな能力を隠し持ってるか誰も知らない。例えどんなに情報不足でも結果を出す。それが世界一の殺し屋だよ」

 

……これがもし暗殺なら…気絶や、降伏した時点で俺らの死は確定していた。

 

俺らを一蹴し、

 

ビッチ先生を容易く引き抜き、

 

幾多の技術で結果を出す。

 

『桁違い』だ。今の俺らじゃ…百人いてもこいつに勝てない。

 

 

死神「さて、次は烏間先生だ。誘い出して人質に取る。彼ならば、君達よりは良い練習台になるだろう。それに彼を捕らえておくと色々メリットが多いんだ。計画の下準備の仕上げだね」

 

烏間先生を……!?

…いや、こいつならやる。

 

寺坂「…なぁイトナ、あっさり降伏なんざ…戦闘狂だったお前とはえらく変わったな」

 

イトナ「…あの頃は、俺は1人の殺し屋だった」

 

 

……ん?あの監視カメラに映ってるのって…

 

友「なぁカルマ…あれって…」

 

カルマ「……フッ。死神さーん。モニター見てみ。か?たまた計算違いしたみたいよ」

 

死神「……なぜわかった?」

 

 

 

イトナ「今は……俺はE組(ここ)の生徒だ。タコが言った。『生徒に超せない障害(カベ)があったのなら…その時は先生の出番です』と」

 

外についてある監視カメラには……犬の姿をした殺せんせーと、リードを持つ烏間先生がいた。

 

 

 

殺「ここです。犬に変装したお陰で自然に臭いを辿れました」

 

烏間「こんなうすらでかいイヌのどこか自然だ……!」

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