《友 side》
原「殺せんせーと烏間先生!」
中村「殺せんせーブラジル行ってたんじゃ…!」
死神「……まいったな。かなり予定が狂ってしまった。仕方ない
イリーナ「ええ…。私の出番ね」
……まずいな。
先生2人は…ビッチ先生の裏切りを知らない……!!
不破「どうしよう…あいつなら殺せんせーを殺りかねないよ」
前原「…でもよ、殺せんせーならきっと……」
友「……どうだろうね。今までの殺し屋とは段違いだよ。それに、殺せんせーは急激な環境変化に弱い。『裏切り』も環境の変化に当てはまる。信じたくはないけど……」
不破「そんな……!」
渚「………」
茅野「………渚…」
その時のことだった。
上から……殺せんせーが降ってきた。
一同「……!?」
岡島「こ…殺せんせー!?」
吉田「嘘だろ…!?」
矢田「そんな…!」
死神「…気に入ってくれたかな殺せんせー?君が最期を迎える場所だ」
殺「……皆さん、ここは…?」
死神「洪水対策で国が造った地下放水路さ。密かに僕のアジトと繋げておいた。路上にある操作室から指示を出せば、近くの川から毎秒200tの水がこの水路一杯に流れ込む。その恐るべき水圧は君の体から自由を奪い……対先生物質の頑丈な檻に押し付けられ、ところてん状にバラバラになるって寸法さ」
なっ……!?それって……!
烏間「待て…!生徒ごと殺す気か!?」
死神「当然さ。今更待てない」
なんてやつだ……!!
死神「生徒と一緒に詰め込んだのも計画のうちだ。乱暴に脱出しようとすればひ弱な子供が巻き添えになる」
烏間「……イリーナ!お前それを知った上で…!」
イリーナ「……プロとして結果優先で動いただけよ。あんたの望む通りでしょ…」
烏間「……!!」
殺「ヌルフフフ…確かに厄介な対先生物質ですが、私の肉体はついにこれを克服しました」
何だって…!?
死神「……本当?」
殺「初めて見せますよ……!私のとっておきの体内器官を…!!」
そう言うと殺せんせーは…
檻をペロペロ舐め始めた。
……は?なにこれ。
でもよく見ると檻が少し溶けてるような……?
前原「いや…確かに殺せんせーのベロ初めて見たけど…」
殺「消化液でコーティングして造った舌です。こんな檻など半日もあれば溶かせます」
一同「遅ーよ!!!」
死神「…言っとくけど、そのペロペロ続けたら全員の首輪爆破してくよ」
殺「ええっ!?そ、そんなぁ!?」
村松「あたりめーだ」
それにしても、殺せんせーまでこうもあっさり捕まるだなんて…。
全部…
賞金も…俺らの命も……!
死神「さて急ぐか。他にもどんな能力を隠しているかわからない。来いイリーナ。今から操作室を占拠して水を流す」
操作室へ向かおうとする死神の方をガシッと烏間先生が掴む。
死神「……なんだいこの手は?日本政府は僕の暗殺を止めるのかい?確かに多少手荒だが…地球を救う最大の
烏間「…………」
烏間先生はしばらく考えると……死神の頬を強く殴った。
死神「ぐっ………!」
烏間「…日本政府の見解を伝える。29人の命は…地球より重い。それでもお前が彼らごと殺すつもりならば、俺が止める」
一同「烏間先生!!」
殺(カ、カッコいい!!)
死神「……へぇ」
烏間「……言っておくがイリーナ。プロってのは…そんな気楽なもんじゃないぞ。…どうする死神?生徒ごと溺死させるこの暗殺計画。続けるなら俺はここでお前を倒す」
死神は標的の暗殺を優先したのだろう。素早い動きで烏間先生とビッチ先生の間を抜けドアから出ていった。
烏間「チッ……!させるか!」
烏間先生もそれを追ってドアから出ていく。
殺「烏間先生!トランシーバーをONにして!」
イリーナ「……フン。
ビッチ先生はそう言って自分の首輪を取り外す。
イリーナ「確かにカラスマも人間離れしてるけど…
矢田「……ビッチ先生」
前原「あの野郎が俺らごと殺すって知ってたのかよ…」
岡野「何でよ…。仲間だと思ってたのに…」
ビッチ先生は俯いて黙っている。
カルマ「…怖くなったんでしょ?プロだプロだ言ってたアンタがゆる〜い学校生活で殺し屋の感覚忘れかけてて。俺ら殺してアピールしたいんだよ。『私冷酷な殺し屋よ〜』って」
ビッチ先生は檻に首輪を思い切り投げつけた。
イリーナ「…私の何がわかるのよ。考えたこと無かったのよ!自分がこんなフツーの世界で過ごせるなんて……!!弟や妹みたいな子と楽しくしたり、恋愛の事で悩んだり……。そんなの違う。私の世界はそんな眩しい世界じゃない…!」
ビッチ先生がそう言い終わった直後、どうやら死神から連絡が来たようだ。
イリーナ「…わかったわ」
そう言い残してこの場から去っていった。
殺「……流石は歴戦の殺し屋達です。『味方だと思ってた人が敵だった』。それは先生の苦手とする環境の急激な変化ですが、彼女の演技はその変化を一切私に悟らせなかった。死神はもちろん…イリーナ先生も素晴らしく強い。まだ君達が実力で勝てる相手では無い。
…死神が設置していた監視モニターですが、断片的にではありますが強者対強者の戦いが覗けそうです」
モニターには烏間先生が映っている。
ドアノブを捻り開けようして…ピタリと止まった。
恐らく、向かいにトラップが仕掛けられていて、それに気付いたんだろう。少し触っただけで気付くとか…相変わらず化け物ですね。
その時、烏間先生はドアを思い切り開けた。すると、案の定仕掛けられていたトラップが爆発した。
不破「か、烏間先生……!?」
烏間先生は爆発に巻き込まれた………
と思ったら、何事もなく先へと進んで行った。
寺坂「……え?何が起こった今」
殺「烏間先生はトラップの内容を見抜いていました。この短時間で仕掛けられるのはせいぜい爆薬まで。しかも建物全体を壊す量とは考えにくい。それを見越して時間短縮のためあえてそのままドアを開け、爆風と同じ速さで後ろ受身を取ったのです」
爆風と同じ速さで後ろ受身…だと…!?
殺「ドアも盾になり、烏間先生に爆発はほとんど届かなかった」
前原「冗談だろ…!?」
岡島「判断も行動もあの一瞬でやれねーよ!」
次に烏間先生が映るのは…あのモニターか。
……ん?今なんかあのモニターに一瞬……!
友「行っちゃダメだ烏間先生!多分そこの曲がり角に……!」
曲がり角から銃弾が飛んでくる。烏間先生は間一髪で避けることに成功した。
曲がり角には銃火器が取り付けられているドーベルマンが数匹いた。
倉橋「犬…!?」
殺「銃を撃てるよう調教されたドーベルマン。あれだけの数をきっちり仕込んで使いこなすとは…死神の手腕ですねぇ」
杉野「烏間先生はどうするつもりだ……!?」
烏間先生は……。
ニコッと笑った。
優しい笑顔と言うより…なんかその…怖い笑顔で。
多分本人は優しく笑いかけてるつもりなんだろうけど……。
ドーベルマンはモニター越しでも分かるほど怯えている。
そして……笑顔ひとつで抜けてしまった。
嘘だろ…!?
千葉「…いやでも犬の気持ちちょっと解るな…。あの人の笑顔メチャメチャ怖えーもん」
不破「そういえば…笑ってたシーン思い出しても半分は人を襲ってる時ね…」
確かに…。
殺「そう。普段は強い理性で押さえ込んでいますが、烏間先生の真価はその奥に潜む暴力的な野性!彼もまた……この暗殺教室に引き寄せられた…比類なき猛者なのです」
殺せんせーがそう言っている間にも、いくつものトラップを回避していく。
鉄骨を両手で押さえ込んだり、ボウガンの矢を手で受け止めたり……。
殺「そして、死神という殺し屋も。この短時間であれだけの罠を仕込むとは…知識、技術、機転、全てが怪物レベル」
一同(じ……人類最強決定戦……!!)
木村「勝てないわけだ…。才能も積み上げた
殺「……そう。彼らは強い。それにこの牢屋もとても強固。対先生物質と金属とを組み合わせた2種の檻。爆薬でも液状化でも抜けられません。では君たちはどうしますか?今この場で彼らや檻より強くなるか?彼らにはとても適わないと土俵を降りるか?
両方とも違いますね。弱いなら弱いなりの戦法がある。いつもやってる暗殺の発想で戦うんです」
岡島「……つってもなぁ…。この状態でどうやって…」
三村「……………」
友「…航輝?」
三村「…全部が上手く行けばの話だけど…。出来るかも。死神に一泡吹かす事……!」