《烏間 side》
死神(……思っていたより化け物だった。これだけ迅速にトラップを破られては足止めにならない。操作室を占拠して水を流す前に追いつかれる。まぁ檻の中の標的に脱出の動きは見られないし…仕方ない。止まって迎え撃つか)
先へ進もうとすると、尋常じゃない殺気を感じた。
恐らく…死神がいる。
死神「殺気の察知も完璧か…正直見くびってたよ烏間先生」
烏間「まるでトラップの見本市だった。多彩なもんだな」
死神「人殺しの
すると、後ろから銃を撃たれた。
頬に掠ったが、少し血が出た程度…。
そして銃を撃った主は…。
死神「…ちゃんと当てなよ。イリーナ」
イリーナ「ごめんね…。次はちゃんと当てるわ」
烏間「……死ぬぞ。イリーナ」
イリーナ「死ぬなんて覚悟の上よ。アンタには理解出来ないだろうけど……
死神「そうだね。昔話をしてあげたっけ。テロが絶えない貧困のスラムに生まれ、命なんてすぐ消えるあやふやな世界。信頼出来るのは金と、己が
烏間「…………」
死神「イリーナなら僕の気持ちを分かってくれる。例え…僕が君を捨て石に使おうとね」
死神がリモコンを押すと上の天井が崩れてきた。
咄嗟の判断で何とか瓦礫に埋もれる事は無かったが…足止めされてしまった。
死神「生きてるとは流石だな。だが閉じ込めた。恐らく、君やタコ単独だったらこのトラップも抜けただろう。彼女は…そんな怪物を惑わすためだけに雇った」
後ろを振り向くと、イリーナが瓦礫の下敷きになっていた。それに、気を失っているようだ。
烏間「………!」
死神「可愛らしい位迷ってたよね彼女。かつての仲間を巻き込んでいいものか。その迷いは伝染する。君も彼女を攻撃すべきか迷った。結果君は…彼女を気にして反応が遅れた。これで当分追ってこれまい。遠慮なく最後の仕上げに入るとしよう」
烏間「くっ…!」
殺『烏間先生!』
スマホから奴の声がした。おそらく、モニターで見ていたのだろう。
殺『モニターを見ていたら爆発したように映りましたが…大丈夫ですか!?イリーナ先生も!』
烏間「……俺はいいが、あいつは瓦礫の下敷きだ」
一同『……!!』
烏間「だが構っている暇はない。道を塞ぐ瓦礫をどかして死神を追う」
倉橋『ダメ!!どうして助けないの烏間先生!!』
烏間「……倉橋。彼女なりに結果を求めて死神と組んだその結果だ。責めもしないし助けもしない。一人前のプロならば自己責任だ」
倉橋『プロだとかどーでもいーよ!十五の私がなんだけど…ビッチ先生まだ二十歳だよ!?』
矢田『うん。経験豊富な大人なのに、ちょいちょい私達より子供っぽいよね』
倉橋『多分…安心の無い環境の中で育ったから、ビッチ先生はさ…大人になる途中で大人の欠片をいくつか拾い忘れたんだよ』
烏間「……!」
矢田『助けてあげて。私達生徒が間違えた時も許してくれるように…』
中村『ビッチ先生の事も…』
烏間「…だが、時間のロスで君らが死ぬぞ」
友『大丈夫!死神は多分目的を果たせずに戻ってきます!』
磯貝『だから、烏間先生はそこにいてください』
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イリーナ(……私の村は内戦に巻き込まれた。そして、私以外全滅した。私は民兵の1人を殺して脱出した。その時、
烏間「……おい」
イリーナ「えっ…?」
烏間「……さっさと出てこい。重いもんは背負ってやる」
イリーナ「……!」
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《友 side》
不破「……そろそろ、死神は操作室に着いたかな」
友「恐らくな。死神は操作室に着いてから水を流す前に標的を確認するはず…その時、俺たちが『いない』ことに気付くはずだ」
その時、『床に置いてあった』首輪が爆発した。
友「……爆発したってことは、推理通り…ここの映像見たようだね」
三村「焦った死神は烏間先生の所へ戻って来るはず。結果がわかるまでこのまま我慢だ」
寺坂「……ぐぐ…きついな……」
殺「それにしても…よくこんな手を考えましたねぇ三村君……」
中村「保護色になって壁と同化…これで本当に騙せてんの?」
三村「多分ね。光の加減もバッチリだ」
片岡「全く。ラジコン盗撮の主犯共が大活躍とはね…」
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少し前──
三村「ビッチ先生が投げつけてった首輪……。俺らのと同型だよな。どうだイトナ?」
イトナ「…
三村「…だそうで。殺せんせー頼むよ」
殺「お安い御用です。死神も首輪も解析されるのは想定外でしょう」
友「……さて、次は手錠だね。監視カメラに映らないようにこっそり外さないと」
殺「勿論です」
三村「岡島、監視カメラは?」
岡島「強めの魚眼だな。忙しい時でも一目見れば部屋全部がチェックできる。それと檻の外…絶対に壊されない位置にひとつ。この2つに死角は無いけど…お前の読み通り『正確に見えない』場所がある。例えば…『ココ』とかな。外のカメラからは遠いし、魚眼の端は大きく歪む。モニターを見る限り魚眼補正もしてないし…盗撮するなら高い機材使わなきゃ!」
うーん…カメラの知識をエロに使わなきゃ岡島も素直に凄いと思えるのに…。
三村「その見えづらい所に上手く紛れる。菅谷に迷彩を塗ってもらって、横に10人、縦に3人…一番下は男子で…」
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菅谷「マジ使えるよ。超体育着の暗殺迷彩。壁の色そっくりに変えれるぜ」
岡野「カメラに衣装……。まるで映像作品の段取りだったね」
前原「三村こーいうの好きだよね」
友「新……。大丈夫か?俺と優月を上に乗せてるけど…」
不破「お…重くない…?」
新「う…うん。兄貴も姉貴も軽いから何とかね…それより、殺せんせーはどうしてんの?」
不破「先生は普通に保護色になれるから…」
友「俺らの隙間を自然に埋めてるんだよ」
中村「てことは…今素っ裸なんだよね…」
殺「恥ずかしい…恥ずかしい…」
友「赤くなるなよバレるから…!」
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一方その頃──
《烏間 side》
烏間「左腕は骨折の疑いがあるな。とりあえず応急処置で固定する。他に痛む所はあるか?」
イリーナ「ぐっ…」
烏間「おい!鼻血が…!」
イリーナ「いや……あんたが良い体すぎて興奮した…」
烏間「脳に異常かと思ったが…お前の場合それが正常だな……。
お前に嵌められてもなお…生徒達はお前の身を案じていた。それを聞いて…プロの枠にこだわっていた俺の方が小さく見えた。思いやりが欠けていた。すまない」
イリーナ「………」
その時、壁の向こうから殺気を感じた。
烏間「……………戻ってきたな。生徒たちが言った通りだ。イリーナ。お前が育った世界とは違うかもしらん。だが、俺と生徒がいる
ドゴォッ…!
壁が爆発して、そこから死神が出てくる。
死神「………イリーナ。烏間は?」
イリーナ「………別の道を探しに行ったわ。酷いじゃない死神。私ごと爆破するなんて」
死神「……いやあごめんよ!ああでもしないと目的が達成出来なくてね!」
イリーナ「……」
死神「僕らの世界は騙し騙されの世界だろ?文句あるなら…今度は確実に殺してやるよ?」
イリーナ「…別にいいわ。私も、すぐ男を乗り換えるビッチだから」
死神「…えっ……」
死神の背後を烏間先生がとり、死神をがっしりと捕まえる。
死神「な…なに……!?」
烏間「自分の
死神(こ…こいつ正気か!?)
烏間先生は死神と共に飛び降りた。
下には下水路がある。
烏間「おもったんだが…お前そんなに大した殺し屋か?」
2人は下水路の水に着地して、バシャッと大きな音が鳴った。
烏間「受身の
死神「………」
死神は何かを投げ捨てた。
それは……人の顔の皮だった。
死神「黙って聞いてりゃ言ってくれるね…」
烏間「……おまえ…!なんだその顔は…!」
死神「顔の皮は剥いで捨てたよ。変装の
烏間「…この